教授
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「…んっ」
心地よい夢を見た。
大きな岩の上に身を横たえている。
岩はじわりと暖かくて、その下にはさらさらと川が流れている。
ここはどこだろうか?
ゆっくりを上半身を起こすと、冷たい水しぶきがスネイプの頬を濡らした。
目を細めると、白い着物をきた名無しが川に足をつけて笑っている。
着物の裾を両手で持ち、時折足で水面を蹴りながら紫色の瞳でスネイプを見つめた。
名無しの背後にある竹林がざわりと揺れて、川に立つ美しい姿を引き立たせる。
「…名無し?」
スネイプは名前を呼んだ。
「ずっと守るからね」
人間離れした美しい表情が柔らかな笑顔を作った。
…いや、今度は私が名無しを守る。
ザザザザっと竹が大きな音を立てて、緑の葉が舞い散った。
スネイプが薄目を開けると、愛おしそうに自分を見つめる名無しの顔がぼんやりと視界に映る。
優しく髪を撫ぜる名無しの手首を掴むと自分の胸に引き寄せた。
「…おはようございます」
胸の中で名無しが小さく呟いた。
「…ああ…もう朝か…恨めしい…」
ふふふっと名無しが可笑しそうに笑う。
「今日もお休みですから、もっと寝ててかまいませんよ?」
「それもいい…」
名無しの背中に手を這わせると、白い肌がしっとりと張り付いてくる。
スネイプは目を閉じ、頭の中で昨夜自分の腕の中で嬉しそうに鳴く名無しを思い返していた。
昨日の素晴らしい時間を今からまた繰り返すのもいい。
今日はこのままベッドの中で一日を過ごそうか…
ぐぅう~と聞き覚えのある音がして、スネイプを現実に引き戻した。
胸の中の名無しに視線を落とすと、苦笑いした笑顔が自分を見つめている。
「…お腹が空きました…」
「…。」
「そんな目で見ないでください!!」
名無しがスネイプの胸に顔を押し付けてイヤイヤと首を振る。
はぁ…。
スネイプは小さく笑うとその頭を優しく撫ぜる。
「朝食に行くぞ。用意を。」
スネイプは名無しの額にそっとキスをするとその細い体をもう一度だけ抱きしめた。
セーターに腕を通して立ち上がったら、下半身がズクリと痛んだ。
「…。」
半分開いたバスルームの扉から、身なりを整える教授の姿が見える。
私はそっとお腹に手を当てると、ちくりと刺す痛みを噛み締めた。
スネイプ教授だけが私に与えることのできる特別な痛み。
昨日のことが夢じゃないという証明のような気がして私の頬が緩んだ。
「おいしぃ~!!何だか今日は一段と朝食がおいしいですねぇ?!」
お世辞じゃなく何もかもが美味しくて私の体にしみわたっていくようだ。
「…それはそうだろう。…昨夜は…」
スネイプ教授が私を横目で見て言葉を濁す。
カボチャジュースをむせそうになって私は手で口を押えた。
「何のことだかさっぱりですね。」
「…そうですな。」
そう言うスネイプ教授も今朝は珍しくチキンサラダを食べている。
自分だってお腹空いてるんじゃない!
だって昨日は二人して…。
「何をにやけている!」
「さぁ?!
イチゴとグレープフルーツも食べてください!筋肉痛の緩和になるそうですよ?」
「…いただこう。名無しも食べておけ。」
「冗談で言ったのに…」
気難しい顔でイチゴをもぐもぐ咀嚼する教授を見て私は声を出して笑った。