nightmare
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「言っとくが俺とこの女はまだ戦闘許可取れてねぇぞ!」
とりあえずここを切り抜けなきゃ。助けは来る、のは信じてるけど向こうの方針が変わらない内に脱出はしたい。爆豪くんの言うように、戦闘許可が取れてない以上個性は使える。
ほんと、めちゃくちゃ言い方は挑発してんのに、冷静だな。それに今ばかりは救われる。
「自分の立場…よくわかってるわね、小賢しい子!」
「刺しましょう!」
「いや、馬鹿だろ…」
「その気がねぇなら懐柔されたフリでもしときゃいいものを……やっちまったな」
呆れたように、私達を見ながら離す連合。…向かってこない、ってことはまだこいつらの中でもまだ、大切な駒扱いではある。
「したくねぇもんは嘘でもしねぇんだよ俺ァ。こんな辛気くせーとこ長居する気もねぇ」
「同じく。仲間になんないって言ってんだから、さっさと返してくんない?」
死柄木の睨みに一瞬怯んでしまう。だが、死柄木は「手を出さなよ、こいつらは、大切なコマだ」と、爆豪くんの爆破によって落ちていたらしい手を顔に付けなおす。
「出来れば少し耳を傾けて欲しかったな。君達とは分かり合えると思っていた……」
「ねぇわ」
「ないね」
答えつつ、ジリジリとドアの方に向かって下がる。明らかに空気が変わった。最大火力でぶっぱなしても…ダメだ、ワープが邪魔すぎる。
氷でこの距離から固めるのは、リスクが大きい。出した瞬間にワープを利用して、爆豪くんまで凍らさせてしまったら一溜りもない。溶かすのは時間がかかる。
「仕方がない。ヒーロー達も調査を進めていると言っていた……悠長に説得してられない。先生、力を貸せ」
「先生ぇ?てめぇがボスじゃねえのかよ……!白けんな」
「黒霧、コンプレス、また眠らせてしまっておけ」
「ここまで人の話聞かねーとは……逆に感心するぜ」
ジリジリと下がりつづける。考えろ、ドアは私達の後ろ側にある。どうにか隙間を作れ。
「聞きたくないんだから仕方ないでしょ」
「聞いて欲しけりゃ土下座して死ね!!」
その時、ノック音が部屋に響く。張り詰めていた空気が刹那ふっと緩んだ。
「どーもぉ、ピザーラ神野店ですー」
聞いたことのある声、だと思ったら次の瞬間には左の壁を突き破ってオールマイトさんが来た。肩の力が抜けて、安心感が一気にやってくる。プロヒーロー達も次々と来て、連合を拘束していく。
「さすが若手実力派だシンリンカムイ!そして目にも止まらぬ古豪グラントリノ!もう逃げられんぞ敵連合……何故って!?我々が来た!!」
「ピザーラ神野店は俺たちだけじゃない。外はあのエンデヴァーをはじめ手練のヒーローと警察が包囲している」
オールマイトさんが私たちのそばまで来て、笑ってくれる。込み上げる何かをぐっと堪えて私も同じように笑ってみせた。
「怖かったろうに……よく耐えた!ごめんな……もう大丈夫だ、少年!少女!」
「こっ怖くねぇよヨユーだクソッ!!」
「…大丈夫です、ありがとうございます」
死柄木は黒霧に「黒霧……持ってこれるだけ持ってこい!!」と指示をだすが「すみません、死柄木弔……所定の位置にあるはずの脳無が……ない!!」と会話が聞こえる。
それにオールマイトさんが叫びながら、私達を引き寄せ死柄木に向かって言う。
「敵連合よ。君らは舐めすぎだ。少年、少女の魂を。警察のたゆまぬ捜査を!!そして!我々の怒りを!!!
おいたが過ぎたな!ここで終わりだ死柄木弔!」
…これが、NO.1ヒーローの圧力。USJの時の比じゃないそれに味方でも気圧される。死柄木はなにかブツブツ呟いたあと、黒霧を呼ぼうとしたがプロヒーロー、エッジショットが気絶させていた。
「すっご…」
「君が過去に暴いた弱点を参考にさせてもらったよ」
「爆豪くんも凄いじゃん…」
「うるせぇ」
敵連合の名前が次々と読み上げられ、グラントリノさんが死柄木にボスの居場所を尋ねる。何も答えない死柄木。また何かをぶつぶつと呟いてる。
完全にチェックメイト、詰みの状態。警察にも囲まれて、プロヒーローも、オールマイトもいて、仲間も拘束されてる。
それなのに、なんでまだ折れてない?
「ふざけるな……失せろ……消えろ……!」
「奴はどこにいる、死柄木!!!」
「おまえが!!嫌いだ!!!」
オールマイトが問い詰め、死柄木が叫んだその瞬間に口からせり上げるような気持ち悪さを感じたと思ったら、泥のようなものが自分自身の中から出ているのが分かる。
周りも次々と似たような泥が広がってて、とっさに腕を掴んだ爆豪くんと共に飲み込まれそうになるところを、オールマイトさんに抱き寄せられるが、そのまま飲み込まれた。
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