臨也
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◆睡眠
「臨也さんも、寝たりするんですね」
ソファで仮眠を取っている間にやって来たらしいなまえに、寝起き頭に言われたのがこれだ。
「そんなに意外そうに言う事かな。人間の三大欲求の一つじゃないか」
「臨也さんは人間じゃない、とずっと思っていたので驚いたんです」
間髪入れずに答えが返ってきた。
幾分興味をそそられたので、それには反論せずに話を聞く事にする。
「考え方が随分変わってるし、よく「人間が好きだ!」って言ってるし、事件という事件の黒幕になってるし。
もしかしたら、人類を調査しに来た人類以外の何かで、私達の持ち得ないような、未知の力を駆使しているんじゃないか、と。
そうすると、臨也さんの数々の言動についても、納得ができるんです」
至極真面目に話すなまえ。どうやら本気でそう思っているらしい。
「へーえ。じゃあ君は、その『人類以外の何か』かもしれない俺を、ずっと観察してたって訳だ」
「観察だなんてそんな、臨也さんのような高等な事、私には無理ですよ。
一体どこから来たのか、いつ聞いてみようかと思いながら、ただ、見ていただけです」
今回は当たりか…そう思い掛けた時、
「でも、もし臨也さんが私と同じ、人間だったとしたら。
凄く面白くて魅力的な人だなぁ、とも思っていました」
真っ直ぐこちらを見つめてくる目に、少しばかり、意表を突かれる。
「そう、で?結局俺は、君に何と認識されるに至ったのかな」
「たった今、眠っている所を見ました」
「それで俺が人間だと確定するには、情報が不足していると思わない?」
「そうですね…でも、少なくとも、私を警戒していない事は分かりました。
いつもの臨也さんならきっと、すぐにでも目を覚ますでしょう?」
嬉しいです、なんて言って笑顔を見せる。
―――当たりじゃない、大当たりだ。
この子を簡単に見逃す事は、どうも出来そうにない。
◆食事
「まさかこんな所で会うなんて」
場所は池袋、ミルキーウェイ。オフで会う人間を観察する為に入った店だ。
「それは、この場所が俺に不釣り合いだって言いたいのかな」
「いえ、臨也さんが食事を取っている事に対してです」
なまえはそう言い向かいの席に座った。椅子の白と服の白が同化する。
「この間も言ったけど、」
「これで、三つのうち二つが明かされましたね。
臨也さんが人間だという可能性が、より高くなりました」
やはり彼女も興味深いが、今は本来の一件に手を付ける事にする。
「双眼鏡、使うんですね。超視力の持ち主じゃないんですか?」
「…仮に俺が『人類以外の何か』だとしても、必ずしも超視力とは限らないと思うけど」
「ああ、そうですね。自分の中でイメージを作り過ぎていました」
そうしてメニューに集中し始めるなまえ。
何にするか決めかねているようで、こちらのパフェを見て「その苺のも可愛いなぁ」と呟いている。
「これ、君にあげるよ。俺はもう行くから」
「え…っ、あ、臨也さん、」
「ありがとうございます」
視界の端に彼女を収めてから、見物先へと歩を進めた。
◆二人
「これで、人間としての三つの要素が揃う」
いつも通りの落ち着きと、しかし訪れる驚きと焦りと。
それらが混ざった顔をするなまえを、じっと見下ろした。
「でも、私なんかじゃきっと、つまらないですよ」
「じゃあ何、他の女連れて来て見せろって言うの?」
「そういう事では、ないですけど、」
目を伏せ視線を逸らそうとするなまえの顎を捕らえ、こちらに集中させてやる。
「君じゃないと意味がないだろ?俺は楽しみにしてたんだから、さ」
――臨也さんは、面白い“人間”ですね
――なまえも相当だよ、この俺が手に入れた“人間”だからね
「臨也さんも、寝たりするんですね」
ソファで仮眠を取っている間にやって来たらしいなまえに、寝起き頭に言われたのがこれだ。
「そんなに意外そうに言う事かな。人間の三大欲求の一つじゃないか」
「臨也さんは人間じゃない、とずっと思っていたので驚いたんです」
間髪入れずに答えが返ってきた。
幾分興味をそそられたので、それには反論せずに話を聞く事にする。
「考え方が随分変わってるし、よく「人間が好きだ!」って言ってるし、事件という事件の黒幕になってるし。
もしかしたら、人類を調査しに来た人類以外の何かで、私達の持ち得ないような、未知の力を駆使しているんじゃないか、と。
そうすると、臨也さんの数々の言動についても、納得ができるんです」
至極真面目に話すなまえ。どうやら本気でそう思っているらしい。
「へーえ。じゃあ君は、その『人類以外の何か』かもしれない俺を、ずっと観察してたって訳だ」
「観察だなんてそんな、臨也さんのような高等な事、私には無理ですよ。
一体どこから来たのか、いつ聞いてみようかと思いながら、ただ、見ていただけです」
今回は当たりか…そう思い掛けた時、
「でも、もし臨也さんが私と同じ、人間だったとしたら。
凄く面白くて魅力的な人だなぁ、とも思っていました」
真っ直ぐこちらを見つめてくる目に、少しばかり、意表を突かれる。
「そう、で?結局俺は、君に何と認識されるに至ったのかな」
「たった今、眠っている所を見ました」
「それで俺が人間だと確定するには、情報が不足していると思わない?」
「そうですね…でも、少なくとも、私を警戒していない事は分かりました。
いつもの臨也さんならきっと、すぐにでも目を覚ますでしょう?」
嬉しいです、なんて言って笑顔を見せる。
―――当たりじゃない、大当たりだ。
この子を簡単に見逃す事は、どうも出来そうにない。
◆食事
「まさかこんな所で会うなんて」
場所は池袋、ミルキーウェイ。オフで会う人間を観察する為に入った店だ。
「それは、この場所が俺に不釣り合いだって言いたいのかな」
「いえ、臨也さんが食事を取っている事に対してです」
なまえはそう言い向かいの席に座った。椅子の白と服の白が同化する。
「この間も言ったけど、」
「これで、三つのうち二つが明かされましたね。
臨也さんが人間だという可能性が、より高くなりました」
やはり彼女も興味深いが、今は本来の一件に手を付ける事にする。
「双眼鏡、使うんですね。超視力の持ち主じゃないんですか?」
「…仮に俺が『人類以外の何か』だとしても、必ずしも超視力とは限らないと思うけど」
「ああ、そうですね。自分の中でイメージを作り過ぎていました」
そうしてメニューに集中し始めるなまえ。
何にするか決めかねているようで、こちらのパフェを見て「その苺のも可愛いなぁ」と呟いている。
「これ、君にあげるよ。俺はもう行くから」
「え…っ、あ、臨也さん、」
「ありがとうございます」
視界の端に彼女を収めてから、見物先へと歩を進めた。
◆二人
「これで、人間としての三つの要素が揃う」
いつも通りの落ち着きと、しかし訪れる驚きと焦りと。
それらが混ざった顔をするなまえを、じっと見下ろした。
「でも、私なんかじゃきっと、つまらないですよ」
「じゃあ何、他の女連れて来て見せろって言うの?」
「そういう事では、ないですけど、」
目を伏せ視線を逸らそうとするなまえの顎を捕らえ、こちらに集中させてやる。
「君じゃないと意味がないだろ?俺は楽しみにしてたんだから、さ」
――臨也さんは、面白い“人間”ですね
――なまえも相当だよ、この俺が手に入れた“人間”だからね