中也
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(ソースはこんなモンか)
スプーンで一口味見をし、トマトの酸味が強過ぎない事を確認する。
後は麺の茹で上がりを待つのみだ。
すると、集中していた絵本に飽きたのか、なまえが台所に寄って来た。
「オイ、今湯沸かしてるから向こう行ってろ」
「ここから見てるだけだから、大丈夫だもん」
「なら、鍋は絶対触るんじゃねえぞ」
「はーい」
時計を見て、頃合かと火を止める。
笊で湯を切ると、白い湯気が辺り一面に広がった。
「すっごいもくもく!わたあめみたい」
「湯気も熱いぞ。手ェ出すなよ」
「ねえ!おかしのスパゲッティがあったらいいのにね」
「はァ?」
「めんが甘くてね、ジャムをいっぱい混ぜてね、チョコチップを上からかけるの!」
「…聞いただけで胸焼けするな」
「そう?とってもステキで、おいしいと思うなあ」
「俺は遠慮しとく。ホラ、これ運べ」
フォークと粉チーズをなまえに持たせ、エプロンを外し皿を手に取る。
左右の大きさと重さの不均衡にも、そろそろ慣れてきた。
「あー、ごはんが全部、おかしになったらいいのに」
「菓子ばっかの生活じゃ、体力も付かねえ。誰とも遊べなくなるぞ」
「ええっ、それはヤ!」
「解ったらちゃんと食いやがれ」
「はぁい。じゃあ、手を合わせましょう!」
「「いただきます」」
今日のメニューはナポリタンだ。
なまえが作れと五月蝿いので(聞いている内に自分も食べたくなったのもあるが)、材料を揃えてきた。
「お前、そのままだと服汚すぞ」
「もう赤ちゃんじゃないもん。落とさないよ!」
「ほォ。それは見物だな」
軽く挑発してやると、急に真剣な顔付きになった。
そろそろとフォークに巻き付け、ゆっくり口に運ぶ。
どうやら一口食べて気に入ったようで、二口目から早くも慎重さが欠け始めている。
「うん。ちゅーやのごはんはおいしいから、おかしばっかりは止めるよ」
「そりゃどうも」
「ねえ、あとでゼリーも食べていい?」
「お前、勝手に冷蔵庫の中漁ったのか」
「ちがうもん。レシートに書いてたの見たの」
(此奴も知恵が付いてきたな…)
「ふたつあったよ!味がちがうやつ」
「飯、全部綺麗に食ったらな」
「やったあ!」
結局菓子なんじゃねえかと思いつつ、元々二人で食べる心算だったので善しとする。
宣言通り、服は汚さずに完食出来ていた。
口の周りはしっかりと、ケチャップで赤くなっていたが。
「お前は此方な」
冷蔵庫を開け、葡萄ゼリーを差し出してやるが、じっと黙って受け取ろうとしない。
「如何した」
「そっちの黒いのがいい!」
「珈琲だから苦いぞ、食えんのか?」
「……やっぱりぶどうにする」
ああだこうだと一々騒がしい奴だ。
ころころと変化する表情は、見ていて面白くはあるが。
机に戻ると、再度「いただきます!」と手を合わせてから食べ始めていた。
律儀と云うか融通が利かないと云うか、此れも子供の内だけだろう、と頭の隅で考える。
「あのね。これからちゅーやのこと、ボスって呼ぶね!」
「何だ急に。俺はお前の首領じゃねえよ」
「ん?かっこいいな、って思った人がボスなんでしょ?」
「否、俺等の首領は森さんだろうが」
「あの人はね、大ボスなの。だからわたしのボスは、ちゅーや!」
「そうかよ。つーか、かっこいいって…何処がだ」
「さっき、お湯をザバアーって流してたのが、かっこよかった!」
(……此奴の感性は理解し辛え)
スプーンで一口味見をし、トマトの酸味が強過ぎない事を確認する。
後は麺の茹で上がりを待つのみだ。
すると、集中していた絵本に飽きたのか、なまえが台所に寄って来た。
「オイ、今湯沸かしてるから向こう行ってろ」
「ここから見てるだけだから、大丈夫だもん」
「なら、鍋は絶対触るんじゃねえぞ」
「はーい」
時計を見て、頃合かと火を止める。
笊で湯を切ると、白い湯気が辺り一面に広がった。
「すっごいもくもく!わたあめみたい」
「湯気も熱いぞ。手ェ出すなよ」
「ねえ!おかしのスパゲッティがあったらいいのにね」
「はァ?」
「めんが甘くてね、ジャムをいっぱい混ぜてね、チョコチップを上からかけるの!」
「…聞いただけで胸焼けするな」
「そう?とってもステキで、おいしいと思うなあ」
「俺は遠慮しとく。ホラ、これ運べ」
フォークと粉チーズをなまえに持たせ、エプロンを外し皿を手に取る。
左右の大きさと重さの不均衡にも、そろそろ慣れてきた。
「あー、ごはんが全部、おかしになったらいいのに」
「菓子ばっかの生活じゃ、体力も付かねえ。誰とも遊べなくなるぞ」
「ええっ、それはヤ!」
「解ったらちゃんと食いやがれ」
「はぁい。じゃあ、手を合わせましょう!」
「「いただきます」」
今日のメニューはナポリタンだ。
なまえが作れと五月蝿いので(聞いている内に自分も食べたくなったのもあるが)、材料を揃えてきた。
「お前、そのままだと服汚すぞ」
「もう赤ちゃんじゃないもん。落とさないよ!」
「ほォ。それは見物だな」
軽く挑発してやると、急に真剣な顔付きになった。
そろそろとフォークに巻き付け、ゆっくり口に運ぶ。
どうやら一口食べて気に入ったようで、二口目から早くも慎重さが欠け始めている。
「うん。ちゅーやのごはんはおいしいから、おかしばっかりは止めるよ」
「そりゃどうも」
「ねえ、あとでゼリーも食べていい?」
「お前、勝手に冷蔵庫の中漁ったのか」
「ちがうもん。レシートに書いてたの見たの」
(此奴も知恵が付いてきたな…)
「ふたつあったよ!味がちがうやつ」
「飯、全部綺麗に食ったらな」
「やったあ!」
結局菓子なんじゃねえかと思いつつ、元々二人で食べる心算だったので善しとする。
宣言通り、服は汚さずに完食出来ていた。
口の周りはしっかりと、ケチャップで赤くなっていたが。
「お前は此方な」
冷蔵庫を開け、葡萄ゼリーを差し出してやるが、じっと黙って受け取ろうとしない。
「如何した」
「そっちの黒いのがいい!」
「珈琲だから苦いぞ、食えんのか?」
「……やっぱりぶどうにする」
ああだこうだと一々騒がしい奴だ。
ころころと変化する表情は、見ていて面白くはあるが。
机に戻ると、再度「いただきます!」と手を合わせてから食べ始めていた。
律儀と云うか融通が利かないと云うか、此れも子供の内だけだろう、と頭の隅で考える。
「あのね。これからちゅーやのこと、ボスって呼ぶね!」
「何だ急に。俺はお前の首領じゃねえよ」
「ん?かっこいいな、って思った人がボスなんでしょ?」
「否、俺等の首領は森さんだろうが」
「あの人はね、大ボスなの。だからわたしのボスは、ちゅーや!」
「そうかよ。つーか、かっこいいって…何処がだ」
「さっき、お湯をザバアーって流してたのが、かっこよかった!」
(……此奴の感性は理解し辛え)
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