囚われた親友に

 俺達は遊びに行く予定を立てた。初めて俺から誘った。ただ英二と盛り上がりたくて、食事会でもしようかと考えている。待ち合わせ場所を決めて合流する予定だ。
 俺は心が浮き足立っていた。受験に合格し、しかも英二とまた一緒に通えるのだと。一緒の大学に行くことを諦めていたから尚更だ。東大に合格しただけでは、きっとこんなに喜びはしなかった。大学は通過点でしかない、ただ、そんな風につまらない解釈をしていたに違いない。
 俺を変えてくれたのは英二だ。英二といることで、俺は変われた。これからも変わっていける。まだ関係が続く限り……。

『時間か……』

 支度を済ませ、戸締まりをしてから出掛けた。アイツは目立つから来ればすぐ分かるだろう。待ち合わせ時間まで余裕がある。俺は楽しみで仕方がなかった。

 キキィーーーーーッ!!!

 遠くで耳障りな車のブレーキ音が聞こえた。タイヤの磨り減る音。何かがぶつかった音。

 ドクン………ドクン………

 胸騒ぎがした。胸が痛むくらい心臓が速く鼓動している。俺は夢中で駆けていた。待ち合わせ場所へ。

『はぁ、はぁ、はぁ……っ、は……ぁ………―――ーー』
『~~~~ッ!?キャーーッ!!!』
『救急車だ!救急車呼んで!!』
『意識は!?』
『ちち、血がっ、血が出てる!!止血しなきゃ!!』






























――――なんだ、コレは。
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