学べ!職場体験
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職場体験2日目がすぎ、現在3日目。私達はエンデヴァーさんと数人の相棒のヒーローと共に保須市に出張できている。前例通りなら必ず保須市にヒーロー殺しが再び現れる、とエンデヴァーさんの判断だ。
いきなりの事だったので驚きはしたがその判断には納得だ。焦凍くんは指示を飛ばす背中をただ見ていたことが印象的だった。なにか思うところがあったのかもしれない。取り敢えず今は私に出来ることをするだけだ。
時刻は夕方、段々日が傾き始めてそういう輩が動き始める時間帯に差し掛かる。スノーさんは別働隊の指示があるということで、私は今は焦凍くんと共にエンデヴァーさんと行動している。
「ヒーロー殺しが出るって思えないほど、みんないつも通りだね」
「まあ今のところ民間人に被害はねぇからな。危機感を持てって言う方が難しいだろ」
「確かに…」
そんな会話をしていると、いきなり響いた爆発音。そして瞬く間に立ち上る煙。走り出したエンデヴァーさんの背中を追う。
「焦凍!事件だ、ついてこい!ヒーローいうものを見せてやる!」
エンデヴァーさん、私もいます、とはさすがに今は言う時じゃないので黙ってついていく。走っているとコートのポケットに突っ込んでいたスマホが振動する。このタイミングって言うのが気になる。しかも焦凍くんも同じみたいで、取り出していたスマホを横から見る。
「ケータイじゃない、俺を見ろ焦凍ォ!!」
こんな時だけど正直に言うエンデヴァーさんの言葉に笑いそうになった。歪みないなこの人。
開かれた焦凍くんのスマホには、クラスLINEに緑谷くんから位置情報が入ってる。嫌な予感は確実なものになっていく。焦凍くんと目を合わせ頷いていて逆方向へ走り出す。申し訳ないけど指示を仰いでる暇も詳しく説明している暇もなさそうだ。
「どこ行くんだ焦凍ォ!!」
「江向通り4-2-10の細道、そっちの手が済むか手の空いたプロがいたら応援頼む。お前ならすぐ解決出来んだろ」
走りながら「友達がピンチかもしれねぇ」と零す焦凍くん。緑谷くんからのこういう連絡なら、ほぼ何かにあったに違いない。意味もなく彼はこんな事をする人じゃないから。
焦凍くんの背中を追って一括送信された場所にに近づくにつれ、不穏な空気が強くなる。なんだこれ、おかしい。何かがある。そしてそれはやはり的中する。
「飯田くんっ!!」
倒れ込み、血を流してる飯田くんを刺し殺そうとする刃を防ぐように氷壁を作り出す。焦凍くんはその犯人を遠ざけるように炎を出した。
渡された資料通りの格好、ゾッとするUSJの時と相対した敵連合とはまた違う殺意と、それを向けられる恐怖。
「ヒーロー殺し……!」
「轟くんに、翠蒼くんまで…」
「なんで君たちが!?」
氷で器用に倒れてた飯田くん、緑谷くん、そして恐らく最初に襲われただろうプロヒーローをこちらに手繰り寄せる焦凍くん。その間に怪我をして血を多く流してるプロヒーローさんと飯田くんの血を固める。
「こいつらは殺させねぇぞ、ヒーロー殺し」
「轟くん、翠蒼さん!そいつに血ィ見せちゃ駄目だ!多分血の経口摂取で相手の自由を奪う!皆やられた!」
緑谷くんが動けない理由はそれか。ヒーロー殺しが刃物を持っている理由もわかった。「俺たちの個性なら距離を保ったまま…」と焦凍くんの言葉にうなずいた瞬間飛んでくる刃物。私は刺さらなかったが、焦凍くんの頬にかすった。
「いい友人を持ったじゃないか、インゲニウム」
「焦凍くん!!」
迫り来るヒーロー殺しを氷結で防ぐ焦凍くん。同時に投げられた刀を、水で押し返して方向を変える。ただあれを持たせたらまた斬られる。1つでも相手の手数を減らさなければ。
氷で足場をつくって、落ちてくる刀に手を伸ばしあとすこしで触れる、と思ったところで目の前にはヒーロー殺し。遅かった。そのまま掴んだ刀を振り上げられる。どうにか氷壁と、とっさに創った氷の刀で応戦するも勢いに負け体がビルに叩きつけられる。
「ぐっ…!」
「心!!!」
「お前も…いい」
再び目の前に迫ったヒーロー殺しを遠ざけるように氷壁をつくり水でおしやる。同時に焦凍くんの炎が見えて追い討ちをかけてくれたのがわかった。その隙に地面へと再び着地する。
「怪我は」
「打ち付けただけ。血は流れてない」
「そうか」
数秒言葉を交わして、直ぐに迫り来るヒーロー殺しを防ぐ。一つ一つの行動が選択を迫る動き。
今までの敵より圧倒的に強い。
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