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Trouble?

優雨「まずはデビューおめでとう。
君たちも晴れてスタートラインに立てたということだ」

結「ありがとうございます」

結くんがそう言うと
続けてメンバーみんなで頭を下げた。

優雨「では早速本題だ。単刀直入に言う。
望月事務所、学園共に存続できない。」

桃「え、ど、どういうことですか…!?」




遡ることデビュー前日。

優雨「急に呼び出してすまない。
準備は順調かい?」

「お陰様で、彼らも私も楽しみです」

そう言うとにこやかな表情で
答えてくれた。
そんな会話も束の間、
社長は先程のにこやかな表情を変えて
いつも見せる事のない真剣な表情だった。

優雨「単刀直入に言うと、
学園、事務所共に存続危機なんだよ」

「え…!?」


最近のアイドルブームでは
事務所同士の蹴落としあいの時代。
その原因はアイドルのランキング付け、
通称 "iRun"(アイラン)が存在している。
iRunには
アイドルがトップに駆け抜けると言う意味と
アイドルのランキングと言う二つの意味らしい。
評価の仕組みはCD、ライブなどなど、購入数やライブの入り具合などが対象になっている。

iRunには個人と団体の両方が存在し、
デビューをする事で
エントリー出来るという仕組みなのだ。

そのiRunにより、
老舗の事務所も新参者の事務所も関係なくなっている反面、不正を働かせる者もいた。

優雨「しかし、それを留める方法もある」

「…プリソン!?でもあれは…!」

通称プリソン。
年末に開かれる祭典。
プリンシパル ソングの事だ。
iRunの団体編で
選ばれた上位10組、
個人で10人だけが行うことが許されていた。

その中でもランキング1位、
プリンシパルに選ばれると
今後の活躍への1年間の支援、
何より圧倒的強さを見せつけられる。
知名度も上がる。
また来年のプリソンも約束される。

メリットしかない。

でも上位に入るだけでも本当に難しい。

優雨「それでも、彼らを背負ってあげられるかい?」

「…勿論です。私は彼らの作曲家ですから!」


彼らが最高の歌を歌えるように。
私の音楽で支えられるなら。
そう思った。





葵「プ…プリソン…」

優雨「勿論もう彼女は心を決めてるよ」


柚子くんは私を一瞬見ると、
一番最初に口を開いた。

柚子「最初から目指すところは変わりません」

杏「そうだね、俺たちなら」

桃「私も彼らと心強い作曲家を
支えます」

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