気張ってこーぜ!期末テスト!
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テスト明けで若干の開放感と、疲れが残る体を引きずりつつ学校へ行くと朝から中々に悲壮な光景が広がっていた。主に演習試験クリアできなかった組、顔がやばい。
てかキャラもブレブレだぞ、上鳴くんなんかフォローしようとした緑谷くんに全力でなんかいってる。
「わかんねぇのは俺もさ。峰田のおかげでクリアはしたけど寝てただけだ、採点基準が明かされてない以上は…」
「同情するならなんかもう色々くれ!!!」
うっわ、こじらせてんな……と泣きじゃくる三奈を慰めつつ苦笑い。でも実際瀬呂くんの言う通りで、クリアしたら合格!とは言われてない。あ、やばいちょっと緊張してきた。
「予鈴がなったら席に着け」
ばん!っと消太さんが入ってくると、やっぱり教室は一斉に静かになる。この統率感慣れてきたぞ。
「おはよう。今回の期末テストだが…残念ながら赤点がでた。したがって……林間合宿は全員いきます」
「「「「どんどん返しだあ!!!!!」」」」
うわ!!!っといきなりの大声に肩が跳ねる。いやまじどんでん返しじゃん…
結果としては筆記は赤点ゼロ。んで本人達の予想通り、クリアできなかった4人とクリアはしたけど寝てただけ、と語っていた瀬呂くんの5人が赤点だったみたいだ。
「行っていいんすかァ!俺ら!」と声を上げてる切島くんに紛れて、後ろから「クリア出来ずの4人より恥ずかしいぞコレ…」と顔を覆って落ち込む瀬呂くんの肩を思わず叩いた。
消太さんの説明によると、今回の試験、先生方は"勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うか"に重きを置いて見ていたらしい。じゃないと課題に取り組む前に詰むヤツらばっかりだったろう、と。……私も個性の使用回数制限掛けてもらってなかったら詰んでた、と思い返す。
「本気で叩き潰すと仰っていたのは…」
「追い込むためさ。そもそも林間合宿は強化合宿だ、赤点取った奴こそここで力をつけてもらわなきゃならん」
いやまあ、そうなんだけどさ。嘘は良くないと思う、嘘は。
「合理的虚偽ってやつさ」とか言ってるけど、嘘だからね。合理的って言っとけばなんでもいいとか思ってそう。
ほらほら、飯田くんもお怒りだぞ。いけいけ、と内心で応援する。声に出したら私はおうちに帰れません。
「省みるよ……ただ全部嘘ってわけじゃない。赤点は赤点だ、お前らには別途に補習時間を設けてる」
カチン、と喜んでた補習組が固まる。うわあ…消太さんが「ぶっちゃけここに残ってやるよりキツイからな」って言うぐらいだから……うわぁ。もうがんばれ、と思わず合掌した。
でもなにはともあれ、みんなで合宿だ!
*
配られたしおりをみながらワイワイとみんな盛り上がる。テスト明けってのもあるけどテンション高いな〜。実際林間合宿いったら、訓練漬けの1週間だろうから楽しめる時に楽しんどかないとね!
「一週間の強化合宿か」
「結構な大荷物になるね」
「暗視ゴーグル」
「水着とか持ってねーや。いろいろ買わねえとなあ」
近くの飯田くん達の会話に、我が家のクローゼット事情を思い浮かべる。…あれ、うちに1週間分の荷物はいるキャリーケースあったかな。
「ねーねー!心はどんな水着??」
「わわ!三奈!えーどんなって、スク水しかないよ」
「えーそれじゃあ味気ないよ!ビキニ買お!ビキニ!!」
「いやいやいや、似合わないよ」
後ろからぴとっと抱きついてきた三奈に驚いた。中学の時は雄英に入る!って決めてたから勉強もそうだし、トレーニングもそうだし、部活もやってたりで忙しかったから友達と遊びに行った記憶はほとんどない。てなわけで遊びに行くような水着は持ってないのだ。
今回の合宿もスク水でいいかな〜と思ってたんだけど、みんなどうやら違うみたいだ。みんな可愛いしスタイルも抜群な子達多いから水着似合うだろうし、そこは楽しみだけど自分が着るとなったら別だ。無理だ。
「女子……水着……ビーチマジック……」
「峰田くん、幻がお望みなら今すぐ三途の川なら見せてあげられるかもよ?」
「それはデスマジック!」
「あ、じゃあさ!明日休みだしテスト明けだし…ってことで、A組みんなで買い物に行こうよ!」
よからぬ妄想を企てているであろう峰田くんを脅していると、透から提案。女子だけでなく、良いなあ!と男子もいってなんかみんなで行くみたいだ。
「心ちゃんは?行かんのん?」
「あ、お茶子…うん。申し訳ないけど明日はちょっと予定があるんだ。ごめんね?」
「それは残念ね。また遊びに行きましょう」
「うん!女子会とかもしてみたいよね!」
「ありがとう〜!その時はまた誘って!」
近くにいたお茶子と梅雨ちゃんが声をかけてくれたんだけどしょうがない。とってもみんなでお買い物は魅力的なんだけど、明日はそれ以上に大事な日なのだ。
「あ、じゃあ私用事があるから先に帰るね!」
「おー!翠蒼帰んのか!じゃあな!」
「じゃあねー!また月曜!」
みんなにバイバイ!と手を振って賑やかな教室を1歩出れば、やけに静かな廊下だった。
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