教授
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アイスティーとグリーンティー、名無しはどちらが好きだろう。
あれほど食べているのだから烏龍茶が良いかもしれない。
そんなことを考えながらドリンクを取りに来たスネイプの肩を誰かが叩いた。
振り返って背後に立つ人物を見た途端、スネイプの世界から音が消える。
背景も消えて、目の前のその人しか見えない。
「お久しぶりね。セブ。」
「…リリー…」
それだけ言うのがやっとで、その先が出て来ない。
「今日は仕事でここに来たの。もう帰るところよ。
見慣れた真っ黒い背中が見えたものだから、まさかと思ったけど間違いじゃなかったようね。」
リリーは少し気まずそうにしながらもスネイプに笑いかける。
いろいろあったが二人はもう大人だ。
セブルスの熱望した笑顔が今目の前にある。
「あなたは…プライベートで来たのかしら?」
リリーがそっと辺りを見回してスネイプの顔を見る。
何故、何故こんな場所で…偶然にしても間が悪すぎる…
「…ああ…今日は…」
やっと絞り出した声でスネイプが答えようとしたその時だった。
「スネイプ教授!見てくださいこれ!」
ドリンクコーナーに背の高いスネイプ教授の後ろ姿を発見した私は、お皿と真っ黒な教授の背中を交互に見てニヤリとした。
お寿司!それも日本のお寿司じゃなくて外国人の作った謎のSUSHI!
何故か忍者のピックが刺してあって、可愛いやらツッコミどころ満載で、全種類1つずつお皿に入れてきたのだ。
「教授、なんとイギリスで日本の忍者を発見し…」
教授を覗き込もうとした私を見つめるエメラルドグリーンの綺麗な瞳に私は硬直した。
「はじめまして。リリー・ポッターです。息子がいつもお世話になります。」
私の体からザッと血の気が引く。
私の所からはスネイプ教授の表情が見えなくて、不安でお寿司を持つ手が震えた。
「はっ…はじめまして…」
「失礼ですが、あなたもホグワーツの先生かしら?」
「いえ…私は…まだ教師見習いです…。」
ぎこちなく笑う私を見て、リリーさんが優しい笑顔をした。緊張しないで…とでも言うように。
スネイプ教授は不気味なほど何も言わず、背中しか見えない。
「…あの…お邪魔してすいません!私は先に席に戻ります。失礼します…」
それだけ言うと私は逃げるようにその場を後にした。
やってしまった。最悪だ…
何がイギリスにも忍者が…よ!!!
リリーさんの前でスネイプ教授に恥かかせちゃた!
リリーさん…キレイ…すっごくいい匂いした。
私のこと優しい笑顔で見てくれた…
スネイプ教授が好きになる…今でも大好きなのがわかる。
顔を上げたらスネイプ教授とリリーさんの2人が見えると思うと泣きそう。
このまま帰ってしまおうかとも思ったけれど、スネイプ教授は私がリリーさんを知ってることを知らない。
今帰ったら不自然すぎて逆に気まずい。
スネイプ教授が席に戻ってきたら、さっきまでの私で接しなきゃ。
…大丈夫。私ならできる。
リリーは名無しの後ろ姿を見て楽しそうにクスクス笑った。
「可愛らしくて、とてもシャイな助手先生ね。元気いっぱいって感じであなたにぴったり。」
大きい体で何も言わずにただ棒立ちになるスネイプを見つめて、リリーは困った顔をした。
「…セブ、またホグワーツで会うかもしれないわね。息子をよろしくおねがいします。…それじゃ。」
それだけ言うと、キレイな髪を揺らして颯爽とスネイプの前からリリーは姿を消した。
スネイプの瞳にはその残像がいつまでも残っていた。
「スネイプ教授、おかえりなさい。」
名無しはもぐもぐと口いっぱいに料理を頬張って頬を膨らませている。
「さっきの美しい女性はどなたですか?」
微かに名無しの目が泳ぐ。
こんなに嘘が下手な魔法使いは見たことがない。
「ハリーポッターの母親だ。」
「グリフィンドールのMrポッターのお母さんですか!凄くキレイで私、緊張しちゃいました。」
スネイプは名無しの顔を穴が空くほど見つめた。
「…何ですか?
…というか、教授は何しに行ったんですか!手ぶらで帰ってきて!
謎のお寿司食べててください。可愛い忍者のピックがついてるんですよ?
その間に私が何か取って…」
その時スネイプが名無しの手を掴んだ。
ギョッとした顔をして名無しは浮かせた腰を椅子に沈めた。
自分の胸の痛みはもう慣れている。
すぐにやり過ごせる。
でも無理やり元気を装う名無しの姿が辛い。
彼女は今どんな思いで自分の前に座っているのだろうと思うとスネイプの心は傷んだ。
その時、名無しの手を掴んだスネイプの手の上に彼女の手が乗った。
名無しの体温がスネイプの体の中に染み込んでくる。
スネイプの心を癒すような優しい眼差しで、ただ黙って名無しはスネイプを見つめた。
スネイプと目が合うと恥ずかしそうに視線を外して、けれど手はそのままスネイプを慰めている。
自分が作るどんな優秀な魔法薬よりも、今この彼女の手が自分を癒しているのは確かだ。
「んっ!」
フォークに刺さったエビのマリネが私の口元に突き出された。
「両手が使えんだろう。食べろ。」
スネイプ教授の顔を見たらジロリといつもの目で睨まれた。
「全部食べ終わってからだぞ。チョコレートファウンテンに行って良いのは。」
「チョコレートファウンテン…ルーピン教授が喜びそうですねぇ…」
「奴はアレに頭から突っ込んでいくだろうな。」
「あははは。あっ!自分で食べれます!」
次はお寿司が目の前に差し出されたから、私はぱっと手を離してそれを受け取った。
「このお寿司は美味しいけど邪道です。」
「…日本の寿司はどのようなものだ?」
「いろいろありますが…」
よかった。
スネイプ教授、少し元気になったみたい。
私は胸を撫で下ろした。
教授にはいつも幸せでいてもらいたい。
私がこの人を守ってあげたい。
その為に、もっともっと強くならなきゃ。
あれほど食べているのだから烏龍茶が良いかもしれない。
そんなことを考えながらドリンクを取りに来たスネイプの肩を誰かが叩いた。
振り返って背後に立つ人物を見た途端、スネイプの世界から音が消える。
背景も消えて、目の前のその人しか見えない。
「お久しぶりね。セブ。」
「…リリー…」
それだけ言うのがやっとで、その先が出て来ない。
「今日は仕事でここに来たの。もう帰るところよ。
見慣れた真っ黒い背中が見えたものだから、まさかと思ったけど間違いじゃなかったようね。」
リリーは少し気まずそうにしながらもスネイプに笑いかける。
いろいろあったが二人はもう大人だ。
セブルスの熱望した笑顔が今目の前にある。
「あなたは…プライベートで来たのかしら?」
リリーがそっと辺りを見回してスネイプの顔を見る。
何故、何故こんな場所で…偶然にしても間が悪すぎる…
「…ああ…今日は…」
やっと絞り出した声でスネイプが答えようとしたその時だった。
「スネイプ教授!見てくださいこれ!」
ドリンクコーナーに背の高いスネイプ教授の後ろ姿を発見した私は、お皿と真っ黒な教授の背中を交互に見てニヤリとした。
お寿司!それも日本のお寿司じゃなくて外国人の作った謎のSUSHI!
何故か忍者のピックが刺してあって、可愛いやらツッコミどころ満載で、全種類1つずつお皿に入れてきたのだ。
「教授、なんとイギリスで日本の忍者を発見し…」
教授を覗き込もうとした私を見つめるエメラルドグリーンの綺麗な瞳に私は硬直した。
「はじめまして。リリー・ポッターです。息子がいつもお世話になります。」
私の体からザッと血の気が引く。
私の所からはスネイプ教授の表情が見えなくて、不安でお寿司を持つ手が震えた。
「はっ…はじめまして…」
「失礼ですが、あなたもホグワーツの先生かしら?」
「いえ…私は…まだ教師見習いです…。」
ぎこちなく笑う私を見て、リリーさんが優しい笑顔をした。緊張しないで…とでも言うように。
スネイプ教授は不気味なほど何も言わず、背中しか見えない。
「…あの…お邪魔してすいません!私は先に席に戻ります。失礼します…」
それだけ言うと私は逃げるようにその場を後にした。
やってしまった。最悪だ…
何がイギリスにも忍者が…よ!!!
リリーさんの前でスネイプ教授に恥かかせちゃた!
リリーさん…キレイ…すっごくいい匂いした。
私のこと優しい笑顔で見てくれた…
スネイプ教授が好きになる…今でも大好きなのがわかる。
顔を上げたらスネイプ教授とリリーさんの2人が見えると思うと泣きそう。
このまま帰ってしまおうかとも思ったけれど、スネイプ教授は私がリリーさんを知ってることを知らない。
今帰ったら不自然すぎて逆に気まずい。
スネイプ教授が席に戻ってきたら、さっきまでの私で接しなきゃ。
…大丈夫。私ならできる。
リリーは名無しの後ろ姿を見て楽しそうにクスクス笑った。
「可愛らしくて、とてもシャイな助手先生ね。元気いっぱいって感じであなたにぴったり。」
大きい体で何も言わずにただ棒立ちになるスネイプを見つめて、リリーは困った顔をした。
「…セブ、またホグワーツで会うかもしれないわね。息子をよろしくおねがいします。…それじゃ。」
それだけ言うと、キレイな髪を揺らして颯爽とスネイプの前からリリーは姿を消した。
スネイプの瞳にはその残像がいつまでも残っていた。
「スネイプ教授、おかえりなさい。」
名無しはもぐもぐと口いっぱいに料理を頬張って頬を膨らませている。
「さっきの美しい女性はどなたですか?」
微かに名無しの目が泳ぐ。
こんなに嘘が下手な魔法使いは見たことがない。
「ハリーポッターの母親だ。」
「グリフィンドールのMrポッターのお母さんですか!凄くキレイで私、緊張しちゃいました。」
スネイプは名無しの顔を穴が空くほど見つめた。
「…何ですか?
…というか、教授は何しに行ったんですか!手ぶらで帰ってきて!
謎のお寿司食べててください。可愛い忍者のピックがついてるんですよ?
その間に私が何か取って…」
その時スネイプが名無しの手を掴んだ。
ギョッとした顔をして名無しは浮かせた腰を椅子に沈めた。
自分の胸の痛みはもう慣れている。
すぐにやり過ごせる。
でも無理やり元気を装う名無しの姿が辛い。
彼女は今どんな思いで自分の前に座っているのだろうと思うとスネイプの心は傷んだ。
その時、名無しの手を掴んだスネイプの手の上に彼女の手が乗った。
名無しの体温がスネイプの体の中に染み込んでくる。
スネイプの心を癒すような優しい眼差しで、ただ黙って名無しはスネイプを見つめた。
スネイプと目が合うと恥ずかしそうに視線を外して、けれど手はそのままスネイプを慰めている。
自分が作るどんな優秀な魔法薬よりも、今この彼女の手が自分を癒しているのは確かだ。
「んっ!」
フォークに刺さったエビのマリネが私の口元に突き出された。
「両手が使えんだろう。食べろ。」
スネイプ教授の顔を見たらジロリといつもの目で睨まれた。
「全部食べ終わってからだぞ。チョコレートファウンテンに行って良いのは。」
「チョコレートファウンテン…ルーピン教授が喜びそうですねぇ…」
「奴はアレに頭から突っ込んでいくだろうな。」
「あははは。あっ!自分で食べれます!」
次はお寿司が目の前に差し出されたから、私はぱっと手を離してそれを受け取った。
「このお寿司は美味しいけど邪道です。」
「…日本の寿司はどのようなものだ?」
「いろいろありますが…」
よかった。
スネイプ教授、少し元気になったみたい。
私は胸を撫で下ろした。
教授にはいつも幸せでいてもらいたい。
私がこの人を守ってあげたい。
その為に、もっともっと強くならなきゃ。