体育祭:Rising
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『雄英高校体育祭!!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!!』
「うわあやばいやばいやばい」
「心?大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない、吐きそう」
「心我慢してよ!?」
入場口の通路にて、いよいよひざしさんのアナウンスが聞こえてきた。そしてそれと同時に聞こえてくる歓声に割とマジで吐きそう。さっき緊張ほぐれたとかいったけど嘘です、無理です。やばい。
最初は私たちA組から入場なんだけど、ひざしさんのめちゃくちゃ煽ってる言葉が聞こえる。頼むからやめろ下さい。
『ヒーロー科!!!1年!!!!A組だろおお!!?』
スタジアムに一歩はいれば割れんばかりの歓声と視線が集まる。ほんっとにやばい。通路の時の緊張の比じゃない。震えそうになる足を堪えプロも見てるしなるべく胸を張って歩くけど、内心はまじで緊張MAXだ。なんでみんなそんなに堂々としてんの。
全員入場したところでねむりさんが壇上に上がる。1部別の方向で盛り上がる。……相変わらずおっぱいでかいな。羨ましいぞ。
常闇くんが「18禁なのに高校にいてもいいものか」と言っていて確かにと思ってしまった。峰田くん即答しない。気持ちわからんでもないけどな。美人は目の保養だ。
「選手代表!!1年A組、爆豪勝己!!」
おお!?っとどよめくのは主にA組。ああ、でも確かヒーロー科の入試1位なんだよな。それなら分かるんだけど何をするんだろうか、みんなソワソワして見てる。そして案の定だった。
「せんせー、俺が1位になる」
「「「絶対やると思った!!!」」」
一斉に飛ぶブーイングをものともせず、むしろ首きるジェスチャーしてる彼の精神を私は少し見習いたい。まじでかっこいい。降りてきた爆豪くんの顔はびっくりするほど静かだった。赤く燃える目には、静かな闘志が見える。
「かっけぇな〜!爆豪くん!」
「てめぇにも負けねえよ。水タイプ」
緑谷くんに肩をぶつけるあたりは相変わらずで、コソッとたまたま隣に来た彼に感想を伝えれば面白いあだ名付きで返ってきた。私はポケモンかよ。
「それじゃあ早速第1種目行きましょう!毎年多くの者が涙を飲むわ!さて運命の第一種目!!今年は……これ!!」
デデーンとバカでかいモニターにうつされた文字は"障害物競走"。全11クラス総当りのレースらしくコースはスタジアムの外周1周。そしてまたこの中に戻ってきて終わりとルールはシンプルだ。きっとギミックだらけだろうけどな。
なにしたって構わないって言ってるからもちろん個性は使用OK。位置取りは……うん、まあどこでもいいや、とりあえずはじめで差をつける。なんとなく、彼も同じことを考えてる気がしたから私は横から行こう。
開始を告げるアナウンスと同時に地面に手をつけ、水を流すと同時に凍らせる。周りの人が足を取られたのを見て壁に足場を作りながら、走る。少し前にも氷がはられていてやっぱりと笑った。あれは轟くんだ。
そろそろ人も少なくなってきたし良いかな、と飛び降りれば案の定居たのはA組メンバー。後ろもまだまだいるし油断はできない。ほら、峰田くんだって個性を使って飛び出し……たけど吹っ飛ばされた。
「……久しぶりだなー」
『第1関門!ロボ・インフェルノ!!!』
少し先に轟くんが妨害と攻撃を一度にするのを見る。一瞬でそこまで考えるなんて、凄い。でも私も追いつかなきゃ。呆けてる暇は1秒なんてない。
手を下から大きく振り上げてロボを凍らせる。そしてさらに下から突き上げるようなつららをつき刺せば案外簡単に崩れてくれた。うーん、同時使用は体が冷える。走ろう。
「あそこ!道が開けたぞ!!!」
「ごめんね、簡単には行かせない、よっと!!!」
後ろに氷壁を作って走り出す。悪いけど敵は少しでも減らしていきたいからね。
『轟に続いて、1-A翠蒼も氷漬け!からの串刺し!ド派手だなぁ!にしても容赦ねぇ!!!』
勝負ごとに情けは無用、育ての親の教育の賜物だ。
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