ハレクラニ短編
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ある静かな夜、ハカナはベッドの背もたれに体を預けながら二人の寝室でハレクラニを待っていた。ベッドサイドの明かりと窓から差し込む月明かりを頼りに本を読んでいた彼女は、心地よい月光の中、白いシーツに包まれた柔らかな枕を背にして、また1頁本を捲る。ふと窓の外から吹いたそよ風に視線を移しながらも彼ーハレクラニのことを考えていた。
ハカナの緩く結われた三つ編みが微かに揺れ、三つ編みを彩る青いリボンが彼女の髪を美しく飾り、淡いモスグリーンのワンピースが彼女の可愛らしさを引き立てていた。
「……遅いわねぇ。」と、ハカナが窓の外の夜空を見上げながら呟く。既に夜空に浮かぶ月は、空の真上に浮かんでおり、ハレクラニを待つために読んでいた本も読み切ってしまったハカナは、読み終わった本の頁を捲りながら何処か手持ち無沙汰にしている。
「何かあったのかしら…」と、勝手に嫌な予感がよぎった所で、かたんっ。と、何かが物にぶつかった軽い音がした。それに気がついたハカナは、本を閉じると寝室に向かって来る足音の主を出迎えようとベッドから足を下ろした。
「すまない、遅くなった」と言いながら、寝室に顔を出したハレクラニにハカナは、微笑みながら「おかえりなさい、ハレクラニさん」と応えた。ネクタイを緩めるハレクラニからスーツの上着と荷物を受け取ったハカナは、指定の場所に置きながら「今日は、遅かったみたいね」と笑う。
ハカナの微笑みに解されたのか、ハレクラニの表情が一瞬和らぎ、優しい微笑みを浮かべた。白いシャツの胸元を緩めたハレクラニは、振り向いたハカナの手を取ると腕の中に引き込んだ。
「は、ハレクラニさん?」
「……いいから黙っていろ」
ハカナは、一瞬目を見開いて驚くものの力強くも優しい抱擁による温もりに安心し、ハレクラニに甘えるように擦り寄った。「ハレクラニさん、今日もお疲れ様でした。温かいティーでも淹れましょうか。とっておきの茶葉が手に入ったんですよ」と、ハカナが提案を投げかける。ハレクラニは少し考えた後、頷きながら「ティーもいいが、その前に」と言うとハカナの肩を軽く押した。
「きゃっ、…え、?」
小さな悲鳴を出したハカナは背中からベッドにゆっくりと倒れ込んだ。ギシッ、という音が聴こえるとハカナに覆い被さるような態勢のハレクラニが意地の悪い笑みを浮かべてハカナを見下ろしていた。
くいっと、顎を上に向かされたハカナは、頬を赤く染めてハレクラニを見上げる。ハカナの表情にハレクラニは、愉快そうに目を細めた。
「貴様をゆっくりと味わってからでも遅くはないだろう?ーーーハカナ」
「え、ま、まって?」
静止するように声をかけるものの両手を頭上で縫い止められたハカナは、かぷりっと唇を奪われた。ベッドサイドの明かりは、いつの間にか消えており、白いシーツの海にハカナの髪が波のように乱れた姿を月明かりと愛する彼だけが見ていたのだった。
fin.
ハカナの緩く結われた三つ編みが微かに揺れ、三つ編みを彩る青いリボンが彼女の髪を美しく飾り、淡いモスグリーンのワンピースが彼女の可愛らしさを引き立てていた。
「……遅いわねぇ。」と、ハカナが窓の外の夜空を見上げながら呟く。既に夜空に浮かぶ月は、空の真上に浮かんでおり、ハレクラニを待つために読んでいた本も読み切ってしまったハカナは、読み終わった本の頁を捲りながら何処か手持ち無沙汰にしている。
「何かあったのかしら…」と、勝手に嫌な予感がよぎった所で、かたんっ。と、何かが物にぶつかった軽い音がした。それに気がついたハカナは、本を閉じると寝室に向かって来る足音の主を出迎えようとベッドから足を下ろした。
「すまない、遅くなった」と言いながら、寝室に顔を出したハレクラニにハカナは、微笑みながら「おかえりなさい、ハレクラニさん」と応えた。ネクタイを緩めるハレクラニからスーツの上着と荷物を受け取ったハカナは、指定の場所に置きながら「今日は、遅かったみたいね」と笑う。
ハカナの微笑みに解されたのか、ハレクラニの表情が一瞬和らぎ、優しい微笑みを浮かべた。白いシャツの胸元を緩めたハレクラニは、振り向いたハカナの手を取ると腕の中に引き込んだ。
「は、ハレクラニさん?」
「……いいから黙っていろ」
ハカナは、一瞬目を見開いて驚くものの力強くも優しい抱擁による温もりに安心し、ハレクラニに甘えるように擦り寄った。「ハレクラニさん、今日もお疲れ様でした。温かいティーでも淹れましょうか。とっておきの茶葉が手に入ったんですよ」と、ハカナが提案を投げかける。ハレクラニは少し考えた後、頷きながら「ティーもいいが、その前に」と言うとハカナの肩を軽く押した。
「きゃっ、…え、?」
小さな悲鳴を出したハカナは背中からベッドにゆっくりと倒れ込んだ。ギシッ、という音が聴こえるとハカナに覆い被さるような態勢のハレクラニが意地の悪い笑みを浮かべてハカナを見下ろしていた。
くいっと、顎を上に向かされたハカナは、頬を赤く染めてハレクラニを見上げる。ハカナの表情にハレクラニは、愉快そうに目を細めた。
「貴様をゆっくりと味わってからでも遅くはないだろう?ーーーハカナ」
「え、ま、まって?」
静止するように声をかけるものの両手を頭上で縫い止められたハカナは、かぷりっと唇を奪われた。ベッドサイドの明かりは、いつの間にか消えており、白いシーツの海にハカナの髪が波のように乱れた姿を月明かりと愛する彼だけが見ていたのだった。
fin.
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