教授
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うーん…名物のショートケーキと爽やかなレモンケーキ…どちらにするべきか…。
「かしこまりました。」
店員さんの声がして顔を上げたら、教授の怒った顔があった。
遅すぎて注文されてしまった…
怖いので、メニューを元に戻して窓の外を見る。
温室で思う存分泣いたら、自分の気持ちに整理がついたようでいつもと変わらず教授に接していられる。
両思いは難しいけれど、こっそり片思いするのは許して欲しい。
ダンブルドア校長先生には感謝しなきゃ。
デート気分を味わえるんだもん。
教授は人混みに疲れたのか椅子にもたれて目を閉じている。
無防備な顔が珍しくて、目を閉じているのをいいことにじっと見つめる。
言葉は無くても同じ空間にいられるだけで幸せ。
ルーピン教授やシリウスといるときは賑やかで楽しいけれど、何を話そうかといっぱいいっぱいになってしまう。
教授の目を閉じた顔が可愛くて、私は微笑んだ。
「お待たせしました。」
教授がパッと目を開けたから、慌てて視線を逸らす。
机には私が迷っていたショートケーキとレモンケーキが置かれる。
「迷ってたの知ってました?!」
どちらも美味しそう!
スネイプ教授は何も答えず、早よ食えと目で合図した。
「美味しい!」
たくさん歩いて疲れた体に甘いケーキが染み渡る。ああ…幸せ!!
「見ているだけで胸焼けがする。」
「レモンケーキはどうですか?爽やかで美味しいですよ?」
スポンジの中に小さく砕いたレモンのゼリーが入っていて、口に入れると爽やかな味がひろがる。
フォークで一口すくって教授の口に持っていった。
「はい、どうぞ。」
「……」
「食べてみてください。ほら。」
2・3秒静止していた教授が私のフォークからケーキを口に入れた。
口をもぐもぐさせながら、ジッと私を見る。
どんな反応が返ってくるんだろう。
ワクワクしてたら、ショートケーキの一番大きなイチゴをさっとスプーンですくって自分の口に入れた。
イチゴも無言で咀嚼している。
教授が悪戯した!!
表情はそのまま、ふざける教授が可愛らしくて私は吹き出した。
「わははは。いいですよ、お好きな所を食べてください。」
こんな子供っぽいこともするんだ。
二人で食べられるように私はお皿を真ん中にする。
また教授はスプーンでショートケーキをすくった。
「もう十分だ」
そう言いながら、私の口元にスプーンを持ってきた。
何も考えず他人に進めることはあっても、されるのは初めてで私は赤面した。
…どうしよう…シリウスにもやってしまった…こんな恥ずかしいこと…
手が疲れたというように、ズイっとケーキが寄ってきて、慌ててパクっと口に入れた。
「……」
教授が優しい眼差しで私を見る。
胸がキュンとして、ケーキの味なんてわからなかった。