有精卵の出会いと悪意とUSJ
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昨日は色々あったけどなんだかんだ楽しかったな〜なんて思い出しながら、だいぶ慣れてきた通学路を歩く。戦闘訓練が終わったあと皆で…といっても全員揃っていたわけじゃないけど。轟くんとか爆豪くんはいなかったし。
それでも多くの子達と色々お話出来たのは楽しかった。コスチュームをちっちゃいイレイザーヘッドみたいだね!と緑谷くんに言われた時は少し焦った。いやまあ憧れは間違いないし特段私は消太さんとの関係がバレても大丈夫、というか世間的にも説明すれば納得してもらえるものだがこのご時世怖いのはマスコミだ。だから一応みんなにも秘密にしてる。
そしてなぜそのマスコミが溢れかえっているのか。え、昨日まではこんなことなかったはず。なんでだ。
「ちょっとそこのきみ!お話いいかな!」
「いや、あの、急いでるんで、」
「少しだけオールマイトのことを聞かせて欲しいんだ!」
ああ、そういう…と納得しかけたがこの人話聞かないな!?私急いでるって言ったじゃん。それによく消太さんが「ひとつ答えたらもっとと要求するのがマスコミだ」って言ってるの多分この様子だとマジだ。一言すら答えたくないな。
「あの、ほんとに急いでるんで」
「そこをなんとか!」
いくら女子高生相手と言ってもいささか強引過ぎませんかね?とさすがに苛立ってきたけど個性振り回して離れるわけにもいかず、でも掴まれた腕が振り切れない。どうしたものかと悩んでるとこに救世主。
「すみません。どいて下さい」
「え、あ、」
淡々とした声の持ち主、頭は紅白でド派手なのにあまりのこと過ぎてマスコミが一瞬唖然としたところで私の腕を掴んで連れ出してくれる。校門さえ通ればこっちのもんなのだ。
なんたってセキュリティは雄英、IDやらなにやらとにかく校内の人と証明できるものがないと無理らしい。だからこそ門前に集まってた。
「ありがとー助かった!」
「いや…別に。腕、結構強引につかんだけど大丈夫か」
「うん!全然痛くないよ!それにしても、明日からはもう少し早い時間に来なきゃだなあ」
他愛もない話をしながら助けてくれた人物、轟くんと教室までの道のりを歩く。先程掴まれた腕は全く痛くない。むしろマスコミに掴まれてたところの方が痛いぐらいだ。ツンとした雰囲気だけど、きっと根はとても優しい子なんだろう。
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ワイワイしてた教室も消太さんが入ってくると一気に静かになる。たった2日で私たち教育されすぎ笑いそう。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績みさせてもらった」
そして簡単に爆豪くん、緑谷くんの順に講評。言葉は厳しいけど先生してるんだなあ…となんだか新鮮な気持ちになった。
「さてHRの本題だ。急で悪いが君らに…」
どくん、と心臓が跳ね教室の空気と共に体に緊張が走る。今度はなんだ。また入学式の時みたいなテスト?それとも学力系の何か?
「学級委員長を決めてもらう」
「「「学校ぽいの来たーー!!!」」」
頼むからもったいぶるのやめて欲しい。そして一気に立候補し始めるみんな。すごいなあ、私はこんな個性的なみんなをまとめていける自信なんて全く持ってないので眺めるしかない。そんな様子を眺めていると、轟くんもぼんやり眺めていただけだった。
そして飯田くんの心と体が一致してない提案により委員長は投票タイムへと突入することになった。いやいや消太さん、決まればなんでもいいはないですって。でも飯田くんの「知らない間柄で複数表とった人ほどふさわしい」には納得だな。てことで私は誰にしよう。
自分はないし、ここ2日で投票してもいいかなっと思った人物……うーん難しい。いっそのこと無記名で出したろかなんて思ったけど、もういい。この案を提案してくれた飯田くんにしようとギリギリで書いて投票した。
「僕三票ーー!!!?」
「お、俺に1票……!?誰だ!俺に入れてくれたのは!」
「お前もやりたがってたのに……何がしたいんだアイツ」
結果として委員長に緑谷くん、副委員長に百になった。いやほんとね、なんで他に入れたんだろう飯田くん。そしてキョロキョロする彼と目があってニコッと返しといたら伝わったらしい。翠蒼くんんんと泣かれたのでちょっと入れるとこ間違ったかも、と思ったのはここだけの話だ。
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