有精卵の出会いと悪意とUSJ
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初戦はそれはもう、壮絶だった。なにが彼らを突き動かすんだって言うぐらい緑谷くんと爆豪くんはやり合ってた。ただ最後は緑谷くんが色んな意味で勝っちゃったけど。
「なんだろ、この…緑谷くん達の試合に勝ったけど勝負に負けてる感」
「まあ、明らかに緑谷達がボロボロだからだろ」
意外と轟くん独り言も拾ってくれるので観戦も中々に楽しかった。他のみんなもワイワイと感想を言い合いながらオールマイト先生の講評を待つ。
それにしても轟くんのコスチューム、昨日左は戦闘では使わねぇって言ってたけど本当にガッチガチに固めてる。なんだか自分の個性なのに悲しいなあと思ってしまって気づいたらガン見していたようだ。なんかあるのか?と聞かれたので慌てて頭を振る。余計なお世話すぎる、踏み込んじゃダメな部分だ。でも、左目綺麗だから勿体ないなあ。
「今回のベストは飯田少年だけどな!!!」
「なな!!??」
飯田くん驚きすぎだ。ちょっとわかる気がするけど、やってる本人としては自覚ないんだろうな。超がつくほど真面目だからこそかもというのはたった2日でよくわかる。
わかる人ー!とオールマイト先生の言葉に百が挙手し、つらつらと各々の問題点を上げていく。終わる頃には周りがシーンと静まり返っていた。すごい、しか言えないけどまじで百すごい。なんとなく気になって、爆豪くんを見て見たら驚くほど静かだった。
気を取り直して次のチームは
「お」
「あ、轟くんチーム?頑張って」
「…おー」
結果としてものの数秒で終わった轟くんチーム。ビル一棟丸ごと凍らすとは思わなかった。範囲すごすぎるし威力も抜群って。みんなモニタールームにいるのに冷気が伝わってきて震えてる。私はコスチュームのおかげかあまり寒くない。
「なあ!翠蒼もあんな風に出来んの!?」
「うーんやろうと思えば出来るけど、私も動けなくなっちゃうかなあ」
「でもできちゃうんでしょ!?やだやだ才能マン…」
バシバシ上鳴くんに叩かれるけど、痛くないあたりが気遣い上手だとみた。昨日少しお話したけどいい人なんだな。
そして続いて第3戦は私の番みたいだ。相手は常闇くんと梅雨ちゃん。うーん中々にバランスの取れた2人な気がする。
ビルを移動時間は作戦タイムでもある。切島くんと瀬呂くんと核の位置を決めつつ、個性の紹介タイム。
「俺の個性は硬化!近接戦闘は任せろ!」
「俺はテープ、肘からテープ出せるよ。今回だと核の周りに待機しとくのが俺はいいかなって思う」
「私の個性は水と三態操作。水はご覧の通り手のひらから水を出せるよ。こっちの方はキャパ特にないかな。三態操作は、分子の作りがわかるものならなんでも液体、固体、気体に変えれるよ」
こんな風にふたつ合わせてよく使うんだーと手で氷を創ったり消したりしてみせれば、2人はほー!と声を上げて個性に納得していた。昨日は不思議だったらしい。そりゃそうか、氷バリバリ張ってたと思えば水出すんだもんな。
ともあれ私は今回、核から離れた場所でランダムにスタートしなきゃだし何より組む2人が防御力も応用力も高い当たりありがたい。となればやるべきことは見えてくる。
「近接は鍛えられてるからある程度できるよ。今回私は遊撃要員で、どっちかは最低限足止めしてこようと思う。最強の盾の切島くん、応用効きそうな瀬呂くんがいるなら核は任せて大丈夫でしょ」
「おう!任せろ!」
「りょーかい。そっちは任せた」
なんとも心強い仲間だ、2人がビルに入っていくのを待って私も目隠しされてオールマイト先生に連れてかれた。到着し、指示の元目隠しを外せば2階っぽい。確か核は5階の窓から離れたところ。
「私たぶん高さ的に2階ぐらい。このままここで迎え撃つ」
『5分でこっちはバリア作るよ。頼んだ』
「りょーかい!」
さあ、気張っていきますかと頬をパチンとたたいた。スタート!と先生の声がスピーカーから響く。
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