教授
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視界が真っ赤に染まって、私は目を閉じた。
最近見たホラー映画で血の海に顔から浸かるシーンがあったけどこんな感じなのかしら…
ジョージとフレッドの大笑いが聞こえる。
「先生、ごめん!わははは!!」
「それ、すぐ消えるから大丈夫だよ!多分ね!わははは!!」
目を開けると私の全身は虹色に染まっていた。
「これ、シャワーしたら落ちるよねぇ?!」
双子はお腹を抱え芝生の上で笑い転げながら頷いた。
玉は我関せずと私の頭上をふわふわ飛んでいる。
もう!!
強い結界を作る訓練をする私にジョージとフレッドが声をかけてきたのは一ヶ月ほど前のことだ。
開発した悪戯グッズを試したい彼らに私は丁度良い実験台だったという訳。
「先生の盾の呪文はいつになったら強くなるんだよ?!」
「プロテゴ・ホリビリスって唱えたほうが早いでしょ!」
「…それはそうなんだけど…ちゃんと玉を強くしてあげるのも私の役目だから。
お手伝いありがとう。もう授業始まるから行って!」
楽しそうな双子の背中を見つめながら顔を拭う。
随分と派手にやってくれたわね…
「テルジオ」
桜の木でできた杖で私は自分に魔法をかける。
綺麗になった私を見ると玉が素早く降りてきて、私のシャツの中に潜り込んだ。
「教授、失礼します。遅くなりました。」
筆記用具と乾燥した薬草がたっぷり入ったバスケット、チョコチップクッキーの袋を抱えて薬学室の扉を開けた。
両手が塞がっていて、私がお尻で扉を締めたらゴホンっとわざとらしい咳払いが聞こえてきた。
「…へへ…すいません。」
スネイプ教授を見たら、書き物中で私の顔を見もしない。
まぁ、いつものことだ。
「そんなものまで作業台に置くな!」
クッキーのことか…背後からまた怒られて、私は嫌な顔をした。
「我輩に対してその様な態度を取るのか?」
後ろを向いてるのに何故私の表情がわかるの?!
教授が呪文を唱える前に、素早くスネイプ教授の横までダッシュする。
「じゃ、教授の机に置かせてください。これ、授業が終わったら一緒に食べましょう?」
顔を覗き込んで満点のスマイルをしてやった。
スネイプ教授は私のスマイルを穴が空くほど見つめている。
…何?スネイプ教授、まさか私に見惚れてる?
「…スネイプ教授、何ですか?そんなに見つめられると照れます…。もしかして見惚れちゃいました…なんて」
「いつも滑稽な事ばかりしているが…本当にピエロだったのか。」
「へっ?」
冷たい目で私を見ると教授は窓の方を指差した。
指をたどるとガラスに映った私の顔には双子が投げた赤いインク残っている。しかも鼻の先に!!
手で鼻を隠すと私はヒィっと情けない声を出した。
「どっ…どうしましょう?!さっき廊下でルーピン教授に出会ってしまいました。
いつもの優しい笑顔で笑っているだけでしたが笑われていたんでしょうか?!」
「でしょうな。」
「テルジオしたのにおかしいなぁ…」
恥ずかしくてゴシゴシ鼻の頭を擦っていたら、背後からグイッと顎を持ち上げられた。
「!!」
いつのまにかスネイプ教授が真後ろに立っていて私の顔を持ち上げる。
「まったく…いい加減大人になったらどうかね。」
そう言いながら、優しくハンカチで鼻の頭を拭ってくれる。
スネイプ教授なら鼻の頭をキレイにするくらい魔法で簡単なのに…。
ドキドキして高鳴る胸の鼓動を隠す様に私はギュッと目をつぶった。
「良いだろう。いつもの間抜けだ。」
「ありがとうございます。ハンカチ洗って返します。」
当然だとでも言うように、私の頭に教授のハンカチがふわりとかぶさった。
スネイプ教授の匂いがする。いい匂い。
教授はもう後ろを向いていて、バスケットの中の薬草を触っている。
「…教授!あの、もうちょっとしたらクリスマスですねぇ…」
唐突すぎたか?…恥ずかしい。
「…ああ。」
意外にも返事が返ってきて元気が出てきた。
「クリスマスはいつもどのように過ごすのかなぁ〜…」
言葉尻が小さくなってしまったけれど聞けた!!!いいぞ、私!!!
ぴたりと作業する教授の手が止まり、私を一瞥した。
もしかして地雷を踏んでしまっただろうか…?
「…知りたいか?」
教授が急にローブを大きく翻して私の前にやってきたから、心臓が大きく跳ね上がる。
何も言えずにただ顔を上下にコクコクと動かすことしかできない。
「…方法はただ一つ。我輩の側にいることだ。」
…えっ?
「…それはつまり、クリスマスを一緒に過ごしてくれるんですか…?」
「……クリスマス休暇はどうせここにいるのであろう?
行って帰ってくるには日本は遠い。」
うそ、うそうそうそっ!!!!!
嬉しすぎて今すぐこの場で叫びながら飛び跳ねて薬学室中走り回りたい!!!!
心臓が爆発しそう!!!!
…と思ったら、突然胸元から玉がグルンっと一回転して飛び出した。
「わっ!!!!」
驚いた私は大きな声を上げた。
スネイプ教授も驚いた顔で玉を見つめる。
玉は空中で円を描いてグルグル回っている。
「どうにかしろ!生徒が来る。」
「えっ?!あっ!はい!玉、戻って!!!」
玉はピタッと動きを止めると、スネイプ教授の体にグルンと高速で巻きついてから、私の胸元に消えていった。
突然の事で私たちは一瞬呆然としてしまう。
私が興奮しすぎて玉が出て来てしまったのだろうか。
「すいません…突然。お騒がせしました。」
「もっと力を抑制する術を学びたまえ。」
「…はい…」
さっきまでの猛烈な嬉しさはどこかに消えて、私はスネイプ教授の言葉に肩を落としたのだった。
最近見たホラー映画で血の海に顔から浸かるシーンがあったけどこんな感じなのかしら…
ジョージとフレッドの大笑いが聞こえる。
「先生、ごめん!わははは!!」
「それ、すぐ消えるから大丈夫だよ!多分ね!わははは!!」
目を開けると私の全身は虹色に染まっていた。
「これ、シャワーしたら落ちるよねぇ?!」
双子はお腹を抱え芝生の上で笑い転げながら頷いた。
玉は我関せずと私の頭上をふわふわ飛んでいる。
もう!!
強い結界を作る訓練をする私にジョージとフレッドが声をかけてきたのは一ヶ月ほど前のことだ。
開発した悪戯グッズを試したい彼らに私は丁度良い実験台だったという訳。
「先生の盾の呪文はいつになったら強くなるんだよ?!」
「プロテゴ・ホリビリスって唱えたほうが早いでしょ!」
「…それはそうなんだけど…ちゃんと玉を強くしてあげるのも私の役目だから。
お手伝いありがとう。もう授業始まるから行って!」
楽しそうな双子の背中を見つめながら顔を拭う。
随分と派手にやってくれたわね…
「テルジオ」
桜の木でできた杖で私は自分に魔法をかける。
綺麗になった私を見ると玉が素早く降りてきて、私のシャツの中に潜り込んだ。
「教授、失礼します。遅くなりました。」
筆記用具と乾燥した薬草がたっぷり入ったバスケット、チョコチップクッキーの袋を抱えて薬学室の扉を開けた。
両手が塞がっていて、私がお尻で扉を締めたらゴホンっとわざとらしい咳払いが聞こえてきた。
「…へへ…すいません。」
スネイプ教授を見たら、書き物中で私の顔を見もしない。
まぁ、いつものことだ。
「そんなものまで作業台に置くな!」
クッキーのことか…背後からまた怒られて、私は嫌な顔をした。
「我輩に対してその様な態度を取るのか?」
後ろを向いてるのに何故私の表情がわかるの?!
教授が呪文を唱える前に、素早くスネイプ教授の横までダッシュする。
「じゃ、教授の机に置かせてください。これ、授業が終わったら一緒に食べましょう?」
顔を覗き込んで満点のスマイルをしてやった。
スネイプ教授は私のスマイルを穴が空くほど見つめている。
…何?スネイプ教授、まさか私に見惚れてる?
「…スネイプ教授、何ですか?そんなに見つめられると照れます…。もしかして見惚れちゃいました…なんて」
「いつも滑稽な事ばかりしているが…本当にピエロだったのか。」
「へっ?」
冷たい目で私を見ると教授は窓の方を指差した。
指をたどるとガラスに映った私の顔には双子が投げた赤いインク残っている。しかも鼻の先に!!
手で鼻を隠すと私はヒィっと情けない声を出した。
「どっ…どうしましょう?!さっき廊下でルーピン教授に出会ってしまいました。
いつもの優しい笑顔で笑っているだけでしたが笑われていたんでしょうか?!」
「でしょうな。」
「テルジオしたのにおかしいなぁ…」
恥ずかしくてゴシゴシ鼻の頭を擦っていたら、背後からグイッと顎を持ち上げられた。
「!!」
いつのまにかスネイプ教授が真後ろに立っていて私の顔を持ち上げる。
「まったく…いい加減大人になったらどうかね。」
そう言いながら、優しくハンカチで鼻の頭を拭ってくれる。
スネイプ教授なら鼻の頭をキレイにするくらい魔法で簡単なのに…。
ドキドキして高鳴る胸の鼓動を隠す様に私はギュッと目をつぶった。
「良いだろう。いつもの間抜けだ。」
「ありがとうございます。ハンカチ洗って返します。」
当然だとでも言うように、私の頭に教授のハンカチがふわりとかぶさった。
スネイプ教授の匂いがする。いい匂い。
教授はもう後ろを向いていて、バスケットの中の薬草を触っている。
「…教授!あの、もうちょっとしたらクリスマスですねぇ…」
唐突すぎたか?…恥ずかしい。
「…ああ。」
意外にも返事が返ってきて元気が出てきた。
「クリスマスはいつもどのように過ごすのかなぁ〜…」
言葉尻が小さくなってしまったけれど聞けた!!!いいぞ、私!!!
ぴたりと作業する教授の手が止まり、私を一瞥した。
もしかして地雷を踏んでしまっただろうか…?
「…知りたいか?」
教授が急にローブを大きく翻して私の前にやってきたから、心臓が大きく跳ね上がる。
何も言えずにただ顔を上下にコクコクと動かすことしかできない。
「…方法はただ一つ。我輩の側にいることだ。」
…えっ?
「…それはつまり、クリスマスを一緒に過ごしてくれるんですか…?」
「……クリスマス休暇はどうせここにいるのであろう?
行って帰ってくるには日本は遠い。」
うそ、うそうそうそっ!!!!!
嬉しすぎて今すぐこの場で叫びながら飛び跳ねて薬学室中走り回りたい!!!!
心臓が爆発しそう!!!!
…と思ったら、突然胸元から玉がグルンっと一回転して飛び出した。
「わっ!!!!」
驚いた私は大きな声を上げた。
スネイプ教授も驚いた顔で玉を見つめる。
玉は空中で円を描いてグルグル回っている。
「どうにかしろ!生徒が来る。」
「えっ?!あっ!はい!玉、戻って!!!」
玉はピタッと動きを止めると、スネイプ教授の体にグルンと高速で巻きついてから、私の胸元に消えていった。
突然の事で私たちは一瞬呆然としてしまう。
私が興奮しすぎて玉が出て来てしまったのだろうか。
「すいません…突然。お騒がせしました。」
「もっと力を抑制する術を学びたまえ。」
「…はい…」
さっきまでの猛烈な嬉しさはどこかに消えて、私はスネイプ教授の言葉に肩を落としたのだった。