教授
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大人気ない行動をしてしまった…。
スネイプは廊下を歩きながら、我ながらなんて意地が悪いんだろうと思う。
正直な所、土曜日にルーピンと名無しが二人で外出し、重ねてブラックも合流して楽しい時間を過ごしたらしいことを根に持っていたのだ。
さらに言うと、いつも全く飾り気の無い名無しが美しく着飾っていたのも火に油を注いだ。
気をつけろと言ったのは間違いではない。
今日の授業で人狼を選んだのには理由がある。
名無しはルーピンに関わらない方がいい。
これは自分からの警告だ。
顔を真っ青にして怖がる名無しの顔を思い出す。
加虐心をくすぐられるあの表情。
やり過ぎだとは思うが、また見てみたい気持ちが湧き上がる。
何とも可愛らしくて妙な気持ちになる。
もっと名無しを泣かせてみたい…と思った所で、何を考えているのかとその思いを消し去った。
Dearシリウス
お元気ですか?
土曜日はありがとうございました。
ルーピン教授は体調不良で授業を欠席しています。
早く元気になると良いけれど…
この前のお礼に遊びに行きましょう。
見たい映画があるの。
ホラー映画は好き?
丁度チケットが二枚あるの。
スプラッターよ。
お返事待ってます。
From名無し
フクロウ小屋からシリウスに手紙を飛ばした。
本当はスネイプ教授を誘ってみようと思っていたホラー映画のチケット。
今朝の教授の意地悪を思い出し、私はシリウスに手紙を書いた。
次の日、フクロウ達が一斉に大広間に飛んできて次々と手紙を落として行く。
私のお皿の上に綺麗な封筒がポトリと落ちる。
こんな綺麗な手紙をもらうのは初めてで、びっくりして封を開けると、柑橘系とバニラのいい香りがする。
Dear名無し
手紙ありがとう!
リーマスはすぐに良くなるさ。
君がスプラッター好きだとは!
気が合いそうだ!
もちろん俺はホラー映画が苦手さ。
君に抱きつけるから丁度いい。
今月最後の週の日曜日、迎えに行く。
From U・x・U
Fromの後に犬の顔が書いてある。
何これ!可愛い!
私はその可愛さに声を出して笑った。
寝る前に玉を遊ばせようと私は部屋を出た。
窓から見た満月がとても美しい。
暴れ柳の見える広い原っぱに座って、シャツの胸元を開けると玉がふわりと飛び出し嬉しそうに空中を舞った。
「あんまり遠くに行かないでね!」
玉に声をかけると私は芝生の上にゴロンと寝転んだ。
白い息がふわっと空中に上がって消える。
雲がなく、満月が輝いている。
シリウスの手紙のワンコマーク、可愛かったな…
スネイプ教授、やっぱり土曜日のこと怒ってたのかな…それにしても今朝の態度は酷い…
Mrウィーズリーの罰則は何だったんだろう。これが終わったら、校舎内を散歩しながらMrウィーズリーを探してこっそり手伝ってあげよう…
そんな事を色々考えてたら、物凄い勢いで玉が空から下りて来て、寝そべる私にしがみついた。
顔面に玉のお腹がのしかかって前が見えない。
「玉、ちょっとどいて…」
体を触ると、ブルブル小刻みに震えている。
私が慌てて起き上がると、玉も体をずるりと動かし私の背中に回った。
肩越しに顔だけ出して、背中にぴったり尻尾を貼り付ける。
耳は顔の両側にぺたんと張り付いて、紫の瞳で暴れ柳のある暗闇を凝視している。
『気をつける事だな…』
急に今朝のスネイプ教授の言葉を思い出してゾッとした。
私も静止したまま、玉と一緒に暗闇を見つめる。
人の動く気配がする。
目を凝らすと、見慣れたジャケットが禁じられた森の方に走って行く。
ルーピン教授のジャケット!!
体調不良で休んでいるはずのルーピン教授がこんな時間に暗闇の中、明かりもつけずにいるなんておかしい!
考える前に私の足は動き出していた。
玉が背中でブルブル震えているのもかまわずに。