エピソード3


「ふなあああ!?オマエ………顔がクリアなんだゾ!?ぼんやりしてねぇ!」

耳元で聞こえる大音量の悲鳴。失礼な言葉が聞こえた。鼓膜がビリビリしながら、薄ぼんやりと目を開けると部屋の中はまだ暗い。カーテンから差し込む光もないので、まだもうちょっと眠れそう。うとうとと二度寝の体勢に戻ると、ゆさゆさと体を揺さぶられる。目を開けなくても、誰がそれをしているのかわかる。

「ユ、ユウ!起きるんだゾ!顔がすごいことになってんだゾ!」
「朝っぱらから元気だな。鼓膜が破れる……ん?」
「鏡見てみろ!」

寝ぼけながらも、いつも浮かぶ選択肢を選ぼうとしたら違和感。

あれれ?普通に会話ができてるぞ?

喋る時に現れる、脳内に浮かぶ選択肢は出てこない。するり、と自分の意思で喋れた。一気に脳は覚醒し、バッとベッドから起き上がると喉を押さえる。真横にはグリムが、ぶつぶつと呟いている。顔見ろと連呼されるので、急いで部屋の鏡を覗きこむ。

「………誰だお前!?」

ーーー鏡の中に映り込むのは、地味だけれど中性的な人間。

容姿が明確になった監督生は、鏡に映る自分にセルフツッコミをした。


◆◆◆


しばらく鏡の前で呆然としている監督生を、ちょいちょいと遠慮がちにグリムがズボンの裾を引っ張る。

「ユ、ユウだよな?オレ様の子分だよな?」
「子分じゃないけど、ユウだよ。たぶん?」
「オマエも疑問系なんだな……それからよぉ、もう一つ大変なことが起こってるんだゾ。部屋が汚ねぇーんだゾ」
「は?汚な………なんじゃこりゃあああ!?」

日々精を出して磨き上げていた寝室は、見るも無惨に荒らされていた。そこそこ綺麗に整頓されており、畳まれた制服も必要な物が詰め込まれた通学バックも用意していたはずが、どこにも見当たらない。寝る前には普通だったのに。思わずグリムの方へ視線を向けてしまう。

「オレ様がやったんじゃねぇんだゾ」

後ろめたさのない不満顔だ。視線を向けてしまったが、もちろん疑ってはいない。初期の頃とは違い、グリムが室内を荒らしたことはほとんどない。

「オレ様すげぇ違和感を感じて、朝起きたらこの部屋とは別の部屋にいたんだゾ。変だと思って、この部屋に戻ったらこんなことになっちまってた………寝ている間に何が起きたんだ?」
「わからない。寝る前は普通だったのに……一気に起こりすぎて何がなにやら。それに、普通に喋れるし」
「?オマエは喋れるだろ?」
「あ!あーウン。でも、いつもより何か違わない?」
「ん〜言われてみれば?この後どうするんだゾ?」

そうだった。相手には普通に会話で聞こえるんだった。あの選択肢も自分の脳内で起こってる現象だし。自分の体の変化は、周りには些細なことだろうし。さすがに見た目が変化したのは驚いてたけれど。でも、グリムから見たら自分てぼんやりしてたんだ。初耳。

「とりあえず、ご飯食べて状況整理しよう。まだ、登校まで時間があるし」
「頭を使うのにも、メシがねーと頭が働かねーもんな!」

手探りで電気をつけて、この荒れた部屋から制服を探すが、不思議なことに落ちている様子がない。見つからないならしかたがないと、予備の制服を求めてクローゼットを開ける。中身を見てギョッとした。必要最低限の物しか入ってなかったその中身は、所狭しに化粧品や可愛らしい洋服など詰め込まれていたのだ。そう、女の子の私物。これらは買った覚えがない。そしてなにより。

「女子制服しかない……ない……だと?」
「うげぇ、色んな匂いが混ざってクセェ。オマエ、スカートはいてたのか?こんなオンナノコのもの持ってたか?」
「着てる姿見たことある?ナイトレイブンカレッジは男子校だから、女子の制服は常備してないはず。学園長から支給された制服も男子生徒の制服だったよ」
「ふーん。お、今のオマエなら似合うんじゃねーか?エペルほどじゃねぇけど、可愛い顔になってんだゾ」
「エペルには絶対可愛いて言っちゃダメだからね。複雑だけど褒めてくれてありがとう。でも、自分は性別が決まってないから………どっちかというズボンの方が………ん?」

容姿がはっきりしている………もしや、性別も?………今なら、こっちも性別がはっきりしてるのでは!?カッと両手で自身の胸の部分を揉みしだく。触るが柔らかくもない。絶壁の可能性もある。股間にも特に違和感はない。見ればわかるか。しばしの逡巡、パジャマのズボンを思いっきり引きずり下ろす。

「……………これはっ!!」

ーーーどっちもなかった。どちらの生殖器もついておらず曖昧のまま。だからなんで定まってないんだよ!?

「男でも女でも、そーいうのアウトていうんだゾ。オレ様何を見せられているんだゾ」

呆然とズボンを下ろしたまま微動だにしない監督生に、割と人間よりの常識持っている魔獣は、相棒の奇行に半目で冷ややかに見ていた。

「まぬけな格好してねぇで早くしまうんだゾ。それにしても、食い物もねぇとは………お、こっちにズボンがあるんだゾ」
「でかしたグリム」

痺れを切らしたらしいグリムは、クローゼットの中を無遠慮に漁りはじめる。ガサゴソと音とともに、ズルんと埋まっていた予備であろう男子制服を引っ張りだしてきた。一応はあったらしい。男子校に身を置く手前、やはり男子制服の方が馴染んでいるのでこっちの方が落ち着く。

クローゼットの中身に疑問に思い、部屋の中をもっと注意深く確認してみたら、違う箇所がいくつもあった。身に覚えのない家具や小物が転がっている。どれもクローゼット中身と同様、女の子らしいアイテムで、じんわりと背に汗が滲んだ。

(まるで、誰か別の人の部屋に来たみたいだ)

制服に着替えて、朝の身支度を整える。部屋から出るとそこそこ綺麗な廊下。

「ふなっ!?この前ここんとこ、オレ様頑張って磨かされたのに汚くなってる!?」
「ここも最近直したとこなのに元に戻ってる」
「ホントに寝てる間に何が起きちまったんだゾ」
「なんか、寮の中の様子の時間が巻き戻ってるみたいに見えるね」
「状況整理する前に、オレ様もう既にイヤな予感がしてるんだゾ。様子がおかしいときは、いつもどこかでヘンな事が起こってるしな」
「キッチンは無事かな?」
「ハッ!ツナ缶!オレ様のツナ缶は無事か!?」

荒れてはいないが、最近の記憶ではこれよりもっと綺麗なはずだった。寮内の変わりように、二人して驚きながら思ったことを話し合う。事情を知っているかもしれないと、ゴーストたちを探し、呼んで見るがどこに居ない。たいていは寮内でふよふよしているのに。この有様じゃ、キッチンもどこかしら変わっていそうな気がして呟けば、グリムが一目散に駆け出した。ツナ缶が絡んだときの行動力はあいかわらずだ。

「また掃除しなきゃな……」

少しづつ明けていく、外の光に反射して舞う埃を見ながら、一人ため息をはいた。


◆◆◆


オンボロ寮のキッチンの中には先客が居た。同い年くらいの女の子。

「……久しぶりに部屋からでてきたと思ったら、随分様変わりしたのね。心を入れ替えてイメチェンのつもり?それにしては、遅すぎると思うのだけれど?」
「え!?誰っ!?」

キッチンの入り口で、入ろうかどうか足踏みしてるグリムに不思議に思い。声をかけようと近寄ったら、そんな言葉が聞こえてきて、顔を向けると知らない女の子がいた。相手はこちらを知ってるらしいが、自分はこの女の子のことは知らない。

「………物忘れも酷くなったの?それともショックすぎて記憶喪失にでもなったフリ?一応同じ寮のよしみで忠告して置いてあげるけど、そんなガタガタな状態で外に出ても彼らは同情しないわよ。特にあの人たちは貴女のこと許していないわ」
「え!?オンボロ寮生!?」
「………さっきから意味わからないこと言ってるけど、私は寮生じゃないわ。学園長が私のことを雑用係に決めたの、貴女喜んで聞いてたでしょう?」
「えっと、こっちも意味がわからない状態と言いますか。あなたはいつからここで暮らしているんですか?」
「そこからなの………嘘でしょ?………よく見ると、雰囲気が違う??」

いつの間にオンボロ寮に寮生が増えたんだ、と思ったらまさかの雑用係だった。自分たちもかつてその役割だったがグリムの監督生に任命され、ほんの一晩で終わった。とは言っても、今もほとんど雑用係引き受けているようなもの。それに話しかけられた内容は、ほとんど心当たりがない意味不明なものだ。昨日まで普通に登校していたし、イメチェンもしていない……今の状態、ある意味イメチェンしてるのか?記憶喪失も元の世界のこと朧げだし、これもある意味失っているのか?

それより、目の前の女の子が一つも質問に対する返答を返してくれない。この話の聞かなさ、知ってる人たちの中でもトップレベルに近い。今までの人たちは、まだ質問したら説明してくれたりした。このなんとも言えない疎外感を紛らわすため、耳元に口を寄せ小声でグリムにグチでも言ってみた。

「凄い。質問すべてスルーされてるのでは?」
「……アイツ、さっきからオマエに対してアタリが強くねぇか?」
「あ〜やっぱそうだよね。あの子に何しちゃったんだろ……て思う前に関わったことすらないよ」

そうなのである。見知らぬ女の子から、なぜかわからないが尋常じゃない敵意がビシバシ伝わってくる。よく図太いとか言われる自分でもこの波動に気づく。嫌われているなと感じる。できれば、あからさまに伝わってくる相手とは関わりたくないが、オンボロ寮の住人らしいならそうもいかないだろう。

「ねぇ、グリム。さっきから監督生さんと仲良しだけれど、その子がアナタにしたこと忘れたの?」
「ん!?オレ様特に何もされてねぇぞ!?それより、アンタの方が一体何者なんだゾ!!」

女の子ーーー自称・雑用係の子は、今度は自分と喋るグリムへと話を変えた。彼女はグリムとも知り合いらしい。でも、グリムから彼女のことは聞いたことがない。いよいよ、おかしくなってきたぞと、今までの面倒事センサーが警戒音を鳴らしている。

「はぁ………アナタまでそれ?つまり、アナタが私にしたことも覚えていないわけね。せっかくお互い和解して、関係を築き直していこうと話し合っていたのに………上辺だけだったのね。ま、どうでもいいけれど。いいんじゃない?貴女たちお互い相手に迷惑かけまくりの似た者だし、仲良くしあってれば?」
「質問も答えねぇで、ごちゃごちゃやかましいーんだゾ。アンタ性格悪いんだゾ。さっきから刺々しくて針みてぇ」
「こら!グリム!」
「………なによそれ。性格悪くて自分勝手なのは、あんたの隣にいるその女でしょ」
「いや!?なんで!?矛先がこっちに!?」

どのように事が進むのかと様子を伺っていたら、案の定グリムがいつものごとく、身も蓋もない言い回しをして注意をする。だいたい飾り気のない本質をついた言動をするが、言い方が言い方なので相手を怒らせるのだーーーそう、いつも通り怒らせたのだが、怒りはグリムではなく自分の方に向けられた。監督生という立場で責任を取らされることはあるが、身に覚えもないしでかしで言われるのは理不尽すぎる。

「んん!?………アンタ、さっきから誰かと勘違いしてねぇーか?コイツ、女じゃねーぞ?」
「は?」
「でも、男でもないんだゾ」
「はぁ!?」

何か言う前にグリムが言い返してくれたが、あまりにも突拍子もないから、彼女は信じられないものを見るような目で、頭から足の爪先まで凝視した。これは……人違いからようやく話が進みそうだ。この謎体質をどう説明しようかと思案するが、服を着た状態ならイマイチわからないか。ズボンのベルトを手にかけて、困惑した彼女の顔を見た。

「実際に見てもらった方が話早いですよね。脱ぎます」
「見たくないわよ!?脱がなくていい!!」

全力で拒否られた。
自分も同じようなことやられたら逃げるけど、そこまで嫌がらなくても。


◆◆◆


「どういう奴想像してるのかわからねぇけど、一方的てのはダメなんだゾ。話し合いて大切なんだゾ」

一騒動からその場を持ち直し、みかねたグリムが話しかける。誤解も解けそうな雰囲気が漂い。それで話し合いの方向に行くのだと、思っていた。

「………貴方は、私の知ってる監督生さんじゃないのね?」
「はい、そうです」
「………ふぅん、そう。あの女逃げ帰ったのね」
「朝起きたら様子が変だなと思っていたんです。〝あなた〟という住人もいたので、よくわかっていないんです。あなたの知ってる情報と、自分の知ってる情報を照らし合わせて状況整理しませんか?」
「断るわ」
「……え?」
「大変だろうけど、私忙しいの。この後学園の方で働かなくちゃいけないから。正直、貴方を相手をしている暇はないのよ。じゃあね」

「「えええええ〜〜〜!?」」

グリムとともに悲鳴をあげる。

誤解は解けたのに、今度は見捨てられそうになる。別人とわかった否や興味失せるの早すぎません?よくある流れだが今は困る。謝罪の言葉がないのは慣れてるとして、ここまで雑に放置宣言されるのは、ちょっとどうかと思います。

「ちょ、ちょ、待って下さい!話し合いがダメなら〝こういう異常事態〟の時は、学園長とか先生に報告するというものではないですか!?」
「ええ、そうね。でも、私が貴方にしてあげる義理もないじゃない?まったくの関わりのない赤の他人だし」
「たしか、に?」
「ユウは何を受け入れてるんだゾ!?アンタも、オレ様たちのこと誰かと間違えて嫌味言ってきたくせに、ここまで関わったんなら協力するってもんだゾ!オンボロ寮内の問題だろ!」
「図々しいわね。別に問題ないわよ。ここは〝借宿〟だし。私に関わらなければ、好き勝手にすれば?まさか、無償で親切にしてもらえると思ったの?」

出たーーー!NRC節!助けて欲しかったら、それ相応の行動か対価を寄越せというヤツである。全員が全員、そんな言動と態度をとるというわけではないけれど、比較的にそういう気質が多い。学園長からそうだしな。力を貸してくれないなら、自分たちでなんとかするしかない。これまでもなんとかなってきたし。人の手を借りるにも、タイミングというやつが必要なのである。親切そうなフリをした人物たちの顔を思い浮かべ、一人納得した。

「うーん、まあ、後で対価寄せとか言われるのも嫌ですし、自分たちで行動を起こしてみます。引き止めてごめんなさい。グリム、どうしようか」
「ふなぁ、まぁ、無理にとは言わねーんだゾ」

その内、気が向いたら手を貸してくれるかもしれない。いざとなったら頼れる相手は少なくともいるのだ。非協力的な人間に追い縋るのも時間がもったいない。気持ちを切り替えて、グリムと今後のことを話しあうことにした。

「………貴方、私の知ってる監督生さんとは違う、とても〝いい子〟なのね」
「えっと、忙しいじゃないんですか?」

静かになって立ち去ったのかと思ったら、まだこの場所にいた。視線を合わせると値踏みするような表情でいる。引っかかる言い方だが、さっきよりは刺々しさがなくなっているような気がする。それにしても、勘違いしていた人物はどういう人柄なんだろうか?自分と似てるらしいが、話ぶりからロクなことしでかしてない気が……。

「いい子、と言われると引っかかりますね。自分はいい子じゃありませんよ」

生活と立場のため利己的に動いているし、目的のために協力してもらうのにちょっと脅して夜通し騒いだ前科がある。この学園で『いい子』と連想するのは、カリム先輩やオルト君だ。誰かの為に動けたり心配したり、大切な人の為に祈りを捧げたりする姿を思い出す。ルーク先輩は……いい人だけれどパンチが効いてるからなぁ。

「いい子だけれど、善意の押し付けというのも迷惑なのよ」
「ん??いきなりカリム先輩のこと引き合い出すのは、脈絡なさすぎじゃありません?」

この子性格が捻くれてるのかな?カリム先輩まで飛び火しだすなんて、一体善人に何の恨みがあるのか………もしかして、ジャミル先輩ほどではないけどワケアリなのだろうか。

「引き合いに出してないわよ!?アンタこそ先輩に失礼じゃない!?」
「この学園で、いい子と言ったらカリム先輩は代名詞です。まあ、その言葉には共感します。それ故に一人の人間が追い詰められて、大変になことになった事件はありますし」

別にカリム先輩の人格を否定しているのではない。自分は以前キツい選択肢を言ったことはあるが、あの時は状況が状況だったし言わざるおえなかった。今みたいに、自由に話せたらもっと彼に寄り添って配慮した言葉もかけられたんだけど………終わってしまったものは仕方がない。カリム先輩の人柄は相手との相性があるし、ジャミル先輩とちょっと相性が悪い部分があったわけだし。

「貴方のことよ!〝監督生〟が善意の押し付けで迷惑かけているのは!」
「別人だと言いましたよね!?」

ロクでもないことしでかしてる上に、善意の押し付けまでしてるなんてどういう奴なんだよ!?そんな人物に似てるとか複雑だが、彼女からよく思われていないことがわかった。ここまで喧嘩を売ってくるなら、ちょっと買ってやろうじゃありませんか!

「さっきから、あなたは自分のことを自分勝手と評してましたが、あなたの方こそ自分勝手では?」

自分からしたら、彼女の方が自分勝手に見える。相手の様子がおかしいのにロクに確かめもせず、一方的に同一人物だと決めつけてキツイ言動する。別人とわかるや否や、謝りもせず手助けもせず接触を拒否する。これは、ナイトレイブンカレッジではよくあることだが。ならば、こっちはこっちで大人しく身を引いてなんとかしようとしてるのに、かけてくる言葉は相手の人格を否定するようなことばかり。

「あなたのことはよく知りませんが、嫌いなんですね?〝監督生〟という立場の人間なら誰でも嫌いなんでしょ?」
「………プレイヤーのアバターの分際で」
「プレイヤー?アバター?」

言い返されるとは、思っていなかったような反応をする。何か言いかけては閉じてーーー憎々しげに冷めた表情で一言と吐き捨てられた。その質問に答えられるはずがなく、今度こそ立ち去った。


◆◆◆


グリムと自分だけになったその場所は、言い争う声がなくなり静まりかえる。安心したため息を吐き、胸を撫で下ろす。

「ここの関係者て、変な人ばかりだ……」
「おまけに軒並み性格が悪いんだゾ」
「そうじゃない人もいるよ。あの子もクセがありそうだね………話をしたくないみたいだし」
「強烈すぎて食欲無くすぜ………また変なことに巻き込まれたんだゾ」
「そうだね。なんで知らない人に敵視されてるんだろう?知ってそうな学園長に問い詰めに行こう」

彼女にかけられた言葉を思い出しながら、嫌な予感を誤魔化して寮から学園長室へと出発することにした。
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