中也
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ごめん、ごめんね、中也。わたし、何も知らなかった」
今知った事実が、今迄知らなかった現実が、とてもとても悲しくて。
涙が一気に溢れ出す。
「なまえは知らなくて当然だ。俺も――」
大人達が企て、蠢き、その結果が
子供達を襲い、惑わせ、侵食する。
大人達は、利用する。
子供達の、其の先は…?
「泣いても何も変わらねえだろ」
「そうだけど、でも、」
「なまえ、顔上げろ」
霞んだ視界のまま上を向くと、肩を掴まれる。
長く優しく触れるだけのキスは、わたしの感情の渦を解くには充分だった。
「泣くんじゃねえ。お前の泣き面なんざ、餓鬼の頃に見飽きたからな」
「うん……ありがとう。もう、大丈夫」
迷い無くわたしを見詰める目は、とても強くて、真っ直ぐで。
そして何より、綺麗だった。
嗚呼、そうだ――わたし達は、何が在っても、前に進むだけなのだから。
「これからも、中也の隣に居て…いい?」
「ンな事、聞くまでもねえよ」
胸に抱かれ、くしゃくしゃと髪を撫でられる。
確かな彼の心音が、心地好く耳に響いていた。
続※R18
今知った事実が、今迄知らなかった現実が、とてもとても悲しくて。
涙が一気に溢れ出す。
「なまえは知らなくて当然だ。俺も――」
大人達が企て、蠢き、その結果が
子供達を襲い、惑わせ、侵食する。
大人達は、利用する。
子供達の、其の先は…?
「泣いても何も変わらねえだろ」
「そうだけど、でも、」
「なまえ、顔上げろ」
霞んだ視界のまま上を向くと、肩を掴まれる。
長く優しく触れるだけのキスは、わたしの感情の渦を解くには充分だった。
「泣くんじゃねえ。お前の泣き面なんざ、餓鬼の頃に見飽きたからな」
「うん……ありがとう。もう、大丈夫」
迷い無くわたしを見詰める目は、とても強くて、真っ直ぐで。
そして何より、綺麗だった。
嗚呼、そうだ――わたし達は、何が在っても、前に進むだけなのだから。
「これからも、中也の隣に居て…いい?」
「ンな事、聞くまでもねえよ」
胸に抱かれ、くしゃくしゃと髪を撫でられる。
確かな彼の心音が、心地好く耳に響いていた。
続※R18