学べ!職場体験
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「じゃ、そろそろできた人から発表してね!」
ねむりさんの言葉で、立ったのは青山くん。え、マジかこれそんな発表形式なの!?ちょっと恥ずかしい。1番に出る彼すごいわ…
「行くよ…輝きヒーロー“I can not stop twinkling.”」
「「短文」」
初っ端からそれかよ。え、いや、凄いしねむりさん否定せんのかい。アドバイスしちゃったよ。続く三奈も「エイリアンクイーン」って言う結構、なんだ、すごい名前上げてやり直しだ。え〜…大喜利っぽい空気流れて行きずらい。
そんなクラスの救世主は梅雨ちゃんだった。
「小学生の時から決めてたの。梅雨入りヒーロー“フロッピー”」
「かわいい!!」
「カワイイ!親しみやすくて良いわ!」
「かわいいよ梅雨ちゃん!」
「皆から愛されるお手本のようなネーミングね!」
沸き起こるフロッピーコール。いやくっっそ可愛いなおい…と呟いたら前の響香に若干呆れた目で見られた。可愛いからしょうがない。まじかわいい。
「お、行くんだ」
「おうよ!」
続いて前に行ったのは切島くん。
「んじゃ俺!剛健ヒーロー“烈怒頼雄斗”!」
「“赤の狂騒”!これはアレね!?漢気ヒーロー”紅頼雄斗”のリスペクトね!」
「そっス!だいぶ古いけど俺の目指すヒーロー像は“紅”そのものなんス」
「憧れの名を背負うってからには相応の重圧がついてまわるわよ」
「覚悟の上ッス!!」
言い切った切島くんは最強にカッコイイ。凄いなあ…入試の時も迷わず助けてくれたし、きっとずっとヒーローをめざして努力してきたんだろうな。私もこの流れに乗って行こう!と思ってたちあがる。
「ココロ」
「あら、名前でいいの?」
「はい。私に遺されてて、なによりも力になってくれそうなものなんで」
すぐに理由を察したねむりさんは「いいと思うわ、とてもあなたらしい」のにっこり微笑んでくれた。壇上から降りる途中、隅の消太さんを見れば目が合ったのでウィンクすると無反応だった。悲しい。
続いて壇上に上がったのは響香。上鳴くんが吠えてるけど多分なんかいじったんだろうな。
「ヒアヒーロー“イヤホン=ジャック”」
「かわいい!!」
「いいわね!次!」
うん。響香らしい名前。めっちゃかわいい。
「触手ヒーロー“テンタコル”」
「触手のテンタクルとタコのもじりね!」
「テーピンヒーロー“セロファン”…」
「分かりやすい!大切!」
「武闘ヒーロー“テイルマン”」
「名が体を表してる!」
「甘味ヒーロー“シュガーマン”」
「あま~~いっ!!」
次々と発表される名前に、ちゃんと一言一言返してくねむりさん半端ない。でもみんないいなあ、楽しい。てか私なんにも考えずに出したけどヒーロー名の前の、「○○ヒーロー」みたいな煽り文句まで考えてんのね。すげぇや。
「ピンキー!!!」
「桃色!桃肌!!」
「スタンガンヒーロー、チャージとイナズマで“チャージズマ”!」
「っわは~!しびれるぅ~~!!」
「上鳴くんの意外性にびっくりしてる…」
「いやそれね」
響香とこそこそ言っていれば「そこ!うるさいぞ!」と言われた。いやーだってそんなちゃんとした名前が出てくるなんて思わないじゃない?流石にそこまでは言わなかったけど。
でも私たちの様子を見て若干拗ねてる上鳴くんと爆笑する私たちっていう図ができました。
「ステルスヒーロー“インビジブルガール”!」
「いいじゃん!いいよぉ!」
「この名に恥じぬ行いを…万物ヒーロー“クリエティ”」
「クリエイティブ!」
「やばい…女子の可愛さに座布団10枚…」
「あんた何言ってんの?」
透、百が続けて壇上に上がる。ここがアイドルのライブ会場だったら私は全力でオタ芸繰り広げてる。それぐらい心が荒ぶってる。ほんと可愛い…前の席から変な目で見られるけど気にしない。そして次に立ったのは轟くん。
「名前?いいの?」
「ああ」
フリップに書かれていたのは"ショート"と彼も名前だけ。でもらしいな。降りてくる時に「被った、悪ぃな」と言われたけど首を降った。
「漆黒ヒーロー“ツクヨミ”」
「夜の神様!」
「もぎたてヒーロー“グレープジュース”!」
「ポップ&キッチュ!」
「ふれあいヒーロー“アニマ”」
「うん!!!」
みんなすごくカッコイイのつけるなあ。そして口田くんのヒーロー名の可愛さに教室がほっこりしたところで上がったのは彼でした。
フリップを見た瞬間に崩れ落ちて笑った私は絶対悪くない。悪くないぞ。
「爆殺王」
「そういうのはやめた方いいわね」
「なんでだよ!!つか水タイプ!!!笑うんじゃねえ!!」
壇上から怒鳴られてるけど無理です。なんなら隣の切島くんが「爆発さん太郎はどうだ!?」なんて言うからいよいよ腹筋吊りそうだ。そろそろ堪えないと本気で吊る。
笑いすぎで零れた涙を拭きながら次のお茶子の名前を見守る。
「考えてありました…ウラビティ」
「シャレてる!」
うんやっぱり女子たちくそかわいい。「お茶子のすっごいかわいい!」とすれ違いざまにいえば「ありがとう!」とこれまた最高の笑顔が帰ってきた。心臓撃ち抜かれました。
さて、残るは飯田くん、緑谷くん、そしてやり直しの爆豪くん。その中で立ったのは飯田くんで、彼のフリップには「天哉」とだけ。なんだからしくない彼の様子に朝の報道を思い出して、心配になった。
次に上がったのは緑谷くん、悩んで悩んで決めたんだなあ。少し震えてるけど、力強い字でフリップに書かれた"デク"を見つめながら思う。
「今まで好きじゃなかった。けど、ある人に“意味”を変えられて…僕にはけっこうな衝撃で、嬉しかったんだ。…これが僕のヒーロー名です」
最後の最後、もう一度壇上に上がった爆豪くんが"爆殺卿"とまた私の腹筋を盛大に震わせに来てチャイムがなった。