Produce.
__お疲れ様でしたー!!
音楽番組で新曲の撮影が終わると
私は彼らの元へと向かう。
今日が初めてのライブ。
午後からの降水確率は100%。
初めてだし、
人が少ないのは当たり前。
彼らの顔出しは絶対NG。
歌だけで勝負をする。
雨の日にしかライブを開催しないために
注目度も高くなるはず。
今日は私のライブもするからと、
ファンを引き込む。
私のファンが多くても
彼らはきっとアンフェアじゃない。
「準備は万端?」
黒羽「俺達のことより
お前急いできたんだろ、髪を整えろ」
黒羽に言われて
髪をいつも通りにセットをして
Alchmistに合わせて、
帽子を被る。
朔空「可愛い…可愛い可愛い可愛い…」
こんなアイドルだと思われちゃ
幻滅されるよ、朔空くん。
そう苦笑する。
__本番お願いしまーす!
「あとで、宜しくね」
今日はゲリラライブだから
知っている人も少ない。
でも、今の時代SNSには抗えない。
きっと拡散してくれる。
「運がいい皆さん、こんばんは。
ジャンヌ・リットーです!」
大きな歓声と共に拍手が湧き起こり、
私が彼らの運命の狼煙をあげた。