体育祭:Rising
namechange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もう少々終盤で相対するのではと踏んでいたが…随分買われたな、緑谷」
「うん……時間はもう半分!足止めないでね!仕掛けてくるのは…1組じゃない!!」
彼の言葉に頷く。そして動きに警戒していれば上鳴くんの放電、これは黒影で覆う。氷壁を出してもいいんだけど今は視界を遮る方が危険だ。
その放電を挟んでからの氷。多分障害物競走の時に避けられたのを考えて放電を挟んできたんだ。そしてあっという間に緑谷くんVS轟くんのサシのフィールドが出来てしまった。
「牽制する!!」
バッと飛び出す黒影、そして私も激流を出して先制。だが上鳴くんの放電が見えてやめる。感電したら元も子もない。かといって氷をむやみに作り出すわけにはいかない、そうなったら氷で作った剣を振り回すしか手がない。
黒影も百の創造による装甲で防がれ、一旦距離を取って作戦の練り直しだ。
「創造…!厄介過ぎる!」
「いや、それ以上に……上鳴だ」
「うん。上鳴くんさえいなければ、ね」
「そうか…!上鳴くんの電光!」
脳裏に浮かんだのは始まる前の会話。
私も常闇くんも攻撃力はそこそこある。ただ弱点の共通点として"電気"。
私は感電するから、常闇くんは光が強いと黒影が弱体化するから。ただ緑谷くんは私たち二人に防御として個性を使うことを頼んだ。逃げ切るために、だ。ただこうなった以上攻撃することも必要。
「翠蒼さんの個性が電気に弱いのはともかく、常闇くんの攻撃力低下…それ向こうに知られてないよね?」
「恐らくな。この欠点はUSJで口田に話したのみ、そして奴は無口だ」
「……知られてないなら、牽制にはなる…!大丈夫…!なんとしても100万は持ち続ける!」
「よし、分かった。じゃあ私はここからは水じゃなくて氷に攻撃を切り替える。ただあんまり派手なやつは出来ない」
「うん。それでいこう」
さあラスト5分だ。
*
『残り時間約1分!!!轟、フィールドをサシ仕様にし、そしてあっちゅー間に100万奪取!!!とか思ってたよ5分前までは!』
上がりきった息の中、ひざしさんの失礼な声が聞こえてきて残り時間を把握。なんてことを言うんだ、緑谷くんは凄いんだぞ、と内心抗議しておく。
残り1分、向こうだってこのまま終わるとは思えない。緑谷くんの作戦でずっと逃げ続けてるけどこのまま、
「は?」
「なっ!!」
『なーー!?何が起きた!!?』
一瞬、ほんとに瞬き一つほどの瞬間にハチマキを取られていた。この超スピードは見たことないけれど、出せるのは飯田くんしかいない。
「言ったろ、緑谷くん。君に挑戦すると」
ああ、くそ。やられた。笑う飯田くんは死ぬほどかっこいいと思う。
感心してる場合じゃない、考えろ私。あれは多分常用外の使い方。ならばデメリットも必ずあるはず。足を止めるな、時間はまだあるんだ。考えろ、動け。
「突っ込んで!!」
「上鳴がいる以上攻めでは不利だ!他のPを狙いに行くほうが堅実では…」
「ダメだ!!ポイントの散り方を把握できてない!ここしかない!!」
「よっしゃ!取り返そうデクくん!!絶対に!!」
緑谷くんの言葉に一瞬迷った私たちを押すように、お茶子が動き出す。士気をあげる声、お茶子のこういう所は凄いって思う。
そうだ。私だってやると決めたんだ。ここで負けるなんて嫌だ。
予想どおり先程の反動で動けなくなっている飯田くん、そこに突っ込んで緑谷くんが仕掛ける。使わないと言っていた左側、そこにアタックをする。
同時に相手の足元に氷を張った。この時間帯、これが最後のラストアタック。ならば足場が悪くても関係ない。スピード重視で薄くなったがいいだろう。足止めできればなんでもいい、どうせ溶かしは出来ないんだ。
だがその刹那、ぼっと赤が見えて消えた。目を見張る。
動揺したのか止まる動き。
そして、伸びる影。
.