教授
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ああ…気まずかった。
まさかスネイプ教授がいるなんて。
ルーピン教授と出かけると知ったら、きっと良い気はしないだろう…。
「セブルス、びっくりしてたね。」
街を歩きながら、突然ルーピン教授がスネイプ教授の事を口にしたのでドキリとした。
「ああ、私のこの格好を呆れた目で見てましたよね。」
「見惚れてように思えたけれど…違うかな。」
ルーピン教授にそう言われて、私は赤面した。
「私は少なくとも見惚れたよ。」
優しい笑顔でルーピン教授が私を見る。
恥ずかしくて私はすぐに顔を逸らした。
「お店はどこですか?!」
話題を変えたくて、わざと大きな声で質問した。
ルーピン教授が笑いならが、そこだよと指差した店を見て私は目を丸くした。
「素敵!!!凄い!!!」
ルーピン教授が連れてきてくれた店の入り口には大きな人形のロブスターが爪をカチカチさせている。
シルバーとブルーのストライプの壁に、大きな水槽がはめ込まれていて、立派なロブスターがたくさん泳いでいた。
店内も人が溢れて活気が凄い。
見ているだけでワクワクしてくる。
そうだ!今日は私、ロブスターを食べに来たんだった!!!
お店を見たら急に元気が出た。
たくさん食べた後、チョコレートパフェも食べるんだった!!!
「さぁ、行こう。」
ルーピン教授にエスコートされて私は店内に入った。
友人を見つけたらしく、笑いながら手を挙げる。
奥の席に背の高い男性がいて、同じく手を挙げていた。
よう!!久しぶり!!と二人が私の前で熱い抱擁を交わした。
男の友情だ。
「シリウス、今日は美女を連れてきたよ。
ホグワーツの助手先生の名無しだよ。
名無し、僕の親友の一人。シリウス・ブラックだよ。」
はじめまして…とおじきした後、相手の姿をはっきり見た私はびっくりした。
絵本の中の王子様みたい!
背がすらりと高く、手足の長い洗練された男性がそこにいた。
綺麗な瞳に鼻筋の通った高い鼻、キリッとした男らしい眉毛。
柔らかくツヤツヤとしてウェーブのかかった肩までの長髪。
美しい男性は兄と幼馴染で慣れている私でさえ、トキメいてしまった。
「名無しです。
今日は突然お邪魔してすいません…」
ブラックさんは私を頭からつま先まで見下ろすと、美しい顔から想像できないほど人懐こい少年の笑顔で私を抱きしめた。
「可愛いじゃないか!リーマス!この子が名無しか!」
ブラックさんから柑橘系と甘いバニラの混ざった香りがして、私は胸の中で固まった。
ギュっと抱きしめたまま、体を左右にフリフリするので、私の体もその動きに合わせて揺れる。
「シリウス、名無しが苦しそうだよ。」
ルーピン教授の一声で、やっと私は解放された。
「すまん!君が俺の想像以上だったもので。つい。」
そういうと、私を見て小さくウインクする。
「俺のことはシリウスでいい。
名無しでいいな?ん?」
「…はい。」
私はその勢いとテンションについていけず、ポカンと突っ立っていた。
「名無し、これも食べろ。」
「はい。ローストビーフもね。」
男性二人が私のお皿に次々ご馳走を入れてくれる。
私は目移りしながら、念願のロブスターを味わう。
「美味しいです!」
さっきまでの緊張も忘れ、その美味しさにうっとりしてしまう。
なんて美味しいんだろう…スネイプ教授にも食べさせてあげたい。
ルーピン教授とシリウスは近状を話し合って、楽しそうにおしゃべりしている。
私はその姿を見ながら口を動かす。
美しい男性二人を見ながら美味しい食事ができるなんて幸せだ。
「名無し、職場はどうだ?」
シリウスが私に質問する。
見た目とは裏腹に、彼はとても話上手で、ジョークも面白く楽しい。
気取ったところが無い、少年のような人で私はシリウスが人として好きになった。
「とても楽しいです。」
「リーマスはちゃんと先生やってるか?」
おいおい…とルーピン教授が苦笑いする。
「とっても優しくて、教え方も丁寧なので生徒達から慕われています。」
私は普段私がルーピン教授に感じていることを口にした。
「そうか!!」
シリウスは自分のことのように喜んでいる。
本当にこの二人は仲良しみたい。
「名無しこそとっても優秀な助手だよ。
全ての授業を手伝うなんて大変なことを毎日やってるんだから。」
その話を聞いたシリウスが思い出したように私に質問した。
「かの有名な険悪教師、スネイプ教授の授業も手伝うのか?」
私はローストビーフを口に入れたまま、目を丸くした。
ルーピン教授とスネイプ教授はあまり仲がよくない=シリウスとスネイプ教授も仲が悪いのか!
「名無しはセブルスとうまくやってるよ。」
私のかわりにルーピン教授が答える。
ハッ!とシリウスが笑う。
どう答えるのが正解なのか分からず、私はただ苦笑いした。
「アイツがホグワーツの教師になるなんて!!ダンブルドアがよく許したものだ!!」
シリウスは苦々しい顔でグビッとビールを飲んだ。
「セブルスももう大人だ。」
ルーピン教授が私をチラリと見ながら、シリウスを諌める。
学生時代スネイプ教授はいったい何をやらかしたんだろうか…
「名無し、スニベルスに何かされたら俺に言え。フクロウ便で苦情の手紙を大量に送りつけてやる。」
「スニベルス…?」
「奴のあだ名さ。なきみそスニベルス!」
スネイプ教授がなきみそ??
私の頭に?マークがたくさん浮かんだ所に、特大のチョコレートパフェがやってきた。
「その話はやめにして、さぁ、名無し、食べて!」
ルーピン教授が私にスプーンを渡して、流されるまま大好物の生クリームをすくう。
パクッと口に入れたら、あまりの美味しさにため息が出た。
さすが、甘党のルーピン教授が絶品というだけある。
「〜〜・・・・!!!!幸せですっ」
そんな私を見て、シリウスが楽しそうに笑う。
「本当に美味しいので食べてください!ほら!」
私はナッツとチョコアイスと生クリームのスペシャルな箇所をすくうとシリウスの口にスプーンを持っていった。
早くこの美味しさを知って欲しくて顔がにやけてしまう。
「ほら、溶けちゃう!早く食べて!」
パクッとシリウスがスプーンを口に入れて、目を閉じ口をムグムグさせている。
「うまっ!!!」
ほらねと私は笑う。
「はい。僕のも食べて。」
スプーンに大盛りアイスを乗せて、ルーピン教授がシリウスの口にそれを突っ込んだ。
普段あまりふざけないルーピン教授がはしゃいでいるのも、髭にアイスクリームをつけて冷たさに悶絶しているシリウスも可愛い。
可愛いおじさん二人が可愛い。
私は声を出して笑った。
「ご馳走さまでした。」
私は二人に頭をさげた。
「シリウス、ご馳走さま!」
「とっても楽しかったです。ありがとうございました。」
シリウスは私とルーピン教授に軽くウインクする。
「名無し、今日のお礼は次回二人きりのデートでいいぞ。俺はいつでも暇だからな。」
「私がお誘いしても、シリウスはステキな女性とのデートで忙しいんじゃないですか?」
こんな素敵な男性を世の女性達が放っておくわけない。
「本当にシリウスは暇だから、良かったら誘ってやって欲しい。」
ルーピン教授も援護射撃してくる。
いい男すぎて近寄りがたいんだろうか?
「わかりました。次は私が企画して誘います。」
「絶対だそ?」
約束ですと私は小指を出した。
シリウスとルーピン教授が不思議そうな顔をする。
私はシリウスの手をとって、自分の小指と彼の小指を絡めた。
指切り拳万 嘘ついたら 針千本飲ます 指切った
私はいつもの歌を歌って、パッと指を離しシリウスを見た。
シリウスは照れたような顔をして私から視線を外した。
ルーピン教授はいつもの優しい笑顔でニコニコしていた。
ホグワーツが見えて、私は何故かホッとした。
たまの外出もすごく楽しいけれど、やっぱりここが好き。
「ルーピン教授、今日はありがとうございました。」
「こちらこそ。
セブルスの所に寄って行くから君は先に休みなさい。」
「…はい。おやすみなさい。」
私もスネイプ教授に会いたいけれど、今日は大人しく自分の部屋に戻ることにした。
明日は日曜日だ。
朝はゆっくり眠ろう…そんなことを考えながら。