『共犯者』
「……どうしたの、早く」
イソップは呆然と立ち尽くす私を尻目にトランクを開け、死体を運び出そうとしていた。
「イ、イソップ、その……」
「もしかして疲れた? でも、もうすぐで終わるので……」
「そうじゃなくて! ……その、どうして」
私は彼に何を聞こうとしているのだろう。
喉の奥が締め付けられる様な感覚でうまく息が出来ない。イソップは私の手をそっと取り、優しく握る。
「大丈夫。……絶対に、大丈夫」
呼吸が乱れる私を落ち着かせる様に優しく、穏やかな声で彼は私の言葉を制する。
「ほら、ジェイが待っていますから」
ああ、そうだ。彼の叔父を……イソップの育ての親である彼を待たせている。
──あの人も、これを、この穴を知っているのか?
死体を埋めることを予見していたかのように掘られた、深い深い穴。どれほどの時間をかけて掘られた穴なのだろう。
……イソップに無言で促され、私は死体の足を掴んで担架に乗せる。
いち、に、さんの合図で死体は神に祈りを捧げるように腕を組んだまま、再び私の前に現れた。