Viola
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初出勤の朝、鏡を見ると何とも言えない顔色だった。昨晩一通りもんどりうって、不整脈を疑うほどの心音の意味を理解した時には、もう外は白んでいて、結局2時間も寝ていない。
普段ロングスリーパーで常に8時間は寝ている私が、たったの2時間睡眠で文章が書けるだろうか。
少しでも顔色が良くなるように化粧を済ませ、エナジードリンクを一気に流し込んで家を出た。
川上さん、今日はいないといいな…。
こんな酷いコンディションの自分を、彼に見られたくはなかった。今までスッピンでもジャージでも、平気で街に繰り出せていた自分では考えられない思考だ。
世の中の恋する人々は、大変だ。いつ想い人にあってもいいようにきっと身嗜みを整えて準備してるんだから。
オフィスのある最寄駅につき、駅でトイレによる。鏡で髪とリップを整えて、心の中でよしっと呟きオフィスへ向かった。
「お疲れ。今日からよろしく。」
オフィスに入ると、一番最初に私を見かけて声をかけてくれたのは伊沢さん。部屋には他に福良さんと須貝さんがいて、二人ともこちらに向けて手を振ってくれ、私はそれに会釈で返す。
良かった、川上さんいなくて…。
挨拶をしながらそんな失礼なことを考える。ファンに不敬だと罵られてしまいそうだ。
今日のわたしの仕事は、少し先の日程にサイトへあげる記事を書くこと。この記事を書き上げるまで、須貝さんが私の教育係として指導してくれることになり、別室に移動して作業を進めることになった。
「須貝です!よろしく!伊沢から聞いてるよー。文章書くの滅茶苦茶うまいって!」
『そ、そんなことないです…趣味の延長ですから、皆さんに比べたら全然…。あっ、須貝さんの記事、読みました!どれもテンポが良くて、難しい内容なのにすらすらと頭に入ってきたのが、本当にすごかったです』
「マジ!?やったぜ!俺それ意識して書いてんだよね。普段褒められることないし嬉しいよ!俺も名字さんの書いた文章を読んで、丁寧で綺麗なのに笑いどころもいっぱいあって面白かった!」
そう言ってにっこり笑った須貝さんは、伊沢さんよりも年上で、私ともかなり歳が離れているけれど、動画で見た通りの人で、とても気さくで接しやすかった。
今回は伊沢さんから与えられたテーマについて書けば良く、文章の書き方についても特に細かい制約はないと須貝さんは説明してくれた。
「まずは名字さんの思うように書いてみて。もし必要であれば、このオフィスにある本は自由に読み漁って構わないし、図書館とか行って調べてもいいよ。何かわからないことあったらいつでも声かけて!」
『ありがとうございます!』
須貝さんが部屋から出て行き、私は作業に取り掛かる。今回伊沢さんから課されたテーマは”植物”について。過去の記事にもいくつか植物に関して書かれていたが、それらと被らないようにオリジナリティを出しながら、この記事を読んだ人たちが面白いと思えるような内容。
『……あ、良いこと思いついた』
数十分ぐるぐると頭を巡らして、ひとつ記事の内容を決めた。
善は急げ、別室にいた須貝さんに記事の概要を説明し、外出の許可を得た。
いろいろなアイディアが次から次へ浮かび、楽しくて仕方がない。
私は小走りでオフィスを出た。
普段ロングスリーパーで常に8時間は寝ている私が、たったの2時間睡眠で文章が書けるだろうか。
少しでも顔色が良くなるように化粧を済ませ、エナジードリンクを一気に流し込んで家を出た。
川上さん、今日はいないといいな…。
こんな酷いコンディションの自分を、彼に見られたくはなかった。今までスッピンでもジャージでも、平気で街に繰り出せていた自分では考えられない思考だ。
世の中の恋する人々は、大変だ。いつ想い人にあってもいいようにきっと身嗜みを整えて準備してるんだから。
オフィスのある最寄駅につき、駅でトイレによる。鏡で髪とリップを整えて、心の中でよしっと呟きオフィスへ向かった。
「お疲れ。今日からよろしく。」
オフィスに入ると、一番最初に私を見かけて声をかけてくれたのは伊沢さん。部屋には他に福良さんと須貝さんがいて、二人ともこちらに向けて手を振ってくれ、私はそれに会釈で返す。
良かった、川上さんいなくて…。
挨拶をしながらそんな失礼なことを考える。ファンに不敬だと罵られてしまいそうだ。
今日のわたしの仕事は、少し先の日程にサイトへあげる記事を書くこと。この記事を書き上げるまで、須貝さんが私の教育係として指導してくれることになり、別室に移動して作業を進めることになった。
「須貝です!よろしく!伊沢から聞いてるよー。文章書くの滅茶苦茶うまいって!」
『そ、そんなことないです…趣味の延長ですから、皆さんに比べたら全然…。あっ、須貝さんの記事、読みました!どれもテンポが良くて、難しい内容なのにすらすらと頭に入ってきたのが、本当にすごかったです』
「マジ!?やったぜ!俺それ意識して書いてんだよね。普段褒められることないし嬉しいよ!俺も名字さんの書いた文章を読んで、丁寧で綺麗なのに笑いどころもいっぱいあって面白かった!」
そう言ってにっこり笑った須貝さんは、伊沢さんよりも年上で、私ともかなり歳が離れているけれど、動画で見た通りの人で、とても気さくで接しやすかった。
今回は伊沢さんから与えられたテーマについて書けば良く、文章の書き方についても特に細かい制約はないと須貝さんは説明してくれた。
「まずは名字さんの思うように書いてみて。もし必要であれば、このオフィスにある本は自由に読み漁って構わないし、図書館とか行って調べてもいいよ。何かわからないことあったらいつでも声かけて!」
『ありがとうございます!』
須貝さんが部屋から出て行き、私は作業に取り掛かる。今回伊沢さんから課されたテーマは”植物”について。過去の記事にもいくつか植物に関して書かれていたが、それらと被らないようにオリジナリティを出しながら、この記事を読んだ人たちが面白いと思えるような内容。
『……あ、良いこと思いついた』
数十分ぐるぐると頭を巡らして、ひとつ記事の内容を決めた。
善は急げ、別室にいた須貝さんに記事の概要を説明し、外出の許可を得た。
いろいろなアイディアが次から次へ浮かび、楽しくて仕方がない。
私は小走りでオフィスを出た。