夏だ!海だ!林間合宿だ!
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「……さて!腹もふくれた、皿も洗った!お次は……」
「「肝を試す時間だーー!!!」」
夜も深くなってきた頃、朝に言われたようにクラス対抗肝試し大会が開催される。怖いのが苦手な響香と私は沈んでいるけど、三奈とかはめちゃくちゃ楽しそうだ。
「来ちゃったよ…嫌だ…」
「それな…ほんと嫌だ…」
響香と頑張ろ、と手を握りあっていると消太さんの姿を発見。え、あの消太さんが参加すんの!?まじで!?と思ったら案の定違った。
「その前に大変心苦しいが、補習連中は……これから俺と補習授業だ」
「ウソだろ……!」
「すまんな、日中の訓練が思ったより疎かになってたのでこっちを削る」
「うわぁああああ堪忍してくれ!試させてくれえええ!!」
主にはしゃいでたのは補習組だったので、思わず合掌する。補習は受けたくないけど、肝試しは変わって欲しいなあ…
引きずられていく彼らを置いて、参加者たちに肝試しのルールが説明されていく。まず、おどかす側にB組がコースに配置。その後、私たちA組が2人1組で3分起きに出発。ルートの真ん中に名前の書かれた札を持ってくる…ということらしい。
個性を使って脅かすのはあり、接触はなし。所要時間15分のルートらしい。「脅かす側は直接接触禁止で個性を使った脅かしネタを披露してくるよ」とか「創意工夫でより多くの人数を失禁させたクラスが勝者だ!」なんて言葉は聞こえない、知らない。
まあ2人1組だし、頼れる人が相手ならきっと大丈夫だ…!と半ば祈りながらくじ引くと9番。……ちょっとまって。A組は補習組抜いて16人なのに、なんで9番…?
「緑谷くん、ペア見つかった?何番?」
「僕8番なんだけど、翠蒼さんは?」
「おかしいんだよね。16人なのに、9番」
「ピクシーボブに聞いてみよっか」
同じくキョロキョロとペアを探してるっぽい緑谷くんに話しかけると、彼とも番号が違う。本格的に嫌な予感がしてきてたけどすぐにそれはホントになる。
「ピクシーボブ!僕と翠蒼さん、残り2人なのに番号が違うんですけども…」
「ねこねこねこ…ラッキーボーイとラッキーガールね!君たちは1人ずつでGO!」
「嘘でしょ……嘘だと言って……」
頭を抱え込む私に、みんなから同情の目を向けられる。緑谷くんは「ぼ、僕も一人だからさ、お互い頑張ろ頑張ろ…!」と言ってくれたけどほんとむり。頑張れる気がしない。
あまりにも私がビビるので、1番の常闇くん・障子くんペアと2番の焦凍くん・爆豪くんペアの間に置いてもらえることになった。最悪合流できるように、というのとピクシーボブさんいわく「ボーイの間なら大丈夫でしょ!」という判断だ。…まあ、最後に一人で行くよりはましか。
そんな訳でとうとう始まってしまった肝試し大会。早速1番のペアがいって、すぐに自分の番。
「帰りたい…」
「心、本当に大丈夫か…?」
「大丈夫じゃないけど、頑張る…ありがとう…」
「それじゃあ翠蒼キティ、GO!」
後ろで順番待ちしていた焦凍くんにどうにか笑って、とぼとぼと1人で森の中に足を踏み入れる。うわっ!今バサっていった!!バサって!!!と思ったらカラスだったり、もう開始早々泣きそうだ。
やっとのことで折り返しにきた!と思ったら、ラグドールさんが飛び出して、うずくまった。
「もう嫌……ほんとむり……帰る……」
「頑張って!あちきが出たってことは中間地点だよ!…あ、ほらほら!お仲間も来たし!」
「お、心」
「ああ!?水タイプがなんでここにいんだよ!!」
「うわあああ!焦凍くんんん爆豪くんんんん」
ビビりすぎて進むのが遅かったらしく、ちょうど中間地点で後ろの2人と一緒になった。ラグドールさんも流石の私の様子に残り半分は3人で頑張れ!と背中を押してくれる。
半泣きで焦凍くんと爆豪くんにすがりつくと、焦凍くんは服の端っこを持たせてくれた。泣いた。
「あああ…もう帰る…帰ろう……」
「うっせえええ!ちったあ黙れんのか!!!」
「黙ったら出そうじゃん!!!」
「なにがだよ!!!!!」
「言わせんなかっちゃん!!」
「かっちゃん言うな!!!クソが!!!!」
ギャーギャー騒ぎながらは、1人よりか全然気が紛れた。そんな感じで着々と…うそ、2人の服を掴みながら恐る恐るすすんでいく。
「けっ、お化けくらいでビビってんじゃねーよ」
「爆豪もさっきビビってたろ」
「ビビってねーわ!!!お前は黙っとけ!!!」
「悪い」
私が言えたもんじゃないけど、この2人でよくここまで来れたな…と思った瞬間、つん、となにかつく匂い。ねぇっと焦凍くんの持っていた袖を引いたと同時に人が後ろで倒れる音。
バッと振り返ってそこに行けば、B組の子だ。なんで、と思う暇もなく辺りが煙に包まれ始める。これ、もしかしなくても
「毒ガス……!?焦凍くん、爆豪くん、口塞いで!!走ろう!」
「ああ!爆豪、心、そいつ俺の背中のせろ、おぶる」
「わあっとるわ!!指図すんな!!」
ガスに囲まれないように、必死で足を動かす。そして頭の中に響くマンダレイさんのテレパス。その内容は、予想なんて誰もしてないものだった。
『敵2名襲来!!他にも複数いる可能性アリ!!動ける者は直ちに施設へ!!会敵しても決して交戦せず撤退を!!』
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