このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

戦闘訓練の日々。

 「ユリ、君は何の武器を使いたいんだ?銃やナイフ、剣等沢山種類があるが。」
「銃を使って戦いたいんです。その中でもベックと同じ長銃を使って見たくて。」
レイリーさんはその言葉を聞いて暫く固まって何かを考えだし、私に真剣な表情でこう告げた。
「君の・・・ユリの彼氏である副船長が銃を使っているからという理由だろうがそんな生半可な気持ちで銃を持ちたいというのであれば、私は別の武器を使う事を強く進める。」
「生半可な気持ちで私が長銃を使いたいなんて言うと思いますか?私はベックと一緒に添い遂げ何があっても離れないって決めているからこそ、長銃で戦いたいってベックと再会したあの日から心に決めていました。冥王レイリーさんだとしても子の意見とこの意思は・・・絶対に曲げません!!」
しばらく沈黙が訓練場の空気の中を漂った。
「あっ、すみません!冥王レイリーさんに強気でしかも初対面なのに失礼な態度を!」
「君は強い心の持ち主・・・そして決意はもう固いみたいだね。良いだろう、長銃使いになる為の訓練を私から施してやるからしっかり着いてくるんだぞ?」
「よろしくお願いします!」

 レイリーさんに稽古を付けて貰っている間、私の様子を見ながらシャンクさんとベックはこんな会話をしていた。
「ベック、ユリの奴凄い度胸のあるだよな。あのレイリーさんに勢いで黙らせてしまった上に、自分自身の決意まで固い事を示せるんだからな。」
「あぁ。俺もまさかとは思っていた。あの雲隠れしていたレイリーがユリの為に指導をしてくれる事もそうだが、冥王に意見出来る所も俺は驚いたな。」
「どうするよ、ベック。もしこの訓練のおかげでベックを越える長銃使いになって、赤髪海賊団の副船長をも越えて強いガンマンみたいになったら。」
「その時は俺も祝福するし俺もその時はもっと腕を磨くだろうな。」

 数時間が経過した頃には私は長銃の構え方に慣れ、狙撃訓練の1歩手前まで出来る様になった。次は狙撃の訓練かなと思った時ベックが声を掛けてきた。
「長銃の狙撃の事は俺に任せてくれないか?いくら冥王レイリーでもこれ以上俺の女に近付くのは、流石の俺でも我慢が出来ない。」
「おぉ彼氏さんが嫉妬するとは。じゃぁここで一回交代だな。」
レイリーさんは一回私から離れるとシャンクスさんの元へと戻っていった。
「ユリ、大丈夫か?疲れとかは出ていないか?」
「大丈夫だよ。私だってこんな所で疲れてしまう様な弱い女性では無いから(⌒∇⌒)」
「そうか。じゃぁ狙撃を教えてやる。俺の指導はそこそこ厳しいから覚悟しておけよ?」
「お手柔らかにお願いします(⌒∇⌒)」

 一方その頃シャンクスさんとレイリーさんは・・・。
「ベックがレイリーさんに嫉妬を露にするとは思わなかったな( ̄▽ ̄;)」
「元々彼は嫉妬深い方なのかい?」
「俺や仲間達には今まで嫉妬した所は目撃した事があるくらいで、他の人に嫉妬している所はレイリーさんが初めてだよ( ̄▽ ̄;)」
「それにしても彼女はもしかしたら素質があるかもしれない。構え方や持ち方を指導してた時、元々の彼女自身の理解力や習得するまでの時間が早いんだ。これは未来の銃使いになるかもしれないと言っても過言では無いかもな。」
「さっきその事について少しだけベックに話したんだが、その時は祝福するしベック自身も腕を磨くって言ってたな。」
「今後の彼女の成長が私も少し楽しみだよ。」

 夕方になり日も暮れようとしている時刻までベックの指導は続き、シャンクスさんが声を掛けた事で今日の所は終了という事になった。
「さて私はそろそろお暇する事にするよ。」
「えっ、せっかくこうしてレイリーさんにお会い出来たのにもうお帰りになるんですか?」
「君の彼氏さんが嫉妬してしまうだろうし、私よりも彼の方が銃の腕前は上だろうからね。もしもまたこうして会える機会があった時は、その時はぜひお手合わせをお願いしたい。」
そう言って私の手を取って手の甲にキスを落とすと、レイリーさんは振り返る事無くその場を後にしてしまった。この後ベックが言うまでも無く嫉妬したのは直ぐの事だった。

 何はともあれ私達はレイリーさんが手配してくれたという宿に泊まる事になり、今日の疲れを癒す事になった。勿論その後はシャンクスさんと部屋を分かれる事になり、私はベックと二人きりに。お風呂もお互いに済ませ、私達はベッドの上に居た。
「今日はお疲れさんだな、ユリ。また明日も訓練が待っているがくれぐれも無理だけはするなよ?」
「ありがとう。ベックも私に今日は沢山教えてくれて嬉しかったし、レイリーさんに嫉妬している所も見れて少し笑っちゃった。」
「何かおかしい所でもあったか?」
「少しだけかわいいなって思ったのよ。そんな事より明日も早いんだから今日はもう寝よう?」
「ユリから誘うなんて珍しい事もあるもんだな。」
「えっ、違う、そういう意味じゃ!」
その後熱い夜を過ごしたのは二人だけの秘密である。
2/2ページ
スキ