「」=ユメ以外の登場人物
『』=ユメ




ユメside



私には好きな人がいる。
ホントのホントに好きな人。
彼と会ったのは、およそ一ヶ月前の事、、、

「金出せって！」

『嫌だ！止めろぉ！』

私はお母さんに頼まれた豆腐のおつかいに行っていた。
その帰り。つまり今。
不良に絡まれてしまった。最悪。挙げ句の果てにお金まで要求されている。あー、詰んだ。
いつもはこんな奴ら一発なのに。今日は疲れていて相手をする気になれない。

「おい、聞いてんのか？！」

『はいはい、いくら欲しいの？』

「あ"？舐めてんのか？全部だよ！全部！」

『は？お金稼ぐのって大変なんだけど。何言っちゃってんの？』

そんなことを言っているといきなり胸ぐらを掴まれた。

「いい加減にしろよ」

あーあ、殴られちゃうわ。これ。まーいっか、どうせ治る怪我なんだし。
そう思った私が素直に殴られようとすると

「おい。」

と、別の男の声が聞こえてきた。

『だる』

「女に手ぇ出すなよ。」

『！』

お友達じゃないの？君たち。
確かに最初の男は派手な不良だけど、二人目の不良はなんだか弱そうだ。て言うか舐めないでもらいたい。私だって戦える。

『はーぁ、しょうがない』



ﾄﾞｯ



「ｶﾞｯ」

「！」

『ごめんね』

あんまり攻撃したくなかったのに、、、
前にどっかの総長に手を出してヤバめの争いになった事がある。
それからは男に手を出さないでおいてた。多分。

「お前強ぇな！」

『お前じゃねーし。』

「名前は？」

『ユメ。』

「そっか、オレは佐野万次郎。マイキーって呼ばれてる。ヨロシクな！」

そう笑うマイキーに惹かれていたのはこの頃から。



そして、



「ユメ同じ学校じゃん。」

『マジか、、、』



ここから私のアタックが始まる。