気張ってこーぜ!期末テスト!
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バスに揺られること10分、すぐに私の演習会場へと着いた。
「ルールはさっきのに加えて2つ。重りがさらに俺に追加されてることと、あと俺が個性を使えるのは"3回"まで、ということだ。」
「3回……」
「それじゃあお前はスタート位置に着き次第始める、いいな」と告げてさっさと消えていく。
3回って…でも消太さんの個性は3回、と言われても発動中は全く個性が使えない。ただの対人戦闘じゃあの人に劣ってるのはわかりきってることだし、向こうの動きはよく知ってるけど、それは逆に知られてるってことだからそこはハンデにならないし。
向こうの個性を使ってくるタイミングを見切りつつ、不要な戦闘は避けることしか浮かばない。
……うん、目をつぶってもあの日の光景は浮かんでこない。手も震えてない、大丈夫だ。
半端をやって勝てる相手じゃないから、全力でいかなきゃ。出来る、大丈夫、と何度目かわからない大丈夫を唱える。
でもやっぱり、勝てるのかなっていう不安は消えなくて。
「心」
「わっ、焦凍くん」
「待ってるぞ」
「え?」
「先に行って、待ってる。だから来いよ」
「…うん、待ってて!」
ひとまず行こう、と歩き出す直前に腕を引かれ振り返ったら焦凍くん。笑ってみせると、安心したようにバスに戻っていった。緊張してるの、バレてたのかな。
でも、待っててくれてる。それなら、余計に頑張らないと。
強ばっていた肩がほぐれていく。無意識に緩んでいた頬をパチンと叩いて気合を入れ直した。
『んじゃ、第11組目。翠蒼スタート!』
位置につくと同時にアナウンスが響く。どういう仕組みになってんのか知らないけど雄英すごいな。
ひとまず左手でずっと個性を出しっぱなして、消太さんを探しつつ脱出ゲートの場所を目指す方向で行く。場所はさっきと似たような市街地だ。使えるものは色々あるし、割とフィールド的には有利かも。
3回の内1回目は、私と出会い頭に使ってくる。消太さんの基本戦法は奇襲だ。まあ、それがわかった所でこんな対策しかできないし、そんな簡単に逃げさせてはくれそうにないのは、よくよく知ってる。
「やっぱり、ね!」
「…さすがに反応するか」
「そりゃあ!あなたの最初の教え子、ですからっ!」
水が止まった、と思った次の瞬間には後ろから飛んでくる布。消太さんの動きを制限するために氷を辺りに張りつつ距離を取る。1人なんだから縛られたら一溜りもない、まきびしとかもどうせ持ってんだ。
しかしここで遭遇するとは思ってなかった。脱出ゲートは消太さんの後ろ。もう少し近づけると思ったけど予測してたよりも遠い。
「さあ、どうする?」
「…どうもこうも、正面突破しか道を残してないくせによく言うよ」
上から降りようとする消太さんに向かって駆け出す。
発動条件は見ていること、瞬きの瞬間は使える。けどそれを悟らせないようにゴーグルをしている訳で3回縛りがあるとしてもいつ個性を使ってるかはハッキリさせたい。
「らぁ!」
「ちっ…」
ついでに顔にいいのが入ったら、とは思ったけどそれはいなされて無理だった。でも厄介なゴーグルは壊せたので取り敢えずはいい。
振り上げた足を捕縛布で絡め取られそうになるのをどうにか避けつつ、一回目の個性が終わるまばたきが見える。今だ、と顔から凍らせようとした。
瞬間、フラッシュバックした。
血だらけで、踞る消太さんの周りに広がる氷、そして水。
「……」
「なっ…くそっ」
一旦離れて距離を取る。…なんで、さっきは大丈夫だったのに、なんで。
「迷うな、顔に動揺が出てる。敵にそれを悟られるな」
「っ!」
「そんなんじゃ、俺は倒せねぇぞ」
開けた距離を一気に詰められ、もろに蹴りが横腹に入る。飛んでくる捕縛布を避けて凍らせるぐらいで精一杯。隙をついてどうにか氷壁を作って逃げに入るけど、どうせすぐに飛び越えてくる。考えろ、足を止めるな。
あの日とは違うんだ
____消太さんにまた怪我をさせたら?
大丈夫、消太さんはそんなに弱くない
____また、私のせいで。今度は取り返しのつかないことになるかもしれない。
ぐるぐる、ぐるぐる。
何が正解なの
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