Overture
寒い冬だった。
思い過ごしなら良かった。
私が何も知らなければ良かった。
いや、知っていたらもう少し何か、
彼らにとって利益なことが
出来たかもしれない。
そう思った頃にはもう遅かった。
誰か_____!!!
そう聞こえて急いで振り返る。
目の先には白い花によく映える赤い花。
何が起こったのかわからず、
咄嗟に駆け寄って電話を掛ける。
しかしその色は
これ以上ない記憶を植え付けた。
以降どうなったのか、
側にいた彼女はどうしたのかも
おぼえていない。
そうして彼女は、
行方を眩ませた。
これは、私がアイドルになる前のお話。
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