噂の女バス先輩は……(完結)
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この小説の夢小説設定・女性夢主
デフォルト名「海野由美(うみのゆみ)」
真田弦一郎達と同い年
女子バスケ部
とても負けず嫌いでストイック
真面目
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海野由美先輩について2年の先輩から情報を集めたが、謎が深まるばかりで朝練中も真田先輩が目に入る度に思い出して、全然集中出来なかった。
結局海野先輩が1年の夏休み前に変な噂が立って鬼と恐れられていた。多くの生徒はすぐ夏休みに入ったので噂自体を覚えてないと思われる。しかし、無視されながらも毎日挨拶する真田先輩が異様だったため男子テニス部では「弱みを握られているのでは?」と恐れて噂を覚えている人もいる。
夏休みを明けたら真田先輩に挨拶を返す様になり、クラスとも馴染んでいる良い先輩……
「柳生先輩の推理がもし正しければ真田先輩と付き合ってて、真田先輩が裏で何かしたんじゃ無いっスか?」
本人に聞く勇気は無いが、真田先輩とよく一緒にいる、柳先輩と幸村先輩なら何か知っているかも。放課後にでもチラッと聞いてみるか!そう考えながら教室に向かおうすると後ろから柳先輩に声をかけられた。
「赤也」
「あ、『柳先輩、丁度良いところに』とお前は言う。どうした?朝練は集中出来てなかった様だったが」
「あの!柳先輩!俺、ずっと気になっている事があって……真田先輩って、あの海野先輩と付き合っているんスか!?」
「ほう。あの海野さんとね……どこから聞いた話か知らないが、今は授業が優先だ。昼休みに部室で話そう。良いか?」
「へ?あ、はいっス」
付き合ってるのかどうか、YESかNOで聞けたら十分なのに。柳先輩の表情から何も得ることは出来なかった。
ーーー
昼休みになって、やっとスッキリ出来るだろう。そう思った赤也は急いで部室へ向かった。
部室に入ると柳先輩が先に着いていて、1人で座っていた。
「お疲れ様っス柳先輩!真田先輩に彼女がいるのか、もうずっと気になって仕方なかったんスよ」
「ふっ。どこでそんな話になったのか教えてくれないか?」
「いや、実はー……」
ーーー
「ほう。弦一郎と親しげな女子生徒がいたと」
「そうなんスよ!あんな優しい真田先輩の顔を見たことなかったんで、もうビックリっス」
「そうか。弦一郎にも気をつける様に言っておこう。で、どうして赤也が海野さんの名前を知っているのか、どこまで知っているかを先に聞いておこうか」
「へ?」
柳先輩が何を考えているのかさっぱり分からなかったが、やはり何か嫌な予感がしてきた。
静かな部室に「コンコン」とノックと共に幸村先輩が入ってきた。これで空気が変わると胸を撫で下ろした。
「精市、遅かったな。丁度赤也からどこで聞いて、どこまで知ってるか教えてもらうところだ」
「遅れてごめんよ。先生に少し頼み事されてさ。赤也、俺にも海野さんの話聞かせてもらって良いかな?」
優しい雰囲気で話しているが状況は何も変わっていなかった。赤也は覚悟して、他の2年の先輩方から聞いた話を全て打ち明けた。
ーーー
「なるほど。では、特に1年生の中で噂になっている訳でなく、赤也自身が勝手に聞いたって事だな?」
「はいっス」
「それなら良かったよ。で、赤也が聞きたいのは真田に彼女がいるかどうかだよね?」
「そ……そうなんス!あんなに真田先輩と親しげなら付き合ってるんじゃ無いっスか!?」
「ふふ。残念。2人は付き合ってないよ。どちらも部活バカだからね。そんな暇はないんだと思うよ」
「もし赤也が海野さんと付き合いたいと言うなら、この柳蓮二のデータを持って協力しよう」
「冗談キツイっス。真田先輩と女の取り合いなんて絶対有り得ないっスよ」
「海野さん良い子だから気が変わったら柳に相談するといいよ」
「ゲー……幸村先輩まで。なんか、興味も無くなってきたんで教室に戻るっス。お疲れ様でしたー!」
「赤也、もうこれ以上噂を広げる様な事はしないで貰えるかな?」
「わかってるっス。もう終わった事ですし?真田先輩の彼女じゃなくても、探ったことが知られたら俺の首が危ないっス」
赤也はべーと舌を出しながら嫌そうな顔をする。
少し不安だが、わざわざ警告をしたことを掘り返す様な真似はしないだろう。しばらくは様子を見ておこう。
「じゃっ失礼します」
赤也が出て行って部室のドアが完全に閉まって一瞬静寂になる。
「こっそり真田にも話しておこうか?」
「あぁ。何かあってからでは遅いからな」
「それにしても去年の事なのに懐かしいね。もし、あの噂がまた広まっても彼女なら心配ないけどね」
「そうだな。良い気はしないがな」
昼休みが終わるまで精市と昔話に花を咲かせた。
(続く)