Destiny.
彼らに充てられた歓声は
今までMCをしたことがない彼らの言動から
一気に空気が変わる。
仮面を外し、素顔が出ると
より一層歓声があがる。
黒羽「もう1人紹介する。プロデューサー」
プロデューサーと呼ばれて
Alchmistを地下アイドルとして出した時の
ジャンヌの衣装を纏い、帽子を被り
舞台の真ん中へと進む。
「Alchmistのプロデューサー
ジャンヌ・リットーです。」
カメラを至る所から向けられてもなお、
いつも通りの笑顔を向け頭を下げた。
「アイドルとプロデュースを兼任することで
不安はありましたが、彼らに沢山助けられました。
どうか、これからも彼らの応援をよろしくお願いします」
私は、盛り上がる会場に
Alchmistの新曲、"Never Over"を紹介した後
舞台袖へと捌けた。
「本当に酷なことをしますね。」
社長「そんなことはないよ~」
柚希達が舞台の上から見えたとき、
明らかに動揺していた。
Alchmistはアイチュウとは違う、
そう断言していたから。
社長は本当に怖い人…いやクマだよ。