メフィスト
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ゆったりと時の流れる、休日の午後。
私はアニメ雑誌を、なまえは絵本を読んで過ごしていた。
部屋には互いがページを捲る音だけだったが、暫くして、うーんと唸り声が聞こえてくる。
「めっふぃーさんめっふぃーさん」
「はい、何ですか?」
「おかしのおうちって、ほんとに住めるのかなぁ?」
「夢のある現実的な話ですねえ」
「だってね、クッキーは雨でふやけちゃうし、チョコは太陽でとけちゃうとおもうの」
「確かに、外気に晒すには向きませんね」
「ありさんやどうぶつさんも食べにきちゃうし、たいへんだよ!」
「ふむ。でしたら、室内なら全ての問題が解決しますよ」
「へやの中におうち?…へんなの」
「まあそう言わずに。アインス・ツヴァイ・ドライ!」
「わー、すごい!きれーい!」
一瞬にして現れた「おかしのおうち」。
屋根や壁、細かな装飾まで、全てなまえがお気に入りの物で作られている。
「わぁあ…。すっごく、おいしそう…」
住めるかどうかの話をしていたのに、いざ目の前にすると、食べる事に意識を持っていかれたようで。
やはり子供、そういった所が愛らしい。
「食べても良いですよ?」
「んーん。これは見るだけのぶん!だからあとふたつ、いるよね?」
「保存用、観賞用、実用用ですか」
「めっふぃーさん、いつもそうしてる!」
「ええ。OTAKUとしての基本ですから」
私が彼女を見ているように、彼女もまた、私をよく見ている。
そう、それで良い。
「では実用用を。アインス・ツヴァイ・ドライ!」
「やったぁ!いただきまーす!」
「どうぞ召し上がれ」
「ん?めっふぃーさんも、食べるんだよ!」
「おや、良いんですか?」
「めっふぃーさんがいっしょじゃないと、いみないでしょ?」
「…でしたら遠慮なく。紅茶も用意しましょう」
「わたしはりんごジュース!」
「はいはい、ちゃんと分かっていますよ」
部屋の中に、3つ並んだお菓子の家。
広がる香りは、息が詰まりそうな程だ。
(この甘さは、いつまで続きますかねぇ)
お菓子の甘さと、子供の甘さと。
永遠なんて望まない。
終わってからが、また始まりなのだから。
私はアニメ雑誌を、なまえは絵本を読んで過ごしていた。
部屋には互いがページを捲る音だけだったが、暫くして、うーんと唸り声が聞こえてくる。
「めっふぃーさんめっふぃーさん」
「はい、何ですか?」
「おかしのおうちって、ほんとに住めるのかなぁ?」
「夢のある現実的な話ですねえ」
「だってね、クッキーは雨でふやけちゃうし、チョコは太陽でとけちゃうとおもうの」
「確かに、外気に晒すには向きませんね」
「ありさんやどうぶつさんも食べにきちゃうし、たいへんだよ!」
「ふむ。でしたら、室内なら全ての問題が解決しますよ」
「へやの中におうち?…へんなの」
「まあそう言わずに。アインス・ツヴァイ・ドライ!」
「わー、すごい!きれーい!」
一瞬にして現れた「おかしのおうち」。
屋根や壁、細かな装飾まで、全てなまえがお気に入りの物で作られている。
「わぁあ…。すっごく、おいしそう…」
住めるかどうかの話をしていたのに、いざ目の前にすると、食べる事に意識を持っていかれたようで。
やはり子供、そういった所が愛らしい。
「食べても良いですよ?」
「んーん。これは見るだけのぶん!だからあとふたつ、いるよね?」
「保存用、観賞用、実用用ですか」
「めっふぃーさん、いつもそうしてる!」
「ええ。OTAKUとしての基本ですから」
私が彼女を見ているように、彼女もまた、私をよく見ている。
そう、それで良い。
「では実用用を。アインス・ツヴァイ・ドライ!」
「やったぁ!いただきまーす!」
「どうぞ召し上がれ」
「ん?めっふぃーさんも、食べるんだよ!」
「おや、良いんですか?」
「めっふぃーさんがいっしょじゃないと、いみないでしょ?」
「…でしたら遠慮なく。紅茶も用意しましょう」
「わたしはりんごジュース!」
「はいはい、ちゃんと分かっていますよ」
部屋の中に、3つ並んだお菓子の家。
広がる香りは、息が詰まりそうな程だ。
(この甘さは、いつまで続きますかねぇ)
お菓子の甘さと、子供の甘さと。
永遠なんて望まない。
終わってからが、また始まりなのだから。
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