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記者会見を終え、バックに身を引くと
私は全員の前で頭を下げた。
奏「私のせいで振り回してしまったこと…ごめんなさい」
傷がつくかもしれない。
それでも話すべきだった。
そうすればこんなに大勢を巻き込むこともなかった。
奏「あと…中途半端でごめんなさい。
許してくれるなら…」
星夜「ジャンヌ、謝るな!
お前はそれが最善だと思って進んできたんだったら
1つも間違いなんてないんだ!」
星夜くんは本当に
どこまで真っ直ぐなんだろうと思う。
私が此処まで言わなかったのは
これ以上2人が離れてほしくなかったから。
なにより自分の居場所を
誰かに取られたくなかった。
星夜「勿論、この後も俺たちのこと
見ててくれるんだろ!プロデューサー!」
星夜くんに言われて
涙が溢れてきた。
あんなに、無くなるって恐れながら
行うって決めた引退会見。
こんなにも暖かく迎えてくれるなんて
思ってなかった…
いや、本当は迎えてくれるかも、
助けてくれるかもって思ってたのかもしれない。
黒羽「奏。こいつとも話せるようになった。
それはお前がいたからだ」
朔空「ずっと心配してたよ、くろは」
黒羽は、照れながら
そんなこと言うなと怒っていたけれど
本当に嬉しかった。
黒羽「お前はとっくに
ここ以外の場所なんてない。
それに、また離れるつもりだったのか?」
…離れる、その言葉を聞いて
はっと気付くのは、
柚希と同じことを繰り返そうとしていたこと。
奏「…そんなことはしない。
私が一緒に居たいから」
私自身がどんな顔をしていたのか分からない。
けれど、黒羽の目を見てちゃんと言えた。
…どこにも行かない。
あなたに消えて、そう言われる日までは。