出会いは突然
「A組は僕らと違って個性把握テスト…か。」
廊下を歩きながら一人つぶやく。
本来でならば、今日は入学式やガイダンスを行う日だ。だがあいつ等は違う。
何が個性把握テストだ。
早くA組の余裕綽々(であろう)態度をぶち壊してやりたい。
入学初日から早速不満が募った僕、物間寧人は、このたった10分程度の休み時間中にトイレに行く途中だ。
にしても広い。
さすが雄英とでも言うべきか。
なんとかトイレを見つけ用を足し、教室に戻る。
僕のクラスはB組。
悔しいけどA組より成績や実力は下……なんだと思う。
だけど別に良い。
いずれ抜かして僕らが一番になるんだから。
………
HRも終わり、各々寮に向かう。
僕も向かおうと教室を出たとき、何やら疲れた様子で廊下の向こうから歩いてくるジャージ集団が。
あ、あれ、もしかしてA組の奴等じゃ……!?
すれ違うのは癪に障ったが、教室に戻って隠れるのも僕のプライド的に嫌なのでそのまま堂々と歩くことにする。
テストでつかれちゃったんだね〜。かわいそ〜。
こいつらの湿気た面を鼻で笑いながら廊下を歩む。
どいつもこいつも僕より弱いって顔してる。
………なんて思いながら悠々と歩いていたとき。
僕は出会ってしまったんだ。
本物の"天使"に。