第六章 救済の標べ






彼は今でも私を憎んでいるだろう。



大切な友を殺した私を怨んでいるだろう。



けれど、彼は私を殺さなかった。





___何故?




彼は答えない。

彼は教えてくれない。




だから、私はその答えを知らない。



………否。


知らないのは、解らないのは、


今も尚、私が“何か”の正体を手にしていないからなのだろう。




故に私は問う、



〝 “何か” 〟とは、何なりや?






それを知る事が出来た、その時には_____。




屹度


屹度






_____屹度、














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