nightmare
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飲み込まれた、と思った次の瞬間にはまた知らない景色。
「なにっ、これ…」
「くっせぇぇ…んっじゃ、こりゃあ!!」
「悪いね、爆豪くん、翠蒼さん」
「あ!!?」
目の前には…人の形はしているけど、人でない。目も何も無い、誰、と考える前に後ろからバシャバシャと音がする。振り返れば敵連合の連中が現れていた。
淡々と、死柄木に語りかけるそいつ。…こいつがボスなのか。
「また失敗したね弔。でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した。その子らもね……君が”大切なコマ”と”必要な道具”だと考え判断したからだ。いくらでもやり直せ。そのために先生がいるんだよ。全ては君のためにある」
ステインの時のものが可愛く見えてくるぐらい、ゾワッと言い知れない恐怖、畏怖。掴んだままだった爆豪くんの腕も強ばるのを感じる。
動いたら、殺される。そんな未来が見えてしまうような。動かなきゃ、逃げなきゃ行けないのに。
「すべて返してもらうぞ!オール・フォー・ワン!!」
「また僕を殺すか、オールマイト」
空から声がした、とおもったら次の瞬間には2人がぶつかった衝撃で爆風に巻き込まれる。掴んでいた手も離れたが、近くには転がった。受身をとって立ち上がる。
嘘でしょ、オールマイトさんを素手で。
「5年前と同じ過ちは犯さん。オール・フォー・ワン。爆豪少年と翠蒼少女を取り返す!そして貴様は今度こそ刑務所にブチ込む!!貴様の操る敵連合もろとも!!」
「それは……やることが多くて大変だな……お互いに」
腕をかざした、と思えば再び爆風。それによってオールマイトさんが吹っ飛ばされていた。
「オールマイトォ!」
「オールマイトさんっ!!!!」
「心配しなくてもあの程度じゃ死なないよ。だから……ここは逃げろ弔。その子らを連れて」
気絶させられていたはずのワープゲートが、ぶわっと広がる。いや、敵のボスが強制的に開かせた。「さあ行け」と言った声共に、ビルの瓦礫からオールマイトさんが飛び出すのが見える。
その姿を見て、気づく。オールマイトさんが来てから、さっきまでの震えも、恐怖も、消え去っていた。
「行こう死柄木!あのパイプ仮面がオールマイトを食い止めてくれてる間に!コマ持ってよ……!」
ここが正念場、それは敵連合も一緒だ。
「めんっ…ドクセー」
「ったく、諦め悪すぎだっつの…!」
一斉に6人がかかってくる。さっきまでと動きが違う、何がなんでも、それこそ私たち二人が多少怪我しようが関係なしに、とにかく連れていこうと焦ってる。緊急事態なんだ、敵連合にとっても。
ひとまず、仮面の奴には触れられたらいけない。爆豪くんがそいつを爆破したのをみて、さらに氷壁で押しやる。氷漬けにしたいけど、死柄木が崩して終わりだ。ならひたすら防いで隙を見つけるしかない。
全身タイツのやつからの、メジャーのようなものを刺した攻撃を交した爆豪くんの後ろから、女子高生もどきが彼を刺そうとしている注射器を蹴りあげる…が、左手に隠していたらしい刃物で、太ももを刺される。
「っ!」
「心ちゃんっお友達になろう?…たぁ!」
「やられてんじゃねぇ!くそが!」
「ありが、と!」
爆豪くんが彼女を爆破で退かせてくれた。その勢いでナイフが抜かれた。爆風で体がふわっと浮いて、逆さになった視界。爆豪くんの後ろから大きな鉄を振り上げていたサングラス野郎が見えた。
彼の肩を掴みながら回転し、地面から氷錘を突き上げ、退けた。
着地して、一瞬だけ彼と背中を合わせる。どくん、どくん、と足に心臓がついたみたい。でもまだ痛みはきてない、大丈夫だ。
「動けんのか」
「とーぜん。くるよ」
「うっせぇ」
再び向かってくる敵をとにかく交わす、隙をみつけようとする。逃げなきゃ、私たちがいるからオールマイトが思うように動けていない。視界の隅で私たちに駆けつけようとして、ボスに食い止められているのが見える。
考えろ、足を、動きを止めるな。でも、どうすれば。
その時だった。どがん!と大きな音がして、全員の動きが止まる。そしてすぐに目に入ってきた、この夜の中でも綺麗に輝く、大きな氷結。
まさか、とは思ったけどあんなこと出来るの一人しかいない。姿は見えない、ピンチなことには変わりはない。なのにもう大丈夫だと、思ってしまった。
「来い!!!!!」
氷結の先から、高く高く飛んだ切島くんが手を差し出して呼びかける。緑谷くんと飯田くんもいる。
「翠蒼!!捕まれ!」
なんでなんて聞く必要ない。がっしり真正面から爆豪くんに飛びつくと同時に、彼の爆風で飛び上がった。そのままぐんぐんと切島くんたちに追いついて、そして彼の手を切島くんがつかんだ。
「…バカかよ」
爆豪くんの言葉に心の中でほんとにね、と呟く。
声に出したら情けない声が出そうで、それだと爆豪くんに振り落とされかねないので黙っておいた。
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