有精卵の出会いと悪意とUSJ
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「俺はもう行くが……どうしたその顔」
「いわないで〜〜〜」
はあ、とため息をつく消太さん。ただ理由はわかってるのか問い詰めるようなことはしない。今日は私の人生大1番の日、雄英高校ヒーロー科の入試なのだ。そりゃ顔も真っ青になるって。だからそんなに呆れた目で見ないで消太さん。
なんせ雄英高校ヒーロー科は、偏差値79だとかもうどんな次元だよってレベル。さらに倍率は全国からトップヒーロー目指す中学生が受けるもんだから何百倍。人の数にして何万人もの人が受験するとにかくハイレベルな国立高校。
そんな高校の受験前とあってはこんな状態になるのも許して欲しい。私は緊張しやすい。
「俺が育てた」
「へ」
「だから応援はしてるが、心配はしてない」
ぽかんとした私をふっと笑う。まってその顔はずるいぞ。じゃあ行ってくる、といって出てった扉をしばらくの間みつめて、急にきたデレに悶えるしかなかった。
あんなこと言われたら何がなんでも合格するしかないじゃないか。
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最寄り駅から歩いていくと割と直ぐに、めちゃくちゃ大きい門がそびえ立っていた。もちろんそれは雄英高校の校門だ。いやでかいな、と白い息を吐きながら思う。今日は意外と寒いかも。個性の関係上少し嫌だ。
それにしても人が多い。改めてその場に来ると緊張と不安とで吐きそうだ。でも吐いてなんかいられない、最大級のデレをお守りに頑張るしかない。これまでも沢山教えて貰った恩返しを少しでもしたい。
まずは筆記試験を終えてから、実技試験の説明会場へ。筆記は多分できた、合格ラインに載ってるはず。てかこんなに人集まれるとこあるんだなさすがマンモス校。
そして始まった説明を聞くに、とりあえず10分の間に仮想敵ロボットをひたすら壊せばいいらしい。大きさによってポイントが違うみたいだ。
単純だなーと思っていたけどよく考えたらこの人数、分けたとしても1グループあたりかなりの人数だからきっと迷ってる暇はない。なかなか判断力とかも考えられる試験だ。
パッと見……何人だ、これ。1グループかなりの人数どころか100人以上いるわ、と辺りを見回していると説明担当のプレゼント・マイクことひざしさんとバッチリと視線があってウィンクされたけど無視した。いや先生ダメでしょそれは。
『最後にリスナーに我が校"校訓"をプレゼントしよう』
ハキハキとした物言いのこの質問に答え、少しどよめいた会場がしんっと静まりかえり再び彼に注目が行く。
『かの英雄、ナポレオン=ボナパルトはいった。「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていくものである」と。
"Plus ultra!!"良い受験を』
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