【WT】大和撫子には程遠い【ヒュース】
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本部に着くと林道さんボスは上層部に用事があるからと、3人を連れてその場を後にした。個人ランク戦をしたい気分じゃないなー。ラウンジで時間を潰そうと足を踏み入れれば見知った人物と目が合う。
『加古さーん』
加古「あら名前、一緒にお茶でもどう?」
『私でよければ』
自販機で飲み物を買って空いている席に2人腰掛けた。
加古「あなた最近綺麗になったんじゃない?良い人でもできた?」
『いつもと変わらないと思いますが……。良い人もいませんよ』
飲みかけの紅茶を見つめそう答える。加古さんは頬杖をつきながら「へえ」と呟いた。
加古「あなた綺麗なのに彼氏がいないなんて不思議ね」
『過去にいた事はあります。けど「ボーダーと彼氏どっちが大切なの?」って聞かれて、すぐに答えられなかったらフラれちゃって』
大規模侵攻の直前に付き合いだした彼氏。明るく陽気な人で一緒にいて楽しかったのを覚えてる。でも、ボーダーに入ると一緒に過ごせる時間が減って……積もり積もった不満が爆発したらしい。
加古「まあ、本当にそんなコトを言う男が存在するのね。一般人との恋が難しいなら、ボーダー内の恋はどう?」
『今は現状維持でいいかなって。それに後輩達が頑張っているのを応援したいんです』
加古「後輩思いなのね」
加古さんとの楽しいお喋りは林道ボスから連絡でお開きとなった。本部を出て駐車場に向かうと、車の中には林道ボスとヒュースの2人だけが乗っていた。
『修くんと遊真は?』
林道「2人は鬼怒田さんと用事があるから、名前とヒュースは先に支部に送るよ」
『わかりました』
加古さんに「ボーダー内では?」と言われた時、1人の人物が頭をよぎった。それは今、隣に座っているヒュースの姿だった。
自室を出て共用のリビングに向かえば鼻腔をくすぐる良い香りに、お腹がぐぅと音を立てる。ドアを開け中に入ればレイジさんが出来上がった夕食を皿に盛り付けていた。
木崎「陽太郎、今日もヒュースと食べるのか?」
陽太郎「食べるぞ!」
木崎「じゃあ名前に運ぶの手伝ってもらえ」
今日はオムライスと熱々のスープでとても美味しそうだ。レイジさんからトレーを受け取ると2人で地下室へと向かった。
陽太郎「ヒュース、ご飯だぞー」
ああ、と言ってベッドから起き上がったヒュース。料理の乗ったトレーをテーブルに置いて部屋を出ようとすれば陽太郎が「名前も一緒に食べよう」と言った。
『え、私がいたら邪魔なんじゃ?』
陽太郎「じゃまじゃない。みんなで食べるご飯はおいしいぞー!」
ヒュース「……だそうだ」
『じゃあ……お邪魔させてもらおうかな』
ヒュースと陽太郎はもぐもぐと頬を膨らませオムライスを食べている。こうして見ると、2人はまるで歳の離れた兄弟のようだ……あ、いや、実際には兄弟じゃないけど。
『陽太郎、ここ、口の端にケチャップが付いてる』
ティッシュで口の端を拭う。私には兄弟がいないので、10歳近く離れた陽太郎を弟のように感じてしまう。だから、こうして世話を焼いて『可愛いなぁ』と思ってしまうんだ。
陽太郎「うむ。さすが3番目のお嫁さん候補だな」
『何度も言うけど私は1番じゃなきゃ嫌だよ?』
1番はゆりさんで2番目はチカちゃん。いつものようにサラリと受け流す私に、ヒュースは驚いたように口を挟んた。
ヒュース「玄界は一夫多妻制なのか?」
『違うよ、玄界では複数の人と結婚できない。妻は1人だけ』
ヒュース「そうか……陽太郎はお子様だな」
陽太郎「ヒュースはおれが羨ましいんだろ?」
ヒュース「俺は……心に決めたヤツは1人で良い主義なんだ」
陽太郎「名前にホレるなよ?」
ヒュース「……」
陽太郎から視線を外したヒュースは再びオムライスを頬張る。その表情はいつも通りで、何を考えてるのか読み取れなかった。
『加古さーん』
加古「あら名前、一緒にお茶でもどう?」
『私でよければ』
自販機で飲み物を買って空いている席に2人腰掛けた。
加古「あなた最近綺麗になったんじゃない?良い人でもできた?」
『いつもと変わらないと思いますが……。良い人もいませんよ』
飲みかけの紅茶を見つめそう答える。加古さんは頬杖をつきながら「へえ」と呟いた。
加古「あなた綺麗なのに彼氏がいないなんて不思議ね」
『過去にいた事はあります。けど「ボーダーと彼氏どっちが大切なの?」って聞かれて、すぐに答えられなかったらフラれちゃって』
大規模侵攻の直前に付き合いだした彼氏。明るく陽気な人で一緒にいて楽しかったのを覚えてる。でも、ボーダーに入ると一緒に過ごせる時間が減って……積もり積もった不満が爆発したらしい。
加古「まあ、本当にそんなコトを言う男が存在するのね。一般人との恋が難しいなら、ボーダー内の恋はどう?」
『今は現状維持でいいかなって。それに後輩達が頑張っているのを応援したいんです』
加古「後輩思いなのね」
加古さんとの楽しいお喋りは林道ボスから連絡でお開きとなった。本部を出て駐車場に向かうと、車の中には林道ボスとヒュースの2人だけが乗っていた。
『修くんと遊真は?』
林道「2人は鬼怒田さんと用事があるから、名前とヒュースは先に支部に送るよ」
『わかりました』
加古さんに「ボーダー内では?」と言われた時、1人の人物が頭をよぎった。それは今、隣に座っているヒュースの姿だった。
自室を出て共用のリビングに向かえば鼻腔をくすぐる良い香りに、お腹がぐぅと音を立てる。ドアを開け中に入ればレイジさんが出来上がった夕食を皿に盛り付けていた。
木崎「陽太郎、今日もヒュースと食べるのか?」
陽太郎「食べるぞ!」
木崎「じゃあ名前に運ぶの手伝ってもらえ」
今日はオムライスと熱々のスープでとても美味しそうだ。レイジさんからトレーを受け取ると2人で地下室へと向かった。
陽太郎「ヒュース、ご飯だぞー」
ああ、と言ってベッドから起き上がったヒュース。料理の乗ったトレーをテーブルに置いて部屋を出ようとすれば陽太郎が「名前も一緒に食べよう」と言った。
『え、私がいたら邪魔なんじゃ?』
陽太郎「じゃまじゃない。みんなで食べるご飯はおいしいぞー!」
ヒュース「……だそうだ」
『じゃあ……お邪魔させてもらおうかな』
ヒュースと陽太郎はもぐもぐと頬を膨らませオムライスを食べている。こうして見ると、2人はまるで歳の離れた兄弟のようだ……あ、いや、実際には兄弟じゃないけど。
『陽太郎、ここ、口の端にケチャップが付いてる』
ティッシュで口の端を拭う。私には兄弟がいないので、10歳近く離れた陽太郎を弟のように感じてしまう。だから、こうして世話を焼いて『可愛いなぁ』と思ってしまうんだ。
陽太郎「うむ。さすが3番目のお嫁さん候補だな」
『何度も言うけど私は1番じゃなきゃ嫌だよ?』
1番はゆりさんで2番目はチカちゃん。いつものようにサラリと受け流す私に、ヒュースは驚いたように口を挟んた。
ヒュース「玄界は一夫多妻制なのか?」
『違うよ、玄界では複数の人と結婚できない。妻は1人だけ』
ヒュース「そうか……陽太郎はお子様だな」
陽太郎「ヒュースはおれが羨ましいんだろ?」
ヒュース「俺は……心に決めたヤツは1人で良い主義なんだ」
陽太郎「名前にホレるなよ?」
ヒュース「……」
陽太郎から視線を外したヒュースは再びオムライスを頬張る。その表情はいつも通りで、何を考えてるのか読み取れなかった。