有精卵の出会いと悪意とUSJ
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そんなこんなで終わった個性把握テスト。感覚としてはそこそこいい記録出せたと思うんだけどみんな凄かったしなーと思ってドキドキの順位待ち。めんどくさいから一括で開示する当たりほんと消太さんだわ。
「ちなみに除籍はウソな」
みんなが驚きで固まる。私も流石に固まる。
「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」
「「「はああああ!?」」」
そりゃそうだ、あんまりすぎる。あの目は本気だったしまじのやる気だった。みんな叫びますわ、私も叫んだ。そんな私らを置いて淡々と締めていく消太さん。思わず睨んだら勝ち誇ったような笑みで返されたので悔しい。
落ち着いてから順位を見てみると、総合同率3位。思ってたよりも大健闘だ。みんながまだワイワイしてるし私もそこに行こうかな、と思って動き出す直前「おい」と声をかけられる。
「轟くん、だよね。どうしたの?」
「いや…これ、落としてたから」
「あ、ほんとだ。ありがとう!」
どうやらネックウォーマーを落としていたらしい。あんまり今日はもう1つの水じゃない個性を使わなかったから忘れていた。自己紹介を簡単にして、でもそれで受け取って終わり…というのもなんだか寂しい。だから少しお話してみる。
「轟くん氷の個性なんだよね?似ている人にあったの初めてだ!びっくりした」
「ああ。でも翠蒼のはなんか、ちげぇよな。水も出てたし。もう一つあるのか?」
「うん!実は個性、1つめは水なんだ」
「そうか。でも氷よく使ってたよな」
「えへへ、氷は友達というか家族というか……まあとにかく使い慣れてるし応用ききやすいんだよね。もう1つの個性使う時にも使いやすいし」
思ったより喋りすぎてしまった。家族ってなんだよって思うけどまあまちがいじゃない。でも初対面の人に話す内容じゃなかったな。
それにしてももうひとつあるかも、と思うあたり流石だ。と思ったら氷を溶かす左を思い出す。そうか轟くんも2つ持ちなのか。
「熱系も轟くんは使えるんでしょ?」
「まあ…でも、戦闘は左は使わねぇ」
顔に影を落として左を見つめる轟くん。これは踏み込んじゃいけないやつだ。
「そっか。個性も色々あるもんね」
「そうだな」
*
轟くんとお話していたらいつの間にかまた女子たちは更衣室に行ってしまっていたので、慌てて駆け込む。
「あ!きたきた!」
「遅いよー!待ってた!」
「え、え、ごめん!ありがとう!」
どうやら待っててくれたらしい。自己紹介大会をするみたいだ!やったね、優しい女子たちだ。私も着替えながら参戦する。けど気を使ってみんな先に済ましてくれるみたいだ、脱いだものを畳みながら、名前と個性と教えてくれるもの叩き込む。それにしてもみんなかわいいな!?
「心!最後!」
「お、私の番?さんきゅー響香。えーっと、翠蒼心です。気軽に心って呼んでくれたら嬉しいしあだ名もバッチコイです。よろしくね」
「わーよろしくね!」
「心ちゃんの水の個性?すごい綺麗やった!それに順位もめっちゃ上の方やったやん!」
すごく沢山褒めてくれる女子たちがかわいい。マジでかわいい。
ふわふわ系女子ことお茶子に、透明だけど元気いっぱいな透、カエルっぽい下がキュートな梅雨ちゃん、大人っぽいけど可愛らしさも残る百に、元気の塊!て感じな三奈、そして朝仲良くなった響香。
ここが楽園なら私は今すぐ死んでもいいと思った。
*
教室に戻って流れで響香と百と帰ることに。他の子達は用事があったり電車の関係で急いで家に帰っていた。
「それにしても百はすごいね、いきなり1位取っちゃった」
「ありがとうございます!でも私の身体能力が特別高いわけではありませんわ」
言外に"個性"のおかげだ、という。そりゃあ個性なかったら私も男の子に単純な体力勝負じゃ勝てない。けど聞けば百の個性はなんでも作れる、という訳じゃなくて構造がわかっているものを作ることが出来るそうだ。
「じゃあ百の努力の賜物だね!知識だって百の力のひとつ!個性だけじゃなくてそれも凄いんだ!」
「うわ、爆弾娘だねあんた…」
爆弾娘ってなんだよ響香。私は思ったことをストレートに言っただけだぞ!と言おうとしたらガバッと抱きつかれた。ものすごい勢いで顔に柔らかいものが当たってる。ちょっと息苦しい。
どうやら百が抱きついてきたようだ。ここ道だから通行人にめっちゃ見られてるけどまあいいや。
「心さん、とお呼びしても……!?」
「うん、呼んでくださいな」
抱きついたのは感極まったかららしい。私なんかそんな変なこと言ったかわからんけどぷりぷりしてる百が可愛かったからオールオッケー。
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