好きな食べ物が知りたいって言うのは
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『ねえ、そこの子。そこのなんか、内職してる子。』
サムの席の隣に座る子にとりあえず話しかける。
なんやあれ。編み物やっとんか?
「…私ですか?」
自分が話しかけられてるのか定かじゃなく恐る恐るこちらを見てる。そうそう、君よ。
『せやで、僕君に話しかけてるよ。あのー、サム知らん?』
「先生に職員室呼ばれてましたけど。」
『あ、そうなん?アイツいよいよ頭悪すぎて説教くらってるんちゃうん。すぐ戻ってくる感じかわかるー?』
「ごめん、わからん。」
……
珍しい女の子やな。自分で言うのもあれやけど、俺が話しかけたら大概の女の子は分かりやすく嬉しそうにするんやけど。
少し意地になった俺はまた話しかける。
『俺サムの片割れやねんか。知ってるー?』
「知ってますよ。」
『知っててその感じすごいな。』
「え、そうなん。なんか私変?』
『変。』「え、」
『こういうこと自分で言うのはほんまにおこがましいねんけど、たいがいみんな俺のこと知ってて話しかけてくれんねん。』
「うん。」
『会話1ラリーで完結することあんまないねん。』
「でも今続いてるよ、会話。」
彼女は少し困り笑いをしながらそう言う。
『俺が強引に続けてるからな!いや誰が落ちたボール拾って試合続行やねん。そんなスポーツマンシップに乗っ取ってないみたいな顔したらアカン!これでも割と有望株なんやで俺!』
「そんな、ふふ、なんもそこまで言うてへんよ私。」
お、やっと笑った。なんやこの子、かわいいな。
『ちゃうねん、俺そんなこと言いに来たんと違うねん。新しい数学の教科書持ってたら貸してくれへん?ほんまはサムに借りようおもててんけどおらへんから。』
「ああ、うん、ええよ。」
教科書に書かれてる名前を見る。
『△△、〇〇ちゃんちゃんって言うん?』
「うん。自分宮侑くんやんな?」
『え、俺の名前知ってんの。』
「たまに宮くんと話すと君のこと喋ってるよ。ツムが〜ツムが〜言うて。」
『あいつアホみたいな喋り方しよんの。』
「ふふ、ちゃうで。今のは例えやん。」
あ、また笑った。
この子が笑うと、なんでやろ、嬉しいな。
長くてくるんとした睫毛、栗色の猫っ毛を上手にまとめたポニーテール、白くて小さい手。
ぼやけた輪郭に急にピントが合うように、急に彼女の彩度が増した。
あれ、なんでやっけ、ドキドキしてる俺。
「もう今日その教科書使わんから返すの明日でもええよ。宮くん、あー、えっと、治くんに渡してくれてもいいし。
『ええよ、借りたの俺やし。悪いわ。今日中に時間ある時持ってくるわ。』
「うん、分かった。またね。」
ちゃうねん。悪いとか一切思ってない。
ただ、もっかい君と話したいだけ。
サムの席の隣に座る子にとりあえず話しかける。
なんやあれ。編み物やっとんか?
「…私ですか?」
自分が話しかけられてるのか定かじゃなく恐る恐るこちらを見てる。そうそう、君よ。
『せやで、僕君に話しかけてるよ。あのー、サム知らん?』
「先生に職員室呼ばれてましたけど。」
『あ、そうなん?アイツいよいよ頭悪すぎて説教くらってるんちゃうん。すぐ戻ってくる感じかわかるー?』
「ごめん、わからん。」
……
珍しい女の子やな。自分で言うのもあれやけど、俺が話しかけたら大概の女の子は分かりやすく嬉しそうにするんやけど。
少し意地になった俺はまた話しかける。
『俺サムの片割れやねんか。知ってるー?』
「知ってますよ。」
『知っててその感じすごいな。』
「え、そうなん。なんか私変?』
『変。』「え、」
『こういうこと自分で言うのはほんまにおこがましいねんけど、たいがいみんな俺のこと知ってて話しかけてくれんねん。』
「うん。」
『会話1ラリーで完結することあんまないねん。』
「でも今続いてるよ、会話。」
彼女は少し困り笑いをしながらそう言う。
『俺が強引に続けてるからな!いや誰が落ちたボール拾って試合続行やねん。そんなスポーツマンシップに乗っ取ってないみたいな顔したらアカン!これでも割と有望株なんやで俺!』
「そんな、ふふ、なんもそこまで言うてへんよ私。」
お、やっと笑った。なんやこの子、かわいいな。
『ちゃうねん、俺そんなこと言いに来たんと違うねん。新しい数学の教科書持ってたら貸してくれへん?ほんまはサムに借りようおもててんけどおらへんから。』
「ああ、うん、ええよ。」
教科書に書かれてる名前を見る。
『△△、〇〇ちゃんちゃんって言うん?』
「うん。自分宮侑くんやんな?」
『え、俺の名前知ってんの。』
「たまに宮くんと話すと君のこと喋ってるよ。ツムが〜ツムが〜言うて。」
『あいつアホみたいな喋り方しよんの。』
「ふふ、ちゃうで。今のは例えやん。」
あ、また笑った。
この子が笑うと、なんでやろ、嬉しいな。
長くてくるんとした睫毛、栗色の猫っ毛を上手にまとめたポニーテール、白くて小さい手。
ぼやけた輪郭に急にピントが合うように、急に彼女の彩度が増した。
あれ、なんでやっけ、ドキドキしてる俺。
「もう今日その教科書使わんから返すの明日でもええよ。宮くん、あー、えっと、治くんに渡してくれてもいいし。
『ええよ、借りたの俺やし。悪いわ。今日中に時間ある時持ってくるわ。』
「うん、分かった。またね。」
ちゃうねん。悪いとか一切思ってない。
ただ、もっかい君と話したいだけ。