【オドッテミタ】のは【ナイカレ生】


【はじまり】

寮長たちの連続オーバーブロットも落ち着き、学園はここ最近プチ騒動はあるものの平和な雰囲気だ。監督生もまだ帰り方がわからず、残留の処置をとってもらっている。

平和で、平和な日々。

ある日の休日。

「ヒマだ」

オンボロ寮の自分のベットの上でゴロゴロしている監督生は呟いた。相棒のグリムは昼食を食べてから、同じようにゴロゴロしていたら寝ていた。

「読書は好きだけど、たまには違うこともしたいな」

ヒマを潰せるスマホがないんじゃなぁ。それにスマホ関係は、この前動画関係のアレやソレでお叱り受けて反省し自粛している。

「でもなぁ、ツノ太郎誘って欲しいて言ってたしな」
「呼んだか?」

ほぼ名前を呼んだと同じタイミングで、転移魔法で登場したマレウス・ドラコニア。通称・ツノ太郎。

監督生はグリムを巻き込みベットから転げ落ちた。


◆◆◆


誘うとは言ったが、まさか出向いてくるとは思わなかった。ちょっといつもよりテンションの高い友人に監督生は、そんなに楽しみだったのかと思った。

「ふ、ふなぁ…そ…そろそろ…退いてほしんだゾ…」

「わ!グリム、ごめん!」



【作戦会議と練習】

その①(踊るまで準備しよう)

監督生「でも、ごめんね。自分、スマホ(撮影機械)持ってない…」
マレウス「リリアから預かり物がある、これを」
監督生「こ、これは!新品のスマホ(すぐに使える)!?」
グリム「あんたとこの副寮長どうした」
マレウス「前に誘われたと話したらその時に用意してくれた。僕の魔力に耐性があるように施してくれている」
監督生「リリア先輩てノリがいいね…」

監督生(保護者の許可を得たと思っていいものか?ん?メモがついてる…『イメージアップよろしく頼むぞbyリリア』リ、リリア先輩ーーー!)

グリム「おんがくを流すヤツもないんだゾ」
マレウス「忘れていた。リリアに相談してくる」

転移魔法で姿を消す。

グリム「あいつ、バンバン魔法使ってオーバーブロットとか大丈夫なんだゾ…?」
監督生「ストレス溜まってなさそうだし大丈夫じゃね?」

その②(音楽を決めよう)

グリム「準備もできたことで……音楽を決めるんだゾ!」
監督生「この音楽用、オンラインの有料音楽サイトにちゃっかり登録されてる」
マレウス「あぁ、リリアがダイヤモンドに教えてもらったと聞いた」
監督生「あれ?もう一人暗躍してる??」
マレウス「暗躍?」
グリム「オレ様、この画面の細かいタッチはムリなんだゾ」
監督生「(イメージアップか…)ツノ太郎。二曲踊っていい?最初は、動きが緩やかな奴で、二曲目は…」
マレウス「好きにするといい。二曲目は…そうだな。お前たちが踊っていたものにしてみたい」
グリム「!?あんたのキャラに似合わないんだゾ!?」
監督生「もうちょっと、イメージに沿うような感じがいいんでは!?」

監督生(一応、言うだけは言っておこう)

マレウス「お前がしてみたいものがやってみたいんだ」
監督生「ツノ太郎…!キュン!」
グリム「今の流れで、キュンどころがわからないんだゾ?」
監督生「ノリ」

その③(練習してみよう)

マレウス:練習どころかすべて完璧にこなしそう(偏見)

監督生「なん…だと…こちらの方が取得に時間がかかってるだと?さすが、ツノ太郎」
グリム「すごいんだゾ…」

マレウス(一曲目は動きが少ない。この日のために二曲目は練習しておいて正解だったな)

その④(演出はアドリブでやるそうです)

マレウス「演出は任せてくれ」
監督生「演出つけるの!?」
マレウス「何のために、これだけ魔法が使えると思ってるんだ?」
グリム「少なくともこんなことに使うためじゃないんだゾ」
監督生「ツノ太郎がいいなら、お任せするよ」
マレウス「何故、覆面を被っている?」
監督生(紙袋)「自分、顔出しNGなんで」
グリム「また意味の無い抵抗なんだゾ」
マレウス「公の場で僕との邂逅で衝撃を与えたのに、何故?」
監督生「う、うるせーーーーー!!ミュージックスタート!」





【オドッテミタ】

動画内容:撮影者:ゴースト

歌の出だしは穏やか。

ゆったりした曲調タイプ。種族の違う問題に、歩み寄るような曲。

ゆっくりと左から寮服のマレウスさんが出てくる。横向き横顔。

ゆっくりと右から紙袋in監督生が出てくる。横向き。

人外であるマレウスに、人間の監督生が問いかける。

だいたいの曲の感じ
『ツノ太郎(仮)、愚かな人間のことどう思ってる?あなたのように優れたものがない、弱くて劣っている人間のことをどう思ってる?あなたはその力の強さのあまりまわりを遠ざける部分があるけれど、あなたが優しいと知っている』

マレウス(寮服)に向かって、監督生(紙袋制服)から問いかけるような仕草をする。

答え返すように、監督生(紙袋制服)にマレウス(寮服)が横顔で美しい笑み(監督生指定)を浮かべている。

問いかけで差し出された手をソッと包む。

だいたいの曲
『人の子(仮)、お前に出会ってから人間に対する見方が変わった。恐れを知らない人間の行動が、どれだけ僕に変化もたらしたかお前は知らないだろう』

そこで真っ白な光をふわふわとまわりに浮かばせる(マレウス演出)

手を離すと、監督生(紙袋制服)がくるくるとまわり離れる。

穏やかなステップで踊りながら、降り注ぐ光を掴む。

その姿に、少し寂しそうに微笑むマレウス

いつか離れていく、という演出

EDのように終わる



監督生「ゴーストたちの映像技術凄くない?ふわふわ動きまわれるからありとあらゆる場面がうまいこと写ってるわ〜音響が難しいとこだけど」

グリム「オレ様の出番がなかったんだゾ!」

マレウス「次があるだろう。人の子よ、どうしてオドリに向かなそうなソレにしたんだ?」

監督生「どうせ動画撮るなら、ツノ太郎の優しいところを知ってほしいなと思ってね。まぁ…次に撮る動画が前回の曲(ツノ太郎ver)だから、初見を騙そうかと!そっちの方がおもしろい!」

マレウス「お前が楽しそうならそれでいい」

グリム「常々思うがあんた、こいつに甘すぎるんだゾ…」



動画内容:撮影者:ゴースト


左にマレウス(運動着)、センターグリム、右に紙袋in監督生(ジャージ)

この時点で、弾けるようななにか(マレウス演出)


スマホカメラにより

マレウス(妖精族の王子の本気、もちろんキレッキレッ)

グリム(一生懸命に踊ってるが手足が短いのでパタパタしてる)

監督生(紙袋だけど二回目なのでキレがいい)


ミュージックに沿い、二人と一匹ダンスをしはじめる。

ステップを踏む、フリを揃えている。

少々、複雑なダンスのフリ(ご想像にお任せします)


手を叩く、指パッチン。グリムが増加する。

グリムは分裂した自分を見て目玉がとびだす。

軽快なステップ。


踊りながら会話。

監督生「ツノ太郎!?」(小声)
マレウス「ダイヤモンドのユニークの魔法に着想を得た。軽い幻覚だ」(小声)
監督生「人の魔法に何やってるんですか」(小声)
マレウス「本人の許可は取ってある」(小声)
監督生「ケイト先輩!?」(クソデカボイス)


全員、顔面アップ

マレウス(艶やかな顔面で嘲るような感じ(監督生指定)、動画でここまでアップされたものがない)

グリム(ゴーストの方が噴いてしまい盛大にブレる)

監督生(ブレる紙袋、自分写す必要ある?)


手で銃の形を作り、視聴者に向けてバンッて打つ。

背後でマジで爆発が起きる(戦隊モノのアレ)


監督生「ツノ太郎!?フゴォ」(踊りながら)
グリム、突然の爆音により監督生の紙袋(顔面)に強打。
マレウス「危険性のないものだ。聴覚と視覚系の魔法だから安心しろ」(踊りながら)
監督生「色々と危険なんですけど!?」(グリムを持ちつつ)


なんとか持ち直し、サビの盛り上がり部分に入り二人と一匹で同時でジャンプする。

end





(イメージはフワッと優しい曲調で、人外のマレウスさんに人間である紙袋監督生が人間のことをどう思ってると問いかけてる感じです。マレウスさんと監督生の関係のイメージは人外×+少年or少女)

(マレウスさんは一箇所いがい、監督生に表情を指定されていないところは、始終真顔です)





【動画投稿してみよう】

監督生「うわぁ…演出した魔法がちゃんと撮れてる…」
マレウス「どうだ、人の子よ。僕もなかなかの演出をするだろう?」

監督生(すごい誇らしげ…せっかくやってくれたしなぁ)
監督生「うん、すごかったよ!でも、今度はアドリブじゃなくて打ち合わせしようね」

グリム「それ本当にあんたが考えた?所々、ギャップがありすぎるんだゾ…」
マレウス「いや、せっかくだと思い調べた。ただ僕は機械操作が苦手でな、リリアに頼んだ。書き出したメモの束から組み合わせた」

監督生・グリム((仕込んだのやっぱり))

監督生「うーん、ここまでリリア先輩にお膳立てしてもらったら、動画アップするのがお返しになるのかなあ…あの人、なんかまわりの反応込みで楽しんでそうな気がするんだよな」

グリム「セベクとシルバーに怒られそうなんだゾ?いいのか?」
監督生「怒られるのはいつものことだからいいか!」


◆◆◆


投稿された動画は、監督生(紙袋)とグリムとディアソムニア寮の寮長がダンスをする。衝撃的な映像に、ナイカレ生及び全世界に衝撃を与えてしまった。

監督生との関わりでナイカレ内のイメージが変わりつつはあるが、世界のイメージはマジフトや、前のイメージなのでそりゃ賛否両論。

だけれど、なんかマレウスのファン増えた。

再生回数は前回とは比べものにならないくらいになり、固定されたタグいがいに【最初は涙腺崩壊、最初にダマサレタ、マレウス様ご乱心、マレウス様何してるんですかww、これはいいマレウス様、ブレない紙袋、←こいつが元凶です、演出:マレウス様】……等ひっきりなしにタグ編集されたのは言うまでもない。コメントもエライことになっていた。


ケイト「許可したけどマジでやると思わなかった…」
マレウス「どうやら成功したようでリリアや人の子が喜んでいた。礼をいう」

ケイト(カントクセイちゃんさすがにビビってるでしょ。前回より反応が桁違いだし)
ケイト「ホントにまるくなったよね〜今ならマジカメリベンジいい?」

マレウス「そんなものでいいのか?何したらいい?」
ケイト「マ、マレウスくんどうしたの?なんかヤバイ薬でも盛られた?」
マレウス「?僕はいつもこうだが?」

ケイト(ある意味ヤバイ薬なのかも…カントクセイちゃん)


◆◆◆


当の監督生、ありとあらゆるところからお叱りを受けた。

セベクには怒られた。

監督生(いつか、セベクも巻き込んでやろ)

この監督生は懲りない。


◆◆◆


リーチ兄弟にチ◯ーリ◯グ◯ブ踊ってほしい(願望)
サビを踊ってほしい(切実)
アズールを巻き込んでほしい
追記:願望が叶ってました





【舞台裏で】

その日、イデア・シュラウドに最大の危機が訪れていた。


『顔出しとかムリ顔出しとかムリ顔出しとかムリ』
「イデアさん、無駄な抵抗はよしなさい。この僕から逃げられるとでも?」

彼は全身全霊、できうる限りの魔法・科学的技術で対抗し自分の部屋で籠城していた。あの正気の沙汰と思えない連絡に、彼がすんなり参加することなどないのだ。よって数時間以上押し問答している。

『ア、アズール氏。これは裏切りですぞ!拙者、寮長会議にも式典にも出れないクソザコメンタルの持ち主だと知ってらっしゃるだろ!人でなし!』
「威張るのはやめなさい!はぁ…そこら辺もう少し頑張りましょうよ…とにかく、僕のために出てもらいますよ。もちろん手はうっています。イデアさん用に顔を隠す仮面やモザイク技術を学んできましたから大丈夫ですよ」
『優しさの使いどころマチガッテル!拙者を除け者にする選択肢は!?』
「ないですね。ボドゲ部のよしみで言いますが、それなりに顔馴染みである僕から訪れると交渉したんですよ。まだ優しい方ですよ、まったく」

(やれやれ、ジェイドとフロイドを連れてこないだけでも破格の待遇です)

イデア『…え?』

「さて!さて!次、訪れるはハーツラビュルか、サバナクローか、スカラビアか、ポムフィオーレか…今回は学園長直々のお達しで、しかもタダじゃない!それぞれにそれなりのご褒美がでるとなると…まぁ、そんなことに振り回される方たちだと思いませんが、何が起こるのやら…?」

イデアはさらに顔面蒼白になった。

それなんて無理ゲー。他は来るかどうかはわからないが、ハーツラビュル(生真面目)はまだいいとして。

もう一人、案の定忘れられているがSSRチートキャラがなんかきたら終わりである。しかし、あの男はそんなキャラでもない。

それよりも、イデアの直感は告げる。

スカラビア(意味不なゴーイングマイウェイ)が突撃してきたら勝てる気がしない。最後の砦(部屋の扉)があったとしても、自身と彼の相性は正にサイアク。あの話を聞いてくれない姿勢を長時間続けるなんて…干からびた未来の姿が見える。

それとあの最高責任者は何をしてるんだ。職権濫用も甚だしい。しかし、アズールのラウンジの件やこれまでのあれこれを思いだしてもなんか納得できちゃう。

『学園長がラスボス!?こうなったのも監督生氏のせいですぞーーー!』
「僕は感謝しかありませんけどね」

この後に、例の第一次ドラコニアの乱(動画)が投下され、スカラビアのカリムがスマホ片手に突撃してくることは、彼らは知らなかった。

イデア『wwwマ、マレウス氏ーーー!衝撃のキャラ崩壊www』(自分のスマホで確かめた)
アズール「監督生さん…また、とんでもない人選を…」
カリム「マレウスのヤツ楽しそうだな!イデアもやろうぜ!」
イデア『…え?』


◆◆◆


⭐︎第二戦、コングがなるーーーーー!


◆◆◆


色んなハプンニングが起きて、オルトから相談された某兄弟が出動して逃げきれなかった。

ちなみにもう一人の寮長は、いいところまで気づかれていたのにイデアのドタバタでいつも通り参加できなかった。

学園長「もう、これお約束なんですかね…?」

マレウスに対抗心のあるレオナがラギーに煽られノセられたり、アズールがラウンジのpv制作してみようかと考えたり、今日もナイトレイブンカレッジは平和です。
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