教授
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ツリーの下に座る名無しの美しい姿を見てスネイプは立ち竦んだ。
優雅に曲線を描いた白い背中、艶のある黒髪。
いつもはシャツの中に隠れている名無しの細い体のラインが協調され艶々としたシルバーのドレスが円を描いて広がっている。
スネイプの気配には全く気が付く様子はなく、プレゼントの山に夢中になっているようだ。
彼女が座るその場所だけ光が差し込んでいるようでスネイプは目を細めた。
じっと観察していると、彼女は大きな箱を開けて体をのけ反らせる。
「わははははは!!!これ、私が欲しがってたやつ!!!」
ひとりで大笑いして大喜びしているその声を聞いて少し安心してしまう。
姿は美しくても中身はやっぱりいつもの…自分の気に入っている名無しなのだ。
次々とプレゼントを開けては一喜一憂しているその姿が何とも可愛らしい。
そうしているうちに見覚えのある紙袋を彼女が手に取った。
あれはまさに自分が用意した名無しへの贈り物だ。
気に入ってくれるだろうか…?
どんな反応をするのか気になって思わず息を止め見入ってしまう。
「…可愛い…。」
シンっと静まり返ったその場所に名無しの声だけが響く。
細い足首をスカートの中から出すと早速アンクレットを身に着けた。
名無しはうっとりと足首を触りながらアンクレットに見惚れている。
その姿を見ていると愛おしさが込み上げてくる。
今すぐ後ろから抱きしめてしまいたい衝動にかられスネイプは音もなく彼女の元に歩き出した。
あと一歩で彼女の細い背中に手が触れる…。
「『まだ食べるのか?S.S』?!」
突然名無しが大声を出した。
「何だ?!」
ギクリとしたスネイプも思わず声を上げてしまう。
びっくりした顔の名無しがカードを手に振り返るとスネイプを見てしかめ面をした。
「まだ食べます!…というか、これから食べます!たくさん!!!」
ああ…なんてタイミングの悪い。
こんなひねくれたカードを同封した自分が悪いのだが、その魔の悪さにスネイプは自分を呪う。
「ああ!よかろう!たくさん食べろ!誰も止めん!」
「私の食欲は偉大な魔法使いでも止められません!」
スネイプは名無しを残して大広間へと歩き出す。
その時、袖口を掴まれ立ち止まると名無しが恥ずかしそうに微笑んでいた。
「スネイプ教授…ありがとうございます。」
「……。」
「アンクレットとっても気に入りました。大切にしますね。
…あの…私もプレゼントがあります。」
ドレスの後ろから左手を差し出すと、小さな紙袋が差し出された。
「気に入っていただけるかわかりませんが……どうぞ。」
突然のことに驚きつつ、プレゼントを受け取る。
無言で紙袋から中身を出すと、小さな箱が入っていた。
「見ても良いだろうか?」
うんうんと名無しは照れ笑いしている。
蓋を開けると中に漆黒の石がはめ込まれたカフスボタンが並んでいた。
とてもクラシカルで自分好みだ。
もう少し見ようと微かに手を動かしたら、漆黒の中にほんのりと紫色が浮かび上がった。
「教授はよく玉を可愛がってくださいますよね?
そのカフスボタンの中にふたりがいるようで気に入って選びました。」
「…今日のセンスは褒めてやろう。ありがたく使わせていただくことにする。」
名無しはホッとしたのか、嬉しそな笑顔を顔いっぱいに浮かべた。