学べ!職場体験
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やたらでかい事務所の玄関をくぐると、1人のサイドキックの方がパタパタと走ってきてくれた。
「ようこそ!轟焦凍くんと翠蒼 心ちゃんね?私はスノーホワイトです。長いからスノーとでも呼んで。今回色々2人のお世話をさせてもらうの。よろしくね!早速だけど2人のヒーロー名、聞いても?」
「ショートです。よろしくお願いします」
「ココロです!よろしくお願いします!」
めっちゃ美人なサイドキックさんだった。パチン、とウィンクを決めるのも様になっていて思わず見惚れる。私達のヒーロー名を聞いたスノーさんは「ショートくんにココロちゃんね、よし、じゃあまずは着替えましょう!」と更衣室まで案内してくれた。
それぞれ男子更衣室、女子更衣室に入って着替える。だいぶ見慣れてきた自分のヒーロースーツ。USJの時に少しボロボロになったので、修理に出すついでにちょっとだけ改良してみたりもしたけどそんなに大きく変わりはない。
更衣室を出ると、先に着替え終わっていた焦凍くんが扉によっかかっていて思わず声を上げる。
「待たせてごめんね、てか青い!」
「そんなに待ってないから大丈夫だ」
「コスチューム変えたんだ!」
「ああ、こっちも使うから」
左手を軽くあげる焦凍くん。うん、前より断然そっちの方が似合うしかっこいい。興奮で何度も連呼してると「分かったから落ち着け、ありがとな」と言われてしまったので黙る。いやでもほんとにかっこいい。これはファンが増えるぞ。
わいわい主に私が話してると、スノーさんがやってきた。
「2人ともかっこいいし、可愛いわね〜初々しい!!じゃあ、まずはエンデヴァーさんのとこに行きましょうか」
そう告げて歩き始めたスノーさんの背中をおう。なんか、そこはかとなくねむりさんに似てるというか…。にしても広いし、なんか色々ある。ついキョロキョロと色んなとこをみてしまって、気づいたスノーさんに「気になるわよね〜」と笑われた。恥ずかしい。
しばらく歩いて、スノーさんが足を止めてコンコンとドアをノックする。社長室と書いてあるのが見えた。中から「入れ」と声がしてガチャっと開けられた先にはエンデヴァーさん。
「ああ、来たか」と大きな部屋の真ん中にすわって、真っ直ぐに見つめられる。う、相変わらずの目力。やっぱりまだちょっと怖い。
「……どうしてきた」
「お前が指名したからだろ」
「ちょちょちょ、焦凍くん落ち着いて。…エンデヴァーさん、No.2ヒーローの仕事ぶり、学ばさせて頂く為にここに来ました。1週間よろしくお願いします」
来て早々始まりそうな親子喧嘩に慌ててあいだに入って、頭を下げる。確かに焦凍くんの言ってることは最もだけどね。でも空気悪くするの良くない。エンデヴァーさんはというと、ふん、と言っただけであとは何も言わなかった。
淡々とこの1週間の流れを説明され、頭に必死に叩き込んでいくけど、あれだな。ガチで育てに来てる感をかんじる。お客様扱いは少なくともされないことはありがたい。
「ココロは主にスノーについて貰え。…あいつらの個性をしっかり自分のものにしろ」
「っ、はい!」
あいつら、とは両親のことだろう。あいつら、と言った時にエンデヴァーさんの表情が若干歪んだことに気づいた。苦手なのか、お父さん達のこと。もしかしたらわかりやすい人なのかもしれないな。
それにエンデヴァーさんは一応私のために、何かしら考えてくれてるのだろう。そこは驚いたけど素直に受け取っておく。スノーさんは「1週間頑張りましょうね」と微笑んでくれた。やっぱり美人だ。
「今日は事務所と事務作業の把握、あとは個性特訓だ。スノー」
「はーい。じゃあ行こっか、2人とも」
部屋から出ると、無意識に詰まってた息を吐き出す。そんな私を見て焦凍くんは「悪ぃ、あのクソが」と言う。スノーさんは焦凍くんを見て「ほんとに仲悪いのねぇ」って笑ってるけど笑えない。スノーさん、メンタルすごいっす。
これから1週間、この親子に挟まれつつ職場体験は大変そうだなあと別の意味での不安も少し抱きつつ、職場体験がはじまった。
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