教授
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「教授の体温で充電満タン、パワーも爆発したんじゃないですか?」
「っ!!…」
紅茶で火傷しそうになって、スネイプはナフキンを口に当てた。
公衆の面前でよくも!誰かに聞かれたら確実に誤解を招く。
「あの夜、温めてくれましたよね?教授の体温で…」
まだ言うか?!とスネイプはナフキンを名無しの頭に被せた。
ふたつ飛ばした席から、マクゴナガルが「まぁ!!!」というしかめっ面をしてスネイプを睨む。
名無しはナフキンには全く動じず、バナナパウンドケーキを嬉しそうに口に入れた。
「先に失礼する。」
「もう終わりますから、待ってください!!」
もぐもぐと口を動かしながら、名無しはアイスティーを飲んだ。
スネイプは席を立ち歩き出した。
あれからまた名無しとは元の関係(?)に戻り、ルーピンも防衛術の授業に復帰した。
名無しがまた自分の薬学の授業を優先して助手に入ってくれるのは何とも気分がいい。
薬学の授業は用意も片付けも大変だからな…と自分に言い聞かすも、ルーピンを断って自分の所に名無しがやって来た時はニヤリとしてしまう。
実は最近、温室に百合を見に行った時、いままでずっと感じていたやりきれない気持ちが少しだけ薄らいでいるような気がして不思議に思う自分がいた。
真っ白いオリエンタルリリーを見つめていると、いつも心が癒された。
それと同時に切なく苦しい気持ちも湧き上がり、胸をチクリと刺していく。
他の花に目が行くことは無かった。それなのに…
その日初めて桜の木に気がついた。
百合のもっと奥、温室の一番端に桜の木が一本生えていたのだ。
まだ大木ではない小さな桜だが、桃色の愛らしい花を咲かせて佇んでいた。
スネイプは優雅な百合と儚い桜を見つめ、どちらも美しいと思った。