噂のサイドストーリー
夢主の名前変換
この小説の夢小説設定・女性夢主
デフォルト名「海野由美(うみのゆみ)」
真田弦一郎達と同い年
女子バスケ部
とても負けず嫌いでストイック
真面目
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全国大会が終わり、報告を兼ねて真田君と庭園で早朝蓮鑑賞会に行く事になった。幸村君と柳君も誘ってみたが予定があるとのことだった。残念。
朝、5時45分待ち合わせの場所に行くと真田君はすでに着いていた。
「おはよう真田君。お待たせ」
「おはよう海野さん。まだ約束の15分前だ」
「間に合って良かった。寝坊しちゃうんじゃないかとドキドキしちゃった」
「そうか。俺は毎日4時に起きて剣道の稽古をしているから、そういった心配をしたことがない」
「毎日朝4時!眠くないの?」
「夜は9時に寝ているから睡眠時間は十分だ」
「早寝早起きなんだね」
「早起きは三文の徳と言うからな」
「そうね。私も遠征とかで早起きした時の爽やかな空気は格別で好きだなぁ」
「あぁ。それにスッキリした頭で1日過ごせるからな。海野さんも早寝早起きしたらどうだ?」
「そうね。可能な限りやってみるよ。あ、受付始まったみたい。行こうか」
「うむ」
他にもお客さんもいるが数組いたが同い年くらいの人はいなかった。チケットを購入して庭園に入る。早速お目当ての蓮池の方へ進んだ。
ーーー
池には綺麗な蓮がたくさん咲いていた。朝の冷たい空気が心地良くて、深呼吸をした。
「ほう。立派だな」
「綺麗だね。そうだ!テニス部、全国大会優勝おめでとう!」
「あぁ、ありがとう。その……バスケ部は残念だったな」
「初戦から優勝校と当たっちゃった。私もベンチ選手だから試合にあまり出れなかったし来年はもっと試合に出たい。勝ち続けないと」
「俺たちも王者の誇りにかけて勝ち続けよう」
「なんか真田君と話していると体を動かしたくなっちゃうな」
「そうか。しかし、けじめをつけて休息をとるのも必要だ。」
「今日はしっかり休んで、明日から頑張ろう。……あ!見て、あそこの蓮にトンボが止まってる。写真撮ろう」
カメラを取り出して蓮池の写真を撮る。ふと真田君の方を見ると、優しい顔で景色を楽しんでいる横顔が絵になっていた。無意識でその顔を写真に収めた。それに気づいたのか真田君がこちらを向いた。
写真を撮ったことが恥ずかしくなって、隠すように慌てて話を振る。
「ね…ねぇ、幸村君と柳君にここの写真送らない?」
「そうだな。幸村は植物を育てるのも好きだから喜ぶだろう」
「そうだ!最近気づいたんだけど幸村君が同じ美化委員会だったの!そっか植物が好きなんだ。なおさら今日は一緒に来れなくて残念だな……」
「む。海野さんは美化委員会だったのか。植物が好きなのか?」
「うん好き。……と言っても、花の名前とか花言葉が詳しいわけではないけどね」
「俺もだ」
「柳君も自然とか好きそうなイメージがあるなぁ」
「蓮二は俳句も嗜んでいるから、植物や四季を重んじているだろう」
「へぇ!なんか想像できちゃうな」
「俺も写真を何枚か撮ってみたが、これはどうだろうか?」
真田君の写真を覗き込む。蓮池全体と空と左下に指が入った写真だった。
「指入ってるよ真田君。レンズに被らないようにしないと……でも良い写真だね。私と真田君の見る景色全然違うなぁ」
「お前の写真も見せてくれないか?」
私の写真はズームして蓮を画面いっぱいに収めたものや、水面上の写真ばかりだった。
「ほう。確かに海野さんの写真は花が力強く見えて良い写真だ」
「え?あ、ありがとう」
「向こうの橋の方にも行ってみよう」
「うん」
真田君の写真は単純に身長差もあるけれど、いつも高く遠くを見つめている真田君らしさが出ていて素敵だと思った。そして、私にはない視点だったので、真田君の様にもっと視界を広く、物事を見られるようになりたいと思った。
ーーー
「結構夢中になっちゃったね。お腹空いてきたな。朝ご飯に行かない?」
「そうだな。人も増えてきた。喫茶店も直に混み出すだろう。行くぞ」
喫茶店はすぐ座れたが、その後混み始めた。注文すると店員さんにお米を炊き直しているため、少し時間がかかると説明があった。
「すぐ座れてラッキーだったね。真田君の写真も何枚かちょうだいね」
「あぁ。海野さんの写真も送ってもらえないか?」
撮った写真から2枚厳選して、それぞれ幸村君と柳君に送信した。その後も写真を眺めながら話をしていた。
「あ、真田君。この写真私にちょうだい」
「これは指が入っているやつだぞ?取り直したこっちでは駄目か?」
「うん。こっちがいいんだ」
困った顔しながら真田君はさっきの写真を送ってくれた。真似して同じ構図の写真を自分で撮ったが、どうしても真田君の写真が良かった。良い写真だから欲しいのではなく、あの会話や最初の衝撃を感じられる空気を切り取った写真が欲しかったのだと思う。
真田君と写真を交換していると、幸村君から返信が来た。
『素敵な写真をありがとう。でも一番見たかった2人の写真はないのかな?』
「幸村君から返信来たけど、私達の楽しそうな写真が欲しかったみたい?」
「そうか。もう一度さっきの橋で写真を撮るか」
「うん。あっ柳君からも返信きたよ」
『おはよう。楽しんでいるか?俺もそこの庭園に行ったことがあるが、写真スポットにはカメラスタンドもあったな。他にも良い写真が撮れたら、ぜひ送ってくれ』
「……だって。カメラスタンドからの写真がおすすめポイントなんだろうね」
「ほう。ぜひ見つけたいな」
「お待たせしました。朝粥セットでございます」
「わー美味しそう!お粥はシンプルだけど付け合わせが豪華だね」
「たまらん朝食だ。いただこうではないか」
ーーー
「ふぅ。美味しかった。ごちそうさまでした」
「ごちそうさま。美味かったな」
「朝はしっかり食べないとね」
「朝しっかり食べて、昼は体に良いもの、夜は少しだけと言うからな。朝はエネルギー不足だから特に食事が重要だ」
「そうなの!?朝はしっかり食べてるけど……夜もしっかり食べちゃってるな」
「食事は自分で管理しないとはたるんどるな」
「た……たるむほど太ってないわよ」
「い……いや、そうじゃなくて」
「でも急に夜ご飯減らすのもな……あ、後ろのお客さんにも悪いから、そろそろ行こうか」
順路に沿って庭園を一緒に散歩していると、滝の音が聞こえて来た。小さな滝の向かいには、柳君が言っていたカメラスタンドが設置されていた。そのスタンドを使って夫婦が写真を撮っていた。
「真田君。これじゃないかな?柳君の言ってた写真スポット」
「ほう。確かに滝が風流で素晴らしい景色だ」
「ここで写真を撮って2人に送ろうか!」
先着の夫婦が撮り終わった後に軽く会釈して写真を撮る。
「この滝、下から取った方が臨場感が出て好きだなぁ」
「俺はこの石苔がたまらんな」
その後も景色のことや、部活のこと、プライベートのことを話しながら庭園を楽しんだ。
「結構長く楽しんだね。2時間半も遊んじゃったよ。それでも8時30分なんだけどね」
「あぁ。見応えのある庭園だったな。また季節を変えて来ても楽しめそうだな」
「今度は4人で来れると良いね」
「そうだな。……この後どうするか。海野さんはまだ時間大丈夫か?」
「うん。どこか行きたいところでもある?」
「あぁ。近くでうさいぬの期間限定のショップがあってだな」
「うさいぬ?あ!あのキャラクターか。真田君好きなの?」
「あぁ。たまらん可愛さだ」
「それは行かないとね。場所はどの辺かな?」
ーーー
期間限定ショップとあって簡易的な部屋ではあったが、中はうさいぬで溢れていた。正直うさいぬってキャラクターは知っていたが、そこまで興味はなかった。しかし、真田君の楽しそうな姿を見て私もうさいぬの事を好きになってしまった。
「真田君。見て見て!ここの棚は限定品らしいよ」
「なに!……ほう。確かに帽子を被ったうさいぬは見たことがない」
「黒キャップって真田君とお揃いだね。これ私も買っちゃおうかな?」
普段は買わないキーホルダーを買って、部活用のカバンにお守り代わりでつける事にした。
買い物を楽しみ、その後カフェでお茶を飲んで解散した。それでも時間はまだお昼だった。
「朝6時からだったとは言え、すごく充実した半日だったなぁ。……あ!幸村君と柳君にあの写真送るの忘れてた!」
帰りの電車に乗りながら写真を選び、文章を考えた。真田君にも今日のお礼と一緒に撮った写真を送った。
もうすぐ夏休みが終わる
ーーー
朝6時30分に2通のメールが来た。弦一郎と海野さんからだった。今日は2人が庭園に行くと聞いていた。俺と精市も一緒にどうかと誘われたが、精市の計らいで断った。……おそらく気を使われたのだろうと推測しながらメールを開く。
弦一郎からは蓮池と空と木々が1枚に収められた写真が別の角度で2枚添付されていた。
「おはよう。真田だ。俺が撮った写真はどうだ?天気にも恵まれて清々しい朝だ」
海野さんからはトンボが乗った蓮の花が大きく写された写真と、真上から撮った蓮池の写真が添付されていた。
「おはよう柳君。蓮の花が綺麗だったのでお裾分けします。次回は4人で遊びに行こうね」
海野さんから送られてきた真上から撮った写真は、おそらく橋の上から撮ったと思われる。よく見ると池には2人の影が写っていた。
写真を見ていると、また一通のメールが届く。精市からだった。
『おはよう柳。真田達から写真送られてきたんでけど楽しんでる様で良かったよ。でも風景の写真で面白くないんだよね。せっかくだからデートの写真が欲しいと思わない?』
きっと精市にも同じ写真が送られてきたのだろう。そして、精市は風景よりもツーショットの写真を求めている。
「あまり面白がっても期待できないが、素直に2人の写真が見たいと海野さんに送ってみたら良いんじゃないか?」
そして俺からはカメラスタンドの情報を送ろう。弦一郎だけならカメラスタンドと言っても察しつかないだろうが、海野さんならまだ可能性が高い。一緒に撮影できる場所があると分かればツーショットを撮るハードルも下がるだろう。
海野さんから、これから行って後で写真を送ると返信が来たので、楽しみに待つとしよう。
ーーー
お昼時に海野さんから連絡が来た。
『すっかり楽しんじゃって、写真が遅くなりました。見どころがたくさんあって、さすが撮影スポットだったよ!きっと秋も綺麗なんだろうな」
添付された写真は滝と弦一郎の写真と、石苔と海野さんの写真だった。まさかそれぞれの写真が送られてくるとは予想外だった。海野由美か……面白いデータが取れそうな人物だな。
さて、そろそろ精市から『ちょっと柳!想定外の写真なんだけど』と連絡がくるだろう。ふむ。テスト終わりに4人で遊びに行く提案して海野さんのデータを取らせてもらおうか。
会話のシュミレーションをしていると幸村からのメールを受信した。
庭園デート(完)