出会い

(浴室から出てくるブルマ)

ブルマ「(マスクと手足のやつはどう頑張っても取れないからしょうがないわよね·····。)」

「う·····」

ブルマ「!!」

(少女が目を開ける)

ブルマ「気が付いたのね!」

「!·····こ、ここは·····」

ブルマ「ここは西の都、カプセルコーポレーションよ。」

「カプセル·····コーポレーション·····」

ブルマ「あんた、森の中で倒れてたのよ。
一体何があったの?」

「·····」

(少女は黙り込むと右手をブルマの頭へ持ち上げる)

《トン》

ブルマ「え?

ッ!!!」

(少女が指を離す)

ブルマ「あんた·····大変だったのね。
ここも研究所だけど、ここでは生物実験なんて絶対にやらないわ。
製品開発が専門だからね。
だからもう、安心していいのよ。」

「!·····は、はい·····」

ブルマ「·····」

(少女を優しく抱きしめ、頭を撫でる)


ブルマ「·····ここ、廊下だからリビングに移動するわね。」

「·····」

(頷く少女)









〜リビング〜

《ガヤガヤ》

ブルマ「なんか騒がしいわね·····」

「お!ブルマ!」

ブルマ「孫君·····もしかして、みんなを呼んじゃったの?」

「すみませんブルマさん💧‬
女の子が森で倒れてたのを保護したって聞いて·····」

《タタタ》

「ブルマさ!もしかしてその女の子がそうだか?」

(早足で近づいてきて問いかける黒髪の女性)

少女「!!」((ビクゥ

(近づいてきた女性に体をビクつかせる少女)

ブルマ「そ、そうよ。
さっき、お風呂に入れて、汚れを落として体を温めてあげたから大丈夫よ。
あとは食事を食べさせてあげるだけ。」

「!ご飯は用意してあるだか?」

ブルマ「これからよ。」

「んじゃ、オラが作るだ!ブルマさはその子についててあげるだ」

ブルマ「そう?それじゃあお願いするわ。」

「消化にいいもん、作ってやるだ!」

(意気揚々とキッチンへ向かう黒髪の女性)



ブルマ「チチさんがいてくれて助かったわ·····」

少女「·····(人が·····沢山·····)」

(ブルマの服を握る少女)

ブルマ「!大丈夫よ。みんな、私の友達。
悪い人たちじゃないわ。」

少女「·····」

(伏せていた目を上げ、全員を見る少女)

ブルマ「·····
皆!とりあえず、この子に自己紹介しましょう。
誰が誰だか分からないとこの子がもっと不安がっちゃうからね。」

「じゃ、じゃあ、僕からしますね。
僕は孫悟飯です。学者をやっています。こちらは僕の奥さんのビーデルさんと、彼女の父親のミスター・サタンさんです。
そして、ビーデルさん抱いているのが)僕達の愛娘、パンちゃんです!」

(悟飯がそばにいた女性とアフロの男性、己の子を紹介する)

月「·····(小さい·····生まれたばかり·····?)」

悟飯「次に、この子が弟の悟天。」

悟天「初めまして!」

(元気よく挨拶をする悟天)

悟飯「そして、先程料理を作りに行ったのが僕の母のチチ、こちらが僕の父です。」

(悟天と瓜二つの男性を紹介する悟飯)

悟空「おっす!オラ悟空!」

(笑顔で名乗る悟空)

少女「·····(悟空·····さん·····不思議な感じがする·····)」



悟飯「父の隣にいらっしゃるのが僕の師匠、ピッコロさんです。」

ブルマ「パッと見、目付きが悪くて怖い顔に見えるけど、案外良い奴なのよ。」

ピッコロ「💧‬」

悟飯「ブルマさん💧‬」

「あ、はは😅‪‪」

(苦笑いする悟飯と背の低い男性)

悟飯「さ、さあ、気を取り直して紹介を続けますね💦

こちらがクリリンさんとその奥さんの人造人間18号さん、そして二人の娘のマーロンちゃんです。」

クリ「よ、よろしく^︎^︎」

18号「よろしく。」

(それぞれ笑顔で言う二人)


少女「·····(人造人間·····アンドロイド·····なのかな·····。でも繁殖できるってことは·····サイボーグかもしれない·····。)」


悟飯「クリリンさん達の隣にいらっしゃるのが、父とクリリンさんの師匠の亀仙人こと、武天老師様です。」

亀「よろしくの😊」

(サングラスで分かりにくいが、明るく言う亀仙人)

悟飯「そして1番端にいらっしゃるのが天津飯さんに餃子さん、ヤムチャさんにプーアルさん、ウーロンさんです。」

ブルマ「ヤムチャとプーアル、ウーロンは私がまだ十代だった頃からの知り合いよ。」

少女「!(そんなに昔から·····すごい·····)」

ヤム「ブルマの言う通り。このメンバーの中じゃ古株だ。」

ブルマ「これで一通り、終わったかしら。

これで名前はわかったし少しは落ち着いた?」

少女「·····」

(頷く少女)

ブルマ「良かったわ。
あ、ちょっと補足なんだけど、あのピッコロはナメック星人って言って簡単に言えば宇宙人なの。」

少女「!·····(ナメック星人·····あれが·····。)」

ブルマ「それから、あの孫君と今はいないけど私の旦那のベジータはサイヤ人って宇宙人なの。
本当はあんたと同じようにしっぽがあったんだけど、昔に取っちゃったんだって。」


全「!?」


ピッコロ「待て、貴様·····今、尻尾と·····言わなかったか·····?」


ブルマ「ええ。
この子、しっぽついてるのよ。昔の孫君達と全く同じのがね。」


クリ「ほ、ほんとですか💦」


ブルマ「ええ。
立てる?」

(頷きブルマの手から降り、悟空たちに背を向ける)

全「!!!」

(少女には確かにサイヤ人最大の特徴の尾が)

悟空「ちゅうことは·····そいつもサイヤ人なんか?」


ブルマ「んー多分それは違うわね。
DNAは混ざってるみたいだけど。」

悟飯「?それってどういうことですか?」

ブルマ「さっきこの子が多分能力だと思うんだけど、私の頭に記憶を流して経緯を教えてくれたの。

説明すると、まずこの子はここからかなり遠くにあった研究所から脱走してきたの。

その研究所では、ものすっっごく酷い生物実験がされていたみたい。

この子もその実験体の一人で、頭から胴体部分はこの子が生まれ持った身体だけど、腕、足、耳、脳の一部はこの子のお姉さん達のものみたいなの。
それに加えて、さっきも言ったけど、サイヤ人のDNAを出産直前の時にこの子の体に注入。
生まれた直後にはナメック星人の再生細胞も組み込まれた。」

全「!!?」

ブルマ「こんなことがこの子に行われていたの。
その影響でお姉さんたち含めてみんな体の一部だけが正常でほかは変形している·····って、いわゆる奇形児になっちゃったの。

それで、唯一生物として生きていける確率があると認定されたこの子がお姉さん達の体の正常部分を繋げてこの体になったのよ。
ちょっと見えにくいけど、この子の肩とか足の付け根、耳にうっすらと縫い目があったわ。」

ビーデル「·····思っていたより酷いわね·····」

悟飯「·····話を聞く限り、その子は所謂、キメラの一種なんですね·····。」

ブルマ「そう。悟飯君の言う通り、簡単に言えばキメラよ。

それから·····その子のお姉さん達や両親はみんな·····焼却処分されたの。この子の目の前で·····」


全「!!!??」


クリ「そんな·····」

18号「·····研究員共は人間じゃないね·····。」

ブルマ「その後も、色々な薬〇とかの実験もさせられたみたいで腕や足は傷だらけで、さっき洗った時、目も当てられない状態だったわ·····。」


天「·····まだこんなに幼いのに·····」


ブルマ「と、こういうことがあって今、逃げ出してここにいるってわけ。」

全「·····」


《カラン》


全「!」

(音のした方を見るとお箸を落としこちらを見ているチチが)


チチ「·····ッ」

(少女へ駆け寄り、抱きしめるチチ)

少女「!!!」(ビクッ!!!

チチ「グスッ·····辛かっただな!!よく耐えただな!!」

(涙を流しながら抱きしめ、慰めの言葉をかけるチチ)

ブルマ「·····聞いちゃってたみたいね💧‬」

悟飯「そうみたいですね💧‬」


少女「💦·····」

チチ「これからは、悟空さやオラ達が守るだ!だから安心してけろ!
存分に頼るだぞ!」

少女「·····」

(圧倒されつつ頷く少女)

チチ「顔全体は見えねぇだが·····おめぇ、結構可愛い目してるだな。
きっと美人さなるだ!」

ブルマ「そうね。記憶で見えた資料、あそこ生年月日が書いてたから計算すると·····今この子十歳ね。
あ、そういえば名前言ってなかったわよね。この子の名前は月読尊って書いてつくよみって読むみたい。」

(テーブルにある紙に書くブルマ)

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元気