学べ!職場体験
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あの後家まで荷物を運んでくれた轟くんのおかげで、帰り道で力尽きることも無く、無事お休み2日目にはご馳走を作れた。
そんな感じでしっかり休んだはずなんだけど、めっちゃ朝から疲れた休日明け。
「…体育祭半端ない」
「はよ〜っす、大丈夫か?元気ねぇな!」
「おはよ〜切島くんは元気だね〜」
満員電車に揉まれ、山をのぼり、やっとこさついた教室。体育祭効果で色んな人に声をかけられて疲れた。嬉しいけども、ちょっと疲れた。みんなも声をかけられたことは同じなのか、その話で盛り上がる今日は特段賑やかだ。
「おはよう、心。あんた大丈夫だった?体育祭4位でただでさえ目立ってただろうに」
「おはよう。いやーまあ多少は声掛けられたけどね。でも百の方が凄そうじゃない?美人さんだしさ〜あ、きたきた。おはよう百!」
ナイスタイミングできた百。あー朝からまじ美人だ、笑顔が眩しいぞ!
「おはようございます。私がどうかしましたか?」
「朝から変な人に絡まれてないか心配だったんだよ〜!ほら、体育祭効果ってやつ」
「ああ…わたくし、お手伝いの方が行きは送って下さるので大丈夫でしたわ。心さんや耳郎さんの方こそ大丈夫でしたか?」
そう来たか、百はお嬢様感が溢れてたけどこれはガチお嬢様の香りだ。取り敢えず心配してくれる2人が嬉しすぎたので抱きついておいた。うーん2人ともいい匂いがする。変態チックな事言ってる?いいの、可愛いは正義である。
さんざん賑やかだった教室も消太さんが入ってくると、秒で静かになってる。たった数ヶ月なんだけどよく訓練されたクラスです。ちょっと面白い。
「相澤先生包帯取れたのね、良かったわ」
「婆さんの処置が大袈裟なんだよ。んなもんより今日の“ヒーロー基礎学”ちょっと特別だぞ」
梅雨ちゃんの言葉に返した「んなもん」に引っかかる。消太さんも大概自分の優先順位は低いよな。ヒーローだから自己犠牲なんぼ!なのかもしれないけどちょっと私としては心配である。
それはひとまず置いておいて、特別なヒーロー基礎学とはどんなんだろうか。ちょっとビクビクしてたけど、大丈夫だった。
「“コードネーム”ヒーロー名の考案だ」
「「「胸ふくらむヤツきたぁあああ!!」」」
ヒーロー名かあ。沸き立つみんなを見ながらぼんやりと考える。わ、消太さんの髪の毛逆だった、かと思えば一瞬で静かになるうちのクラスはやっぱり息ぴったりだね。
なんでも「プロからのドラフト指名」に関係してくるらしい。先日の体育祭を踏まえた指名が黒板にばっと書き出された。"翠蒼"は轟くん、爆豪くん、に続いて一応3番目にはいるけど1000ちょっと。上2人とは段違いだ。
「すごいなー!翠蒼!」
「1000もきてんのか、やばいな」
「上二人の方がもっと凄いよ。でもありがたいことだね!」
まあぶっちゃけていうと両親の影響も無いわけじゃないと思う、というのが個人的な予想。私の苗字はそれほど多いものでもないし、同業者でわかる人なら分かるだろう。
てか斜め前の爆豪くんめっちゃいじられてんな、1位なのに指名は2位だし。私もちょっといじりたいけど、そろそろ爆発しそうなので黙っとく。
んで、消太さんによるとこの結果を踏まえて職場体験に行くそうだ。だからヒーロー名が必要なのか。納得だ。
「まぁ仮ではあるが適当なもんは…」
「付けたら地獄を見ちゃうよ!!
言葉をさえぎって入ってきたのはねむりさん。今日もスタイル抜群、お美しい。
「この時の名が!世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね!」
「まァそういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう」
ああ、確かに消太さんそういうの苦手だよね。でも寝るのはどうかと思います。ここ2日指名の取りまとめで忙しかったのは分かるんだけどね!
「将来自分がどうなるか、名をつけることでイメージが固まりそこに近づいていく。それが“名は体を表す”ってことだ。…オールマイトとかな」
いいこと言うなあ、と感動していたけどそういや消太さん、ひざしさんに付けてもらったんだよねヒーロー名。ぴったりだから多分いいんだろうけど。
さて私はどうしようか。ヒーローになりたい、でもどんなヒーローなりたいか……
体育祭でオールマイトさんに言った貰ったことを思い出す。
「何かこの体育祭で殻を破ったようだね。でもこれまでだって捨てなくていいんだよ。過去も未来も、大事にしてやりなさい」
私の原点は間違いなく両親。彼らは私に2つの個性、そして『心』という名前を遺してくれた。
ここまで導いてくれたのは消太さん。たくさんの愛情と、ヒーローとして必要なことを沢山教わった。
これを全部ひっくるめて私自身……うーん、悩むのが疲れた。ありのままでいこう。それに、そろそろ私も向き合わなきゃ行けないし丁度いい。フリップに書いたヒーロー名に頷いた。
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