教授
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スネイプ教授を見送った私は自分の部屋には帰らずに外に続く廊下を歩いた。
外はうっすらと雪が積もっていて、とても美しい。
大きな扉を開くと澄んだ冷たい風が私の顔を撫ぜた。
(玉おいで)
外の階段を下りながら鎖骨の下をそっと触ると暖かい感覚が体中をめぐる。
音もなく出てきた玉の姿は今までより一回り大きくなっていて、真っ白だった毛が銀粉を塗したようにキラキラと朝日に輝いている。
「玉、とってもきれい。」
私の全身にぐるぐる巻き付いて尻尾を揺らしている大きな狐の頭を撫ぜ私はそう囁く。
「スネイプ教授のおかげだね。」
玉が嬉しそうに紫色の瞳を細めて私の頬を舐めた。
私たちはそのままゆっくりと歩きながらあばれ柳の近くまで散歩する。
玉は私が寒くないようにコートみたいに体を巻き付けて温めてくれる。
「私、スネイプ教授と恋人になれたよ。ありがとう。」
玉は二本の尻尾を左右に動かして喜びを表現しているみたい。
その時、空から一羽の小鳥があばれ柳のすぐ脇を通り過ぎようとした。
あばれ柳は敏感にそれを察して、大きな枝を振り回す。
それは一瞬の出来事。
とめる暇もなかった。
地面にぽとりと羽の折れた小鳥が落ちてくる。
小鳥は少しだけ身動きするとその後ゆっくりと動かなくなる。
私はどうしたらよいのか目の前の小鳥をただ見つめた。
視界が紫色に染まっていく。
倒れた小鳥の体から何かぼんやりした靄のようなものが浮かび上がった。
玉が素早く私の体を離れ、小鳥の周りに尻尾で円を描いた。
一本の尻で円を、もう一本の尾は空に上がって行こうとする靄の塊を逃がさないように包み込むようにして。
玉が私を見て、目を細めた。
玉に呼ばれるがまま私はそれに近づき、靄の塊をそっと両手で包み込み横たわる小鳥の体にそれを戻す。
魂がまだ生きているからきっと大丈夫…。
どのくらいの時間がたったのだろう。
音のない光の空間に座り込んだ私を我に返したのは、慌てて飛び立った小鳥だった。
羽は少しぎこちないものの、今度はちゃんとあばれ柳を避けて森のほうへと消えて行った。
「…はぁ…。」
体がとても重い。
両手両足に重たい鎖が付いたように重く、全身に疲労感が襲ってくる。
いつの間にか私の膝に頭を乗せた玉もぐったり横たわり目を閉じている。
雪の芝生に私たちはしばらく静かに座り込んでいた。
ズボンに雪がしみ込んでくるのも構わずに私は玉の頭を撫ぜながら考えた。
死んだものを生き返らせることはできないけれど、死にそうになっている魂を元に戻す力が玉に備わったようだ。
私が昨日、スネイプ教授と交わったからだろう。
スネイプ教授は薬学や闇の魔術に精通しているから、その能力を受け継いだのかもしれない。
でもとてつもなく体力を消耗する。
手のひらほどの小鳥の魂を戻しただけで、このありさまだ。
縁を結んだり、魂を戻したり…私にそんなことができるようになったと家族に報告したらきっと大喜びするだろう。
私は実家の兄の嬉しそうな顔を思い浮かべて少し元気になる。
「玉、疲れたでしょ。戻れる?」
閉じていた目をうっすら開けて玉がゆっくりと尾を振った。
それから玉にしては珍しい、ひどくゆっくりとしたスピードで体を起こすとのそりと私の胸元に顔を寄せて体内に消えてしまった。
外はうっすらと雪が積もっていて、とても美しい。
大きな扉を開くと澄んだ冷たい風が私の顔を撫ぜた。
(玉おいで)
外の階段を下りながら鎖骨の下をそっと触ると暖かい感覚が体中をめぐる。
音もなく出てきた玉の姿は今までより一回り大きくなっていて、真っ白だった毛が銀粉を塗したようにキラキラと朝日に輝いている。
「玉、とってもきれい。」
私の全身にぐるぐる巻き付いて尻尾を揺らしている大きな狐の頭を撫ぜ私はそう囁く。
「スネイプ教授のおかげだね。」
玉が嬉しそうに紫色の瞳を細めて私の頬を舐めた。
私たちはそのままゆっくりと歩きながらあばれ柳の近くまで散歩する。
玉は私が寒くないようにコートみたいに体を巻き付けて温めてくれる。
「私、スネイプ教授と恋人になれたよ。ありがとう。」
玉は二本の尻尾を左右に動かして喜びを表現しているみたい。
その時、空から一羽の小鳥があばれ柳のすぐ脇を通り過ぎようとした。
あばれ柳は敏感にそれを察して、大きな枝を振り回す。
それは一瞬の出来事。
とめる暇もなかった。
地面にぽとりと羽の折れた小鳥が落ちてくる。
小鳥は少しだけ身動きするとその後ゆっくりと動かなくなる。
私はどうしたらよいのか目の前の小鳥をただ見つめた。
視界が紫色に染まっていく。
倒れた小鳥の体から何かぼんやりした靄のようなものが浮かび上がった。
玉が素早く私の体を離れ、小鳥の周りに尻尾で円を描いた。
一本の尻で円を、もう一本の尾は空に上がって行こうとする靄の塊を逃がさないように包み込むようにして。
玉が私を見て、目を細めた。
玉に呼ばれるがまま私はそれに近づき、靄の塊をそっと両手で包み込み横たわる小鳥の体にそれを戻す。
魂がまだ生きているからきっと大丈夫…。
どのくらいの時間がたったのだろう。
音のない光の空間に座り込んだ私を我に返したのは、慌てて飛び立った小鳥だった。
羽は少しぎこちないものの、今度はちゃんとあばれ柳を避けて森のほうへと消えて行った。
「…はぁ…。」
体がとても重い。
両手両足に重たい鎖が付いたように重く、全身に疲労感が襲ってくる。
いつの間にか私の膝に頭を乗せた玉もぐったり横たわり目を閉じている。
雪の芝生に私たちはしばらく静かに座り込んでいた。
ズボンに雪がしみ込んでくるのも構わずに私は玉の頭を撫ぜながら考えた。
死んだものを生き返らせることはできないけれど、死にそうになっている魂を元に戻す力が玉に備わったようだ。
私が昨日、スネイプ教授と交わったからだろう。
スネイプ教授は薬学や闇の魔術に精通しているから、その能力を受け継いだのかもしれない。
でもとてつもなく体力を消耗する。
手のひらほどの小鳥の魂を戻しただけで、このありさまだ。
縁を結んだり、魂を戻したり…私にそんなことができるようになったと家族に報告したらきっと大喜びするだろう。
私は実家の兄の嬉しそうな顔を思い浮かべて少し元気になる。
「玉、疲れたでしょ。戻れる?」
閉じていた目をうっすら開けて玉がゆっくりと尾を振った。
それから玉にしては珍しい、ひどくゆっくりとしたスピードで体を起こすとのそりと私の胸元に顔を寄せて体内に消えてしまった。