オマケ
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この小説の夢小説設定・男性夢主
デフォルト名「望月光瑠(もちづきみつる)」
切原赤也と同い年
テニス初心者
ふざけるが根は真面目
しっかり者
ポジティブ
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「赤也!見て、中庭に真田先輩だ!」
「げ。本当だ」
「いつ見てもかっこいいなぁ」
「はいはい。また始まったよ光瑠の真田先輩リスペクトー」
「こっち見ないかなぁ」
「恋する乙女かよ。勘弁してくれ」
赤也が窓から離れてため息をつく。真田先輩が見えなくなるまで目が離せなかった。テニスだけでなく、普段から背筋も伸びていて堂々とした佇まいもかっこよかった。
これが恋ならもっと苦くも甘い想いに浸るだけだったのかもしれない。残念ながら真田先輩は俺の憧れだから近づくために良いところを吸収して、真田先輩に認めてもらうことが目標だ。それに、俺は男子よりも女子の方が好きだし、恋愛よりも今は部活で手いっぱいなので俺のファンには申し訳ないとは思っている。ファンがいるのか知らないけど。
「お、光瑠。今テニス部のグループで明日の休みに道具を買いに行く話が上がってるけど、お前も行くだろ?先輩達に初心者でも扱いやすいやつを見繕ってもらえるし」
「んー行く……え?待って何?」
「はぁ?だからラケットとか買いに行くだろ?」
「そこじゃなくて……先輩も来るの?」
「はいはい。真田先輩もいるよ〜」
「そうか……赤也助けて」
ーーー
青い顔をした光瑠が放課後に相談したいと言うので、部活後にファミレスに来た。それまでにも何があったのか聞いても「真田先輩の耳に入れたくないから」と口を固くしていた。正直、面倒で関わりたくねぇと思っていたが飯をおごってくれるらしいので親友の悩みくらい聞いてやろう。……聞くだけかもしれないが。
ファミレスは学生で賑わっていたが、すぐに席を案内された。いつもなら財布と相談して我慢している、チーズをトッピングしたハンバーグを注文をした。
「で、どうしたんだよ」
「その前に今日の先輩方もカッコ良かった話しても良い?」
「はぁ?聞きたくねーよ」
「赤也ボールのカゴ倒して怒られたアレってわざと?」
「なわけねーだろ!あれは仁王先輩がー……」
部活での話や授業中に面白かった話なんかをしているとご飯も食べ終わり、満足していた。光瑠の相談は忘れてしまったのか?満足してしまったのか?光瑠がトイレに行ってる間に本題を聞いていない事を思い出していたが、このまま何事もなく帰りたいので忘れたフリをしようと決めた。
「お、トイレ遅かったな。大きい方か?」
「さて、赤也。俺は近くのコンビニでお金を下ろしてきて、君のご飯の会計も済ませた。逃げるなんてことは許されないよ?……さぁ!明日の私服が決まるまで買い物に付き合って貰おうじゃないか!」
「私服?……なんだそんな事かよ。ビビらせやがって!俺のセンスでバッチリ決めてやるよ」
「やったぁ!!心強い!頼りになる〜!!」
ーーー
早速、近くにあるアパレルショップに移動しする。道中で光瑠が神奈川に引っ越す前、つまり大阪にいる友達に電話をかけていた。
「もしもし?俺俺詐欺ちゃうで。望月やで。久しぶり!」
『おーどないしたん?急に電話なんか……』
「服買いたいねん」
『そうか。頑張れ。じゃーな』
「切るな切るな。意見を聞かせて欲しいだけだからさぁ〜こっちの友達も一緒やねん」
『え。友達かわいそう。頑張って。じゃっ』
「どういうこと?俺、何に巻き込まれるッスか?」
『お友達さん聞こえてるん?逃げるなら今のうちですよ?くそ面倒なんで』
「赤也、さっきは俺の奢り美味しかったよね?」
『……買収後だったか。ご武運を』
プッと虚しい電子音と共にお友達の声が帰ってくることはなかった。光瑠と顔を合わせると、にっこり笑っているが、俺には悪魔の微笑みに見えていた。え?ただ服を選ぶだけだよな?
ーーー
「なぁ赤也!これ良くない!?上がおにぎりのTシャツで、下が鮭の切身。合わせることで鮭のおにぎりや!どう!?」
「……お前、その格好で真田先輩と歩けるのかよ」
「無理に決まってんだろ!ちゃんとしろよ赤也!飯食ったろ!」
「もうマネキンのコーデにしろよ。その服のお前とは関わりたくねーよ」
「そこまでいうなよ。嫌がっても追いかけるからな!」
「ほら、これで試着してこい」
カゴにタンクトップとカットソー、スラックスパンツを入れて光瑠に渡して、試着室へ促す。マネキンがわざと下からタンクトップを出して差し色を加えているのがシンプルで奴に似合うと思った。こいつのペースに巻き込まれる前にさっさと終わらせたかった。
「赤也!お前すげーな。こんな派手なん初めてや!」
正直、タンクトップもカットソーもスラックスパンツにインして出てきて地味じゃないか?と言われると思っていた。そしたらわざとタンクトップを出して差し色にするんだって教えるくらいのことは想定していた。なんだよ光瑠の奴、わざとフザケていただけじゃねーか。
試着室のカーテンを開けると、カットソーの上から明るい色のタンクトップを着た光瑠が現れる。
「ぎゃははははは!ダッセー!!なんでそうなるんだよ!」
「なんでや!ふざけたんか!さっき写真撮って友達にも送ったやんか」
光瑠の電話が鳴る。さっきの友達のようだ。なるべく近づいて一緒に電話を聞く。
『あはははは!……めっちゃええやん!友達のセンス最高。もうそれで行けよ』
「ちょっ!違うッスよ!俺はタンクトップを下から出して差し色に……ぶっ……ふははははは!!」
「赤也、店の中で大声出すなよ。迷惑だぞ?」
「本当お願いだからその格好でまともなこと言うな……くっくっくっく」
『てか、本当俺たちと遊ぶ時もさ、それくらい気にかけろよな』
「え?なんで?普通の服やん」
『いや、普通の服やったら全身が信号機の色にはならへんわ。あ、でも前髪を斜めに分けてたのは珍しくよかったやん』
「前髪?あぁ。美容師の人が時々分け目を変えた方が生え際に優しいって言っとったから適当な日は分け目変えるようにしてんねん」
『おい、せっかく褒めてやったのに適当な日って言うなや』
ーーー
光瑠はどこからかダサい服を持ってくるわ、提案した服をまともに着れないわ、真剣な顔をした悪ふざけがずっと続いていた。頭が痛くなるくらい笑いながら2時間かけてフルコーディネートを一つ決めた。
赤也に選んでもらった服のおかげで問題なく真田先輩の隣を歩くことができた。赤也が俺を見るたびに笑うのは解せないが、他の人からしたら変なのは赤也の方なので無視した。あ、前髪については、真ん中分けは俺のアイデンティティーなのでいつも通りやで!また友達とだけの時に分け目を変えるわ。
ーーー
「なぁ赤也、また別日にも真田先輩と私服イベ発生したらその時は、また服選んでな?」
「ぜってー嫌だ」
コーディネートはこうでねぇと!(終)