強制的に自覚させられた

監督生に会いにきた同年代の親友たちは、華麗なレディへと変身していた。

「まぁ、わかると思うけど。エー子よ。あなたを痛めつけたクソ野郎をブチ××してやりたかったけれど断罪済だから、あなたの心をサポートする側にまわったわ」

赤毛の美女は、いつものメイクがセクシーだった。どこと言わないがデカイ。

「デュ、デュー子ですわ。女の子て大変なのね。本当に、力だって弱くなって、こんな、こんな、乱暴するクソ××××野郎の気持ちなんてわからねぇ!女になっても、わたくしが守ってさしあげますわ!」

紺色の髪の美人は照れたように笑うが、瞳孔かっぴらているので少し台無し。どこと言わないが自分よりある。

「ジャク子だ。口調は柄じゃねぇから、そのままでいく。エー子の言うとおり先輩たちが対応しっちまったみたいだからな。××××野郎の中に、大柄な男もいたて聞いちまったから、思い出させちまうと思って……それでもデカイけどな」

銀髪の褐色肌の高身長美女は、悔しそうにその美しい顔を歪ませている。善意しか伝わらない。どこと言わないが一番デカイので、露出を減らしてほしい。

「エペ子だよ。何も、できなかったから、僕も一緒。本当は××××野郎を×××して×××したかったし、×××で××してやりたかったけど。オメェの心の方が大事だ」

元の姿と差がない。髪がロングになったのみか。元の姿でも色んな人の道を踏み外させていたが、大丈夫なの。これこそ大丈夫なの???男らしさを目指していた彼がその選択をしてくれた気持ちは嬉しいけれど、一番規制音が多い。

「セベ子だ!!!!!人間!!!!!これが僕の最大の譲歩だ!!!「セベ子、うるさくてよ」う、うぐぅ………これで、怖くはないだろう………?」

神話の肖像画から出てきたような神秘的な高身長の美女がいた。さすが妖精族。声量が煩いというか、艶のある美声に変わっていた。さすが妖精族。どこと言わないがジャク子の次にデカかった。


◆◆◆


【もし知り合いの男たちが怖いなら、魔法薬でしばらく女性に転換してサポートとすると希望者がいる】

(そういえば、そんなこと言ってたな!!)

「オ、オレ様もメスになった方がいいか……?」
「あんまり、変わらないと思うからそのままでいて。とりあえず、名前と口調は元に戻してよ、みんな」

あまりの迫力に、グリムが困惑したようにそんなことを言い始めた。気にしなくていいと頭を撫でてあげる。劇的変化した親友たちに笑いかける。もう笑うしかない。今回の件、極一部じゃないな。関わりの深い人たちには話は通ってるな、コレ。

「嫌だったら言ってくれよ。お前の希望通りにするから」
「守ってやれなくてごめんな」
「嫌悪があるようならユニーク魔法を使ってやるよ」
「そのままで、そのままでいいんだよ」
「お前にとって些細なことじゃないのは重々承知だ。それでも、妖精にとってお前の抱えていくものは、何であってもーーー見放すことはない」

湿っぽい声音で、みんなが私をぎゅうぎゅうと抱きしめる。ものすごい誤解が生まれているような気がする。訂正できるかな。どこまで伝わっているのかわからないが、ここで知り合ったヒトビトは私を放っておいてくれないみたい。


◆◆◆


そこを空気読まずに、雰囲気をぶち壊し。
知り合いの先輩たちが、巻き込まれ多数含み。
もれなく『一応女子になってみました』とばかりに乱入してきた。
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